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第4話 沈黙の狩猟

ギルドの作戦室は薄暗く、壁にはこれまでの討伐記録や地図が貼られている。中央のテーブルには今回のクエストの詳細が広げられ、天城あまぎ ゆうは虚ろな目でそれを眺めていた。妹・紗羅さらの死から日が浅く、彼の心は深い悲しみに沈んでいた。


グレイホーン隊の前衛、荒谷あらたに 剛志つよしが地図を指しながら説明を始める。


「今回のターゲットは、ランクBのモンスター『デスファング』だ。奴らは群れで行動し、鋭い牙と素早い動きが特徴だ。慎重に行動する必要がある」


優はぼんやりとその言葉を聞いていたが、心ここにあらずといった様子だった。隣に座る隊員の一人、佐々ささきが優の肩を軽く叩く。


「おい、優。大丈夫か? 顔色が悪いぞ」


優はハッとして顔を上げ、無理に笑みを作る。


「あ、ああ。大丈夫だ。心配かけてすまない」


荒谷が鋭い視線を優に向ける。


「天城、今回のクエストはお前にとってもチャンスだ。無能者むのうしゃとしての評価を覆す機会になる。しっかり頼むぞ」


優はその言葉に小さく頷くが、内心では紗羅のことが頭から離れず、クエストへの集中が難しい状態だった。


翌日、討伐隊は目的地である廃墟となった都市の一角に到着した。かつては賑わっていたであろう街並みも、今や荒れ果て、静寂が支配している。優は周囲を見渡しながら、心の中で紗羅との思い出を反芻していた。


突然、前方の瓦礫の陰から複数の『デスファング』が姿を現した。彼らは狼に似た姿を持ち、赤い目と鋭い牙が特徴的だ。グレイホーン隊は即座に戦闘態勢を取る。


「全員、陣形を崩すな! 奴らの動きを封じろ!」黒嶺が指示を飛ばす。


戦闘が始まり、隊員たちは連携して『デスファング』を次々と倒していく。しかし、優は動きが鈍く、攻撃を受けそうになる。黒嶺が素早く間に入り、優を庇う。


「しっかりしろ、優! 集中しないと命を落とすぞ!」


「す、すまない……」


優は自分を奮い立たせようとするが、心の中の重石が彼の動きを鈍らせていた。


戦闘が一段落し、隊員たちが息を整えていると、突然、空気が一変した。周囲の温度が下がり、重苦しい圧力が辺りを包む。瓦礫の奥から、異形の存在が現れた。それは、マガツカミ『シュルガト』だった。人間のような姿をしているが、全身が黒い霧に包まれ、目は深紅に輝いている。


マガツカミとは、通常のモンスターとは一線を画す存在で、神の意志に背いた堕落した神々を指す。彼らは強大な力を持ち、その出現は災厄をもたらすと恐れられている。


黒嶺が驚愕の表情で叫ぶ。


「なぜここにマガツカミが……!? 計画にはなかったはずだ!」


隊員たちは動揺し、戦意を失いかけている。絶望的な闘いが幕を開けた。

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