表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/93

第83話 裏で動く者たち

――某所、旧都圏地下研究区画。


巨大な制御パネルの前に立つひとりの男。

白衣ではなく、漆黒のコートに身を包み、科学者とも軍人ともつかぬ威容をまとっていた。


「天城優……予測を超えた“存在”になってきたな」


男の名は橘隼斗。橘重工幹部にして、組織の中でも異端とされる人物。


彼は端末を操作し、戦闘データを呼び出す。

夜刃財閥の副管理者・イェルネスが破壊された際の映像。

霊力波形、存在干渉指数、死霊との共鳴――すべてが異常値を記録していた。


「ネクロ・コンダクター……。やがて、“本流”に干渉する」


背後の扉が開き、もう一人の人物が現れる。

その声は中性的で冷ややか。灰色のコートをまとった観測技術者――コードネーム《クレイ》。


「警告。天城優の進化は、既存管理構造において“例外”扱いとされるべきです」


「そのとおりだ。だが例外は、時に“鍵”にもなりうる」


「抑制ではなく、誘導を?」


橘隼斗は微笑を浮かべた。


「“器”がどう動くかを見る。それが、我々に課せられた仕事だ」


***


一方、街の北区。


すでに廃棄された旧軍用研究施設の最奥で、機械の音が鳴る。


「観測データ、収集完了。対象:天城優。特異存在」


無機質な声が流れ、格納されていた大型カプセルが音を立てて開き始める。


中から姿を現したのは、白銀の髪と琥珀の瞳を持つ青年。

年齢不詳、性別も曖昧な雰囲気。

だがその瞳には、明確な知性と……異質な“静けさ”が宿っていた。


「コードネーム:カナタ。観測者ユニット、起動」


“第四の勢力”――それは政府にも財閥にも属さない、独立観測機関。

目的はただひとつ、“世界の変化”を記録すること。


「天城優……あなたが、“変化の核”であるならば。

 私は、その軌跡を記録し、必要があれば介入する」


***


夜の街を眺めながら、アカツキはフードを揺らして笑った。


「カナタも動いたか。となれば、そろそろ真っ黒な連中も顔を出すだろうさ」


「優、おまえは……この世界のどこへ向かう?」


彼はそう呟きながら、静かに夜の中へと姿を消した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ