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雨の日の晴  作者: 宿木
114/119

煌々と、こうよう

ピンポーン


「はーい」


晴美が家に来た。


「おじゃましまーす」


今週は、教育相談があるから、早く帰ることができる。


それで今日は、学校が終わったあと、二人で過ごすことにした。しかも明日は、土曜日。


時間は、お昼過ぎ。


「じゃあ、始めちゃいますか」


「うん」


「いぇーい!来月すごろく!」


時間は、今日のまだ町が寝ぼけている時間。朝に遡る。


「雨音ちゃん、今日早帰りじゃん?お家行ってもいい?」


「いいよ」


「ありがとう!あのね、凄くいいことを思いついたんだ」


「いいこと?」


自信に満ち溢れた顔。こういう時、大体期待していいことが多い。


「えっとー、来月のカレンダーで、すごろくをするの!」


来月、11月だ。


「日付のマスにすごろくみたいにイベントを書いて、止まった日に書いてあるイベントを、来月実際にやるの!」


(おお、ちょっと面白そう)


「いいね、なんだか楽しそう」


「でしょー!じゃあ雨音ちゃんのお家にカレンダー持ってくね!」


「うん、楽しみにしてる」


その後は、午前を学校で過ごし、お昼前に帰ってきた。


約束は、お昼を食べた後。


そうして今、約束の時間がやってきた。


晴美は、持ってきたカレンダーを広げる。


「へへへ、まずは1日、私から書く!」


「いいよー」


「火曜日だから…駄菓子屋さんに行く!」


「…いつでもいいんじゃない?」


「いいの!ルールは、できる範囲にすること!」


そう、今日の帰り、晴美が授業中にルールを決めたと言うので、聞いてみた。


ルールと言っても、ただ1つ、マスに書く内容は、「実現可能なこと」


あくまでも、日常を送ることが前提というわけだ。


「じゃあ私は…お互いに、お互いのお菓子を買う」


「おおー、いいねぇ。センス」


「次は木曜日、そうだなー、肉まんを食べる」


「ははは、なんだそれ」


「多分寒くなるし、大事だよ、あ、雨音ちゃん、金曜日だよ!重要!」


金曜日、私たちにとってはご褒美。何せ今日も金曜日で、金曜日というだけで気分に色がつく。


「じゃあ…ちょっと夜更かしする」


「えー、ちょっとなのー?」


「眠くなるかもしれないし」


「そうだねー、ナイス配慮」


「よし!土曜日!土日は貴重だよ!」


土日、どうしようか、私は予定がない休日がなんだかんだ好きだけど…


「そうだなー、ちょっと多く寝る!」


「いいね、ちょうどいい」


「なんか…土日予定入れちゃうと、息苦しいっていうか、なんかヤだった」


日曜日。私は、今朝晴美からこの提案を受けてから、書くことを決めていた。


「散歩をする」


「散歩?どうして?」


(ふふふ、よく聞いてくれました)


「この日はね、雨の予報なんだ」


「ははは!なるほどねー」


じゃあ次は…


私たちは、こんな調子で、未来に予定を立てた。そこまで干渉しない程の、軽く一日に触れる程度の予定をだ。


11月半ば、寒さとも顔馴染みになってくる頃。この辺りまで予定を決めたところで、あることに気づいた。

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