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雨の日の晴  作者: 宿木
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晴れ、夏をおしらせ

今日も晴れ。


「ギラギラと照りつける太陽」とは、まさに今日のようなことだろう。


今日は、終業式だ。これが終われば、夏休み。


「夏休み」特に難しい字でもなく、飾られた言葉でもない。


しかしとても魅力的な文字だ。暑い中、体育館に全生徒が集められる。


エアコンと、扇風機が着いているが、暑い。


(教室にあるテレビで放送できるのに)


つくづくそう思う。


時々、テレビを通して集会をしている。


暑いんだから、そうしたらいいのに。


みんな同じ方向を向いて、ただひたすら先生の話を聞く。


「明日から夏休みです。楽しみですね。先生から夏休みの過ごし方について…」


(夏休み何しようかな…)


晴美とも遊びたいけど、部活で忙しいだろうな。


写真部は、一応活動するけど、少ない日数だし、来たければ来るという感じ。


夏休みが終われば、自動的に引退だ。


電車で少し田舎の方に行って、小さな旅行をしてみたいな。


映画にも行きたい。


夏休み中に色々と予定はあるけど、それを除いても、あまりが出る。本当に長い休みだ。


一通り、想像を、妄想を膨らませた。


正直、夏休みの予定については、少し前からも考えていた。


毎度、楽しい予定を考えた後に頭を()ぎるのが、「勉強」だ。


宿題は毎年のことなのだが…今年は受験生ということもあり、「全くしない」というわけにはいかない。


毎年、「予定を立てて計画的に」と言われるが、やりたくないことの予定なんて、立てる気になれない。


(未来の私がなんとかするよね)


とりあえず、少し先の私に託した。


毎年なんとかしているし、どうにかなるだろう。


バタバタバタ


皆立ち始めた。


私も焦って立ち上がる。


「礼…座ってください」


「三年生から教室に戻ります」


(やっと終わった)


教室へ向かう。


「雨音ちゃん、話聞いてなかったでしょ」


「え?あ、うんよくわかったね」


びっくりした。隣にいた中野さんだ。


「すごいボーッとしてたよ。」


「あはは、夏休みのこと考えてて」


「集会での話、気づいたら他のこと考えてたりするよね」


「そうだね」


教室に着いた。


「集会お疲れ様でした。このあと、10分ぐらい休憩して、通知表渡して、さようならです」


「はい、休憩でーす。休憩中に配付物配ります。」


(通知表か…今回はどうなんだろう)


私は一年生からずっと全教科3の評価だ。


平均的にできているならいいだろう。と、特別、評価を上げようとはしなかった。


「休憩もう大丈夫ですか?通知表渡すので、番号順に来てください。待っている間、夏休みの予定表とか書いてて大丈夫です」


予定表。意外と真面目に埋めるが、この通りの日々を過ごすかと言うと、そうとは言えない。


ただ、充実した予定を立てるのは、なんだか楽しい。


(8時には起きて、部活行って、帰ったら昼食。少し勉強してからおやつそれから、23時には睡眠)


家庭科の教科書にありそうな1日。


夏休みだ、実際、夜が明けるまで起きていることもある。


(そろそろ私だ)


「木村さーん」


「はい」


先生の元へ行く。


「はい、一学期の成績です。どう?」

上から下に並ぶBと3

「まあ、なんというか、可もなく不可もなくというか」


「そうね(笑)、やるべきことはちゃんとやってる」


明るく笑いながら先生は言った。


「提出物の考えを書くところに、もう少し細かく書けると、評価あがるかもね」


「はい」


「それと、雨音さん、たまに授業聞いてないでしょ?」


(ここは、嘘言って「聞いている」とした方がいいのか…?)


「はい、たまに聞いてないこと、あります。」


「そうだよね、たまに黒板じゃない方観てるときあるもん。もうちょっと黒板の方向けると、評価変わるかもなー」


「頑張ります」


「はーい、夏休み楽しんでね」


「ありがとうございます」


「次、小林さん」


先生は、終始落ち着く笑顔だ。


声色も明るめ。話していて、変に緊張しない。


(バレてたか…)


よそ見していたことがバレていた。


景色を時々、いや、窓際にいたときは、ほぼ毎回だった。


全員、通知表を受け取った。


「はーい、鐘がなったら解散です」


「みんな夏休み何するの?やっぱ勉強かな?勉強も大事だけど、たまには息抜きね。大事にしてください」


キーンコーン…


鳴った。なんか、いいタイミング。


(私の夏休みを知らせる鐘…!)


「さようなら」


「さようなら」


「じゃあねー」


私は、教室を出た。


「あっ!雨音ちゃん!一緒に帰ろう!」


晴美だ。


「うん」


「夏休みずっと部活だったー休みたいのになー。雨音ちゃん、一緒にどっか行こうね!」


「そうだね、どっか行こう。私は、基本空いてるよ」


「そうだなー…」


今日は晴れ、暑すぎるほどだ。


過ごしやすいとは言えないが、夏を(しら)せるには、ちょうどいいのではないだろうか。

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