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雨の日の晴  作者: 宿木
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セミと、暑さと、夏休み

今日は晴れ。外に出るのを躊躇うほどの暑さ。


今私は、晴美と、とある商業施設のペットショップへ来ている。


「雨音ちゃん、ペットショップ行かない?」


「ペットショップ?動物飼うの?」


「いや、飼わないんだけど、ただ見るだけ」


(…暇だし、いいか)


「いいよ」


「じゃ、行こうかー」


こんな感じ。暇すぎる故の今だ。


大きなガラス張りの奥で、子犬が走り回っている。五匹ぐらい。


店員さんが、水を持ってきたり、なにやら作業をしている。


この様子を、もう30分近くみている。


「私たち…暇すぎない?」


「うん」


「晴美は、動物とか飼いたいの?」


「うーん、いたら楽しいだろうけど、ちゃんとお世話できる自信ないなー」


「私は猫飼いたいな」


「いいね、なんだか似合いそうだよ」


「そう?ありがとう」


次は、猫のいる所を見る。


子犬に比べて、じっとしていたり、落ち着いている。


子犬と猫を行き来する。


これを、ずっと繰り返している。


「そろそろ行かない?」


「そうしよっかー」


「そろそろ行こうか」と言っても、行く場所もないのだけど。


何となく、気分でエスカレーターを登ってみる。


ゲーセンがあった。


フラフラとそこへ入る。


今日は別に、財布も持ってきていないから、ゲームは出来ないけれど。


「ここのお菓子を取るのと、普通に買うの、どっちが安いかな?」


「うーん、物によるかもだけど、大体が買った方が安いんじゃない?」


少し成長してしまったが故の疑問。


「このフィギュア欲しいー」


晴美がそう言って、ボタンをカチャカチャしている。


「あ…」


ポケットに、120円ほど入っていた。何かのお釣りを、そのままにしたのだろう。


「晴美、100円あった」


「え!ラッキーじゃん!何する?」


「うーん…」


「あれ、100円で4回って書いてる。あれでお菓子でも取ろう」


「いいね」


UFO型の機器だ。


2回ずつ交代でやることにした。まずは、私から。


「いけー!私たちのお菓子…!」


100円4回。私は舐めていた。甘すぎた。


アームが弱い。


なかなかお菓子を(すく)ってくれない。


掬うというより、撫でている。


私は何も取れず終わった。


「晴美、頑張って!」


「任せて!」


(おおお…!)


アームに乗った。


「あ…」


落としたものの、全くお菓子は動かない。


そのままもう一回も終わった。


結局、何も取れなかった。


「帰ろうか」


「うん」


私たちは店を出た。


出た瞬間に気温差に圧倒される。


「あっつー」


「だね」


私たちは、いつもの坂道を目指した。


「じゃあね、また明日」


「またねー」


夏休み前、何をしよう、あれをしよう。と、予定を立てるのだが、


毎年、案外こんな感じだ。この嫌になる暑さも、過ぎれば恋しくなるのだろう。


今日もまた、セミが鳴いている。

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