風混じる快晴
今日は晴れ、快晴で、休日だ。
私は今、お母さんの車に乗っている。
「咲久さん、ありがとうございます!」
そして、晴美も一緒だ。
明日、晴美のお母さん、詩緒さんの誕生日。
晴美が、「一緒にプレゼントを選んで欲しい」と言うので、ついて行くことにした。
それをお母さんに伝えたところ、「じゃあ私も買う」といって、車を出してくれた。
どうやら今年、自分の誕生日に詩緒さんから、プレゼントを貰ったみたいだ。
今日もこの車は、乗客の数以上の会話を乗せている。
「だんだん冷えるようになりましたよね」
「そうー、軽く羽織ものがあるといいよねーでもすぐ寒くなるんでしょうね、秋はどこへやら」
「晴美ちゃん?何あげるか決めてるの?」
「んー、昨年はハンカチあげたんで、どうしようかなー。咲久さんは?」
「私は…なんかいいコップとかあったらそれにしようなー」
「コップか!いいですね!」
昨年、お母さんは私の誕生日にマグカップをくれた。
私が「欲しいものがない」といったら、選んでくれたもの。
この人にとって、贈り物と言えばカップ類なのだろうか。
少しして、ショッピングモールに着いた。少し遠くの、大きなところ。
「着いたー」
「ありがとう」「ありがとうございます!」
「晴美、買うもの決めた?」
「んー、まだなんだよねーいいのがあったら買おうかな」
「私は、雑貨屋さん行ってるから、何かあったら来てねー」
「分かった」「はーい」
お母さんと私たちで分かれた。
「雑貨屋さんもいいね、後で行ってみる?」
「うん!」
最初は、アクセサリーを見てみる。
「んー、お母さんはあんまりつけないからなー」
次は、生活雑貨
「あ!これいいかも…」
キノコの形した小皿
(かわいい)
「でも一旦保留、もっといいのがあるかも」
(私も、何か晴美のお母さんにあげようかな)
その後も、数店回って、ある程度目星はつくものの、決定とまではいかなかった。
「雑貨屋さん行ってみようか」
「うん、ごめんねー」
「全然、ゆっくり決めよう」
雑貨屋に行くと、お母さんがちょうど会計をしていた。
「おっ!決まった?」
「んー、まだなんです」
「そうか、ゆっくり決めたらいいよ」
「お母さん何買ったの?」
「なんかねー、水入れたら色が変わるコップ」
「へー!いいですね!キレイ」
「でしょー」
雑貨屋を見て回る。
店内では、別々になった。
(雑貨屋ってやっぱおもしろいなー、私が欲しくなってしまう…あ)
私はこれにしよう。
いいハンカチだ。
「動県眠た市」って書いていある。
晴美のお母さん、詩緒さんに似合いそう。
「ありがとうございます」
会計も済ませた
。
晴美は…まだ悩んでる様子。
あっ、こっちにきた。
「雨音ちゃんごめん、やっぱりさっきのキノコにする」
「うん、じゃあ行こうか」
お母さんも一緒に来た。
「雨音も買ったの?」
「うん、ハンカチ買った」
「へーいいじゃん」
キノコの小皿のある店に来た。
「結局最初の方に戻って来ちゃった」
「あるあるだよね」
ようやく、晴美も買うことが出来たようだ。
「やったー!買えた!ありがとう!雨音ちゃん、咲久さん!」
「良かったね見つかって」
「うん!」
時間は、ちょうどお昼だ。
「お昼どうする?食べてこっか」
「いいね」
お昼はラーメンを食べて、お母さんが私たちの分も出してくれた。
「美味かったー」
「美味しかった」「咲久さん、ありがとうございます」
「いいよいいよ、いつもありがとねー」
少し休んで、車に向かった。
駐車場にも、涼しい風が吹いている。
「行くよー忘れ物ない?」
「大丈夫です!」「多分大丈夫」
「なによ多分って行くよー」
車は、走り出した、また、人数に合わない会話を乗せて。