勇者vs魔王
魔王編
僕は、ある時突如として魔物や魔法が存在する世界に転生してきた。生まれたときからレベル999だった。まあ、言うなれば最強の勇者だ。
東中央大陸にあるイルミネ王国の歴代で最も恐れられている魔王ディマウ・アレストロを倒すために、仲間を3人探し、3年の月日をかけてついに魔王がいるという城の前までやってきた。
「よし!みんな、ついにここまでやってくることが出来た。魔王を倒してこの東中央大陸に平和をもたらすぞ!」
そう言うと仲間は
「やってやりましょ!」
「もちろんだろ!」
「頑張りましょう!」と声を合わせて返事をした。
そして、一般的な人の身長の10倍はあると思う大きな城の扉を開けた。
ギイイイイイイイイイイツ
扉は大きな音を立てながらゆっくり開いた。
城の中は大きな絵や彫刻が壁際にたくさん飾られていて、真ん中に深紅のカーペットがここを通れというように敷いてあり、明かりはろうそくの薄暗い光だけだった。
「意外と豪華だな。」
「でも、少し気味悪いですね。」
そんな会話をしながら奥へ進んでいくと、
大きな牛の角、鹿に熊の毛をはやしたような顔、
暗い色だが物足りなさを感じさせないマント、
獣のような大きな爪をもつ手足、
誰も近づけないオーラを持った魔物が玉座にどっしりと腰を掛けていた。
「あれが、魔王ディマウ・アレストロ・・・」
「あのオーラとてつもないですね。」
勇者は少し怖気づいた。しかし、ここまで来て怖気づいているのは自分のプライドが許さなかった。
だから勢いをつけようと勇者は魔王に管戦布告をしようとした。
その時だった。
突如として、「グハッ」そう言って血を吐きながら倒れる1人の仲間。背中にはバツに爪でかき切られたと思われる深い傷があった。
勇者は驚いた。それと同時にもう一人の仲間もやられた。
その一瞬で勇者は絶望した。
魔王は、魔法を使えるはずなのにあえて使わないという舐めプをしながら、4メートルはある巨体でありながら超高速で移動し、決して弱くなく、油断もしていなかった仲間を瞬殺したのだ。
そして、魔王は最後の勇者の仲間をつかまえ人質にして低い声でゆっくりと言った。
「この仲間を生きたまま返してほしければ我にひざまずけ。」
「僕は、ぼ、僕は、、、最強のはずなのに、、最強なのに...」
勇者は震えながら小さな声でそう言いながら土下座をした。
「アレストロ様参りました。命だけはお助けください。お願いします。」
しかし、魔王は人質にしていた勇者の仲間の首をつかみ手の力をゆっくり入れていった。
「グアッ!ぐるじい、ぐああああああああああ」
勇者の仲間は叫びながら死んだ。
勇者はそれを見て叫びながら魔王に切りかかった。
「うわああああああああああああああああ」
魔王はフッと鼻で笑い、右手の人指し指を上からスッとおろした。
その瞬間、勇者の上に一つの魔法陣が生成された。そこから出てきた、つららのような形をした岩がドリルのように回転しながら勇者の胴体を貫いた。
「誰が許しを乞えと言った。うるさい奴らだ。」
魔王は勇者たちの死体をみて吐き捨てるように言った。
魔王が玉座に戻ろうとしたその時、魔王の体が発光し始め、足にとても大きく複雑な魔法陣が生成された。魔法陣が強い光を発した時、魔王は倒れた。
そして、魔法陣は消え何事もなかったかのようになった。
30分後、魔王は起きて自分の手や体をきょろきょろと見て驚いたように叫んだ。
「えええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?」
お読み頂きありがとうございます!
まだまだ未熟者ですが良かったら星五評価して頂けるとモチベーションがあがって投稿頻度上がります!
次回はサラリーマン編です!お楽しみに!