Where am I?
魔王編
「どうしたのよ起きてすぐ叫ぶなんて、悪い夢でも見てたの?」
魔王は思った。
おかしな見た目の生物がこちらを見ている。
「我の前で何故立っている!誰であろうと我の前で立つことは許されない。○ね」
海斗?は右手の人差し指を前に出し横にスライドするように動かした。
しかし、何も起こらなかった。
「魔法が発動しない?何故だ!何者だ!お前は!」
「私はおばの由香でしょ。何を今更言ってるのよ~。それに魔法ってあなた面白いこと言うのね。魔法は本の中の世界でしかありえないのよ?」
まてよ...このおばの由香とか言う生物、昔我が小さき頃読んだ読み物に出てくる人間という生物と同じ見た目をしている。我の手も、足も、体もだ。しかし、伝説の物語だ...何故この世界に我はいるのか。とりあえず、おばの由香からは敵意を感じない。放っておいても問題は無さそうだ。
「おばの由香、玄関はどこにある。」
「どうしたのよ、いつも由香さんって読んでくれてたじゃない。あとここ、あなたの家でしょ。玄関はあっちよ。」
海斗?は何も言わずおばの由香が指を指した方へ行った。
「なんだこれは!ただの壁では無いか!お前!我を騙したのか!」
「何を言っているの?海斗…それはドアよ。もう一度、病院行く?」
海斗?はおばの話を聞かず、ドアを力ずくで押した。
バタァッン
大きな音を鳴らしてドアが倒れた
海斗?は街中の様子を見る
「ここは…一体?我はどこに来てしまったのだ...」
知らない体、開け方の分からないドア、見た事のない形の家がある街。
驚きのあまり声も出ない
そんな海斗?のようすを見て由香は心配になった。
「海斗、どうしちゃったのよ」
「我は海斗では無い。魔王ディマウ・アレストロだ。まさか我を知らぬとでも言うのか。この世界にそのようなやつ1人もおらぬぞ。」
由香は、海斗がストレスでおかしくなってしまい現実を本の中の世界と勘違いして自分を魔王だと思い込んでいるのでは無いかと思った。
そこで由香は、海斗に本当に魔王でないと答えられなさそうな質問を考え、それらを海斗に聞いてみた。
「魔王さん本当にあなたが魔王ならいくつかの質問に答えて頂けない?」
「仕方ない。我は本当の魔王であるからなんでも答えてやろう。」
魔王は由香の質問に考える様子もなく一問ずつ細かい数字まで答えた。それで最後の質問になった。
「最後。これが最後の質問よ。あなたは、本当に魔王?」
「さっからずっと言っておるだろう。我は魔王だ。あまりしつこいとうざいぞ。○したくなってくる。」
由香は海斗?がドアを破壊した時ぐらいから違和感を覚えていた。
昔、読んだことがある本。その本では、異世界のゴブリンと若手社長の魂が入れ替わり、それぞれの入れ替わりライフを楽しむという話だった。その話の物語の入り方とこの展開が似ている。
由香はやっと気付いた。
「少し、いいかしら魔王さん」
「なんだ。」
「あなたの身に起こったかもしれない事のこと。」
「ほう。聞こうではないか。」
「もしかしたら海斗とあなた...
《魂の入れ替わり》が起きているのかもしれないわ。」
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次回、気付いたら魔王だった件!?
お楽しみに!