表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨の日の晴  作者: 宿木
39/124

夏が誘う

今日は晴れ。今日の暑さは、なんだか落ち着いている。


と言っても、暑いことには、変わりないのだが。


私は今、電車に乗っている。


朝から、財布、スマホ、モバイルバッテリー、水筒、交通系のICカードを持って、外へ出た。


最近、妙に遠くに行きたい欲が高まっている。


無性にどこか遠くへ、知らないところへ私が行きたがっている。


だから今日の目的地は、無い。


ただ電車に揺られている。ちょうどお小遣いも貰ったし、貯めていたお金もあるので、多分大丈夫だろう。


普段乗らないような電車だ。


いつも車窓から見える景色は、真っ暗で、どこへ行こうにも変わり映えはしない。


しかし、この電車は、明るいくて、鮮やかな街並みを乗せている。


(ここ、どこだろう。)


今更か、と思うほどの感想だ。


ここ30分ほど、知らない所を走っているのに。


「次は…、…」


聞きなれないアナウンスの声。電車は止まった。


人が沢山乗ってきた。


中には、老齢の人もいたので、私は席を立った。


ここは、よく使われる駅なのだろうか。


確かに、景色はかなり栄えている。


また、電車は走り出す。


3駅ぐらいだろうか、先程乗ってきたほとんどが、降りていった。


車内の路線図を見る限り、後2駅程で、終点らしい。


日常を感じる景色になってきた。


「終点、…です。お出口は左側です。」


(とりあえず、降りるか)


電車を降りた。


あたりは、住宅街ではあるものの、どこか、空間を感じる。


ところどころ、田んぼがある。遠くには、山が見える。


少し歩くと、駅が見えた。先程とは違う駅。


小さな駅だ。


とりあえず、時刻表を見ることにした。


(あと、一時間か…)


次の電車までは、時間がある。


電車を降りた駅に、コンビニがあった。


昼食を買って、そこら辺をブラブラしよう。


「いらっしゃいませー」


駅にあるので、小さなコンビニだ。


そして、なんだか静か。


鮭おにぎり2つと、お茶、ラムネを1つ買った。


コンビニならではの、自動ドアが開く時に鳴る音。


いつもなら気にならないが、今日は特別、はっきり聞こえた。


駅のベンチで、おにぎりを食べる。


周りには、誰も居ない。


駅は、別に空調が効いているわけでは無いが、風が吹いていて、涼しかった。


朝9時から最寄りの駅に乗って、一度乗り換えをして、ここまで来た。


時間は、正午を迎えようとしている。


「ごちそうさまでした。」


誰もいないけど、とりあえず、小さな声で。


私は、この駅を後にした。


帰り道が分かるように、この駅を背にして歩こう。


そう決めて、歩き出した。


あたりは、お店も少なく、ただ家が並ぶだけ。


人も、少ない。


信号だ。


車一台分ぐらいしかない道幅だが、


反対側に行くのに、信号が用意されている。


車も来ないし、無視しても、安全面では問題は無いだろう。


しかし私は、この信号を待つことにした。


信号無視は、なんだか良心が傷む。


(結構長いな)


信号を待っていると、斜め左側に、家と家の間が、少し空いていて、通路になっているように見えた。


そこに行くと私は決めた。


まだ信号は変わらない。


(あっ、)


後ろからやってきたおばあさんが、平然とまだ赤い信号を渡って行った。


私は、信号から少し逸れて、車道を横切った。


先程、目星をつけたところへ向かう。


目的の家と家の間は、ちょうど私が渡った車道ほどの隙間が。


そしてそこには、鳥居が立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ