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雨の日の晴  作者: 宿木
116/118

煌々と、こうよう(3)

「ただいまー」


「おかえりー」


「おっ、晴美ちゃんじゃん、いらっしゃい」


「おじゃましてます!」


「何やってるの?」


「来月すごろく」


「なんだそれ」


晴美がお母さんに説明した。


「へー!また面白いこと考えたねー。

条件はできる範囲かー、確かに、せっかく予定作ったのに出来なかったらもったいないよねー」


「そう!なんか残念な気持ちになるんです!」


「お母さんもやる?」


「私ー?私はいいや二人でやりなー」


(多分、あらかじめ予定が決められているのは、好きじゃないんだろうな。)


私より、この人は縛られることが嫌なはず。そんな気がしている。


二人とも、5回以上は投げただろうか。


まもなく駒は、12月に入ろうとしている。


コロコロコロ


「キター!こたつでアイス!」


このすごろくをはじめて分かったこと。自分で作ったマスに止まると、結構嬉しい。


次は私、サイコロの向きによっては、このまま11月を終えてしまう。


コロコロコロ


「あ」


「やった!お風呂屋さん行けるー!」


晴美が、自分が止まったわけでは無いけど、凄く喜んでいる。


「じゃあこの日、行こうか」


「うん!」


最後に1回、サイコロを投げて、私たちは11月を抜けた。


「ゴールー」


ちゃんと、スマホのスケジュールにメモをした。


なんだか、少し先の11月を体験したような感覚だ。


「終わっちゃったー」


時間は16時になろうとしている。


「そういえば私たちお菓子食べてない!」


「そうだね」


こうなれば、もうお約束と言ってもいいだろう。


使っていた駒を食べて…


「よし、行こうか」


「うん、お母さん行ってきまーす」


「はい、気をつけてねー」


外へ出た。まだ16時なのだけれど、夕暮れは、深みを持っている。


「秋だねー、芋が食べたい」


ここから見えるいつかの森も、季節に合わせたお洒落をしている。


目的地が見えてきた。目の前には、もちろん、駄菓子屋さん。


(あ)


「ハロウィンじゃん!」


「いいね、いい感じ」


そうだ、ハロウィンの季節でもあった。


お店がカボチャやらコウモリ。紫、オレンジといったハロウィンの色で飾られている。


「こんにちはー、あれ?こんばんは?」


「おお、二人ともいらっしゃい」


「おばあちゃん、ハロウィンになってたね」


「そうなの、ここで買ってくれた子達に飾りを渡しててねぇ、お店の外に飾ってもらってるんだよ。

雨音ちゃんたちのもあるよ」


毎年、こんな感じで、ハロウィンになると飾り付けをしている。


お菓子を買うと飾りが貰えて、それを店の外へ飾る。


いつもと同じようなお菓子を買った。


「いつもありがとう、ここから好きな飾り選んでね」


「私これ!カボチャ!」


「私は…これにしよ」


黒い猫の飾りにした。帽子をかぶっていて、魔女みたいだ。


「おばあちゃんも一緒にやろうよ!」


「そうだねぇ、じゃあこれにしようかな」


店の外へ出て、飾りの位置を決める。


「私ここー」


「じゃあ私、隣に置こうかな」


「私もここにしようかな」


「へへへ、いい感じー」


3つの飾りを並べた。


「おばあちゃん、また来るねー」


「うん、気をつけてね」


「またねー」


私たちは駄菓子屋さんを後にした。

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