表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/93

第49話 継がれし意志

──崩れ落ちる魔獣の骸。


《ザグエル=ドラウス》の咆哮が静まり、残るは瘴気の塵と、濃密な魔力の残響だけだった。


ノウマ級の中でも、明らかに“上位個体”と呼べるマガツカミ。

だがそれを、優とザグエルは真正面から叩き潰した。


「……やれるじゃねぇか、俺たち」


息を整えながら、優はゆっくりとマガツカミの核へと手を伸ばした。


──反応がある。


まだ完全に消えていない“魂”が、そこに残っていた。


「死霊化、できる……!」


優の瞳が輝く。


影が蠢き、術式が展開される。

ザグエルがその力を補助するように、竜の目を光らせる。


「《死霊契約──ノウマ級上位・制圧対象:起動》!」


瘴気が巻き上がり、黒い殻が形成される。


──そして次の瞬間、そこに一体の異形が再び姿を現した。


だが、今度は敵ではない。

死霊として再構築された存在──《従属影:ノウマ・レギオン》。


「……っ!」


優の全身に、“何か”が走った。


脳裏に直接響くような、冷たい衝撃。そして──次の瞬間、視界が一瞬歪んだ。


(これは──)


直感が告げていた。今、何かが“進化した”。


──《影流術式・進化条件達成》──


──《新能力解放:影縫刻〈マーク〉への瞬間跳躍》──


「転移……!」


驚愕と興奮が入り混じる中、優はふと、背後に立つ死霊たちを見渡した。


(まだ、先があるってことか)


「──よし、帰るか」


戦いを終えた今、久々に自分の足で歩いて帰れる気がした。


──が。


次の瞬間、全身に“警告”が走る。


(……っ、これは)


影の中で、わずかに揺れた“しるし”。


「……美月──!」


彼女につけていた影のマーキングが、異常反応を示していた。


躊躇う暇はない。


「──ザグエル、待機!」


そして、自らの手の甲に浮かび上がった影符を見据える。


「《影瞬転──飛影》ッ!」


空間が歪み、足元の影が裂ける。


次の瞬間、優の姿はその場から掻き消えていた。


向かう先は──あの少女のもと。


何が起きているかはわからない。だが、間に合わなければきっと後悔する。


──その瞬間、物語はふたたび動き出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ