表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編「おいしいおにく」

作者: 大崎 楓

たんぺ〜ん( ´ ▽ ` )

友人から三つの単語「飼い猫・暴食・戦略」をもらってそれを使った短編を書くというチャレンジをしたものです。


いい匂いがしてふと目が覚めると、真っ白な天井が見えた。僕はすぐにそこが自分の部

屋ではないことに気づいた。


僕が目を覚ました場所は、真っ白な部屋だった。すべての壁が白く、排気口もどこにあ

るかわからない。確認したが、扉もなかった。しいて言うなら四方の壁にモニターのよう

なものが張り付けられているぐらいだろうか。


そして、僕はゆっくりと体を起こす。


にゃ~お


猫の声が聞こえ、声のほうへ向くと。そこには飼い猫のミタマがいた。

僕は部屋に自分一人ではないとわかり安心感が込み上げてきて、涙を流した。


すると、ミタマが慰めるように涙を舐めてくれる。


「ありがとう。大丈夫だよ」


僕は気持ちを切り替えて目の前の状況に目を向けた。


僕が立ち上がると目の前に白い机と椅子が置いてある。そして、机の上には鉄板の上で

ジュージューと音をたてているステーキがあった。ステーキを食べろと言わんばかりにフ

ォークとナイフも置かれている。


僕は椅子に腰を下ろし、ステーキをナイフで一口大に切りフォークで刺して、おそるお

そる口に運んだ。そして、口の中でステーキを噛んだ瞬間。僕は驚きを隠せなかった。


なぜなら、それはこの世のものとは思えないほど美味しかったからだ。肉が抵抗なく嚙

み切れるほど柔らかい。噛めば噛むほど肉のうまみとともに油があふれてくる。油もしつ

こくなく、下味のスパイスも肉のうまみを引き立てていた。すべてが高水準でバランスが

良い、理想のステーキとはこれのことだと驚きながら無我夢中で食べ進めた。ステーキは

あっという間になくなった。


その時、僕はハッと気づいた。この部屋にほかの食糧がある

かも確認せずステーキを食べてしまったことに気づいたのだ。僕は後悔をしたが、時すで

に遅し。僕は、これからこの状況を確認し戦略を立てて生活していかなければならないと考え、

これからの方針を立てて、その日は眠りについた。


一日目

まず、僕は脱出を試みた。この部屋は窓がなく、扉もない、排気口すら見つからないの

だ。真っ白な部屋の四方の壁にモニターのようなものが張り付けられているだけだ。

モニターに触ろうとするとガラスのようなもので覆われていた。


すると、突然モニターに映像が表示される。


それは、肉だ。ステーキが作られていく映像が四方の壁にあるモニターすべてに表示さ

れた。その時、最初に食べてステーキが脳裏に浮かびお腹が音を立てた。


にゃー


ミタマもお腹を空かしているんだ。まずは、食料を見つけなければ。

次の目標を考えつつ、机と椅子しかない部屋でどうすればいいかと不安になりながらも

その日は眠りについた。


二日目

二日目の朝に目を覚ますと、部屋に置かれていた机の上にはステーキを食べた時の食器

が置かれていたはずだが、その日はいつの間にか別のものが置かれていた。


置かれていたのはフライパンなどの調理器具、持ち運びできるガスコンロ、食器、少量

の水、少量の油、調味料、肉切り包丁などがあった。


何に使うかもわからないまま、置いてあったフォークなどで壁を掘ろうとも思ったが、

想像以上に壁が固かった。今無駄に体力を消耗するのも危ないので早々と中断する。しか

し、この部屋には僕とミタマしかいない。そのためこの道具類は、他の誰かが置いたとい

うことだ。見つけられていないが、人が出入りできる場所があるということは確かなは

ず。希望が少し見つかり、ほっとした。


にゃぁお


少量の水をミタマと分けて飲んで眠る。


三日目

人の出入りできる場所を探す。机の上などに乗り天井なども隅々まで探す。出入口は見

つからなかったが。天井に謎のスイッチを見つけたのだ。危ないものかもしれないが、僕

達にはこれしかないので意を決してスイッチを押す。


ジュー!!!


モニターにステーキの調理映像の音が流れ始めたのだ。


何もなかったことに残念になりながら、ステーキの調理映像を見て涎をたらしそうにな

る。僕は画面から目をそらして、ミタマとともに水を飲む。

ミタマもどこか弱弱しくなってきている。僕は不安を抱えながら寝た。


七日目

ちらつく、最初に食べたステーキがちらつく。しかも、周りのモニターの映像を見てし

まうと口の中に涎があふれる。見ないようにしても音が聞こえてくる。

耳を抑えて周りを見ないようにする。ミタマはすでに動かないし鳴かない。息はしてい

るようだが、最近は水も口につけない。僕は耳を閉じて部屋の端でうずくまりながら寝

た。


九日目

ミタマが死んだ。


そして新しい道具として、糸鋸、ガスバーナー、局所麻酔の注射の三つが置かれていた

が。前回のように出入り口を探すような気力は起きなかった。それに、なぜこのような物

が置かれた?


いや、今はそんなことはどうでもいい…


十日目

肉が食いたい!くそ!

脱出なんてもうどうでもいい!肉が食いたい!貪り食いたい!ミタマが死んだ悲しみな

ど生まれなかった。ただ、肉が食いたい!それだけが頭の中を反芻する。


十五日目

部屋に落ちていた肉を食ったが。まずいまずいまずいまずいまずいまずい!

煮ても焼いてもまずい!水を飲んで吐く、水を飲んで吐くを続ける。

死にたくなる!でも生きたい!食べたい!喰いたい!肉を喰いたい!

なんでもいい!なにかないか!なんでもいい…


十七日目

うまい!うまいぞ!ようやくうまくできた!

今日は昨日残した■■を食べる。■■■■で■■を■■ないうちに、包丁を■■に通す。

硬い■は糸鋸で切断して切断面を■■■■■■で■って■■する。この時、素早くやらな

ければならない。なぜなら、■■し大量に■■してしまうからだ。切り身は臭みをとるた

めに血ぬきをして下茹でをする。調味料で下味をつければ準備万端だ。

油を敷いたフライパンに入れれば…

ああ!なんて香ばしくていい香りなんだ!

早く食べたいが。我慢、我慢だ!肉は焼き方で味が変わるからだ!


よし!今だ!これ以上は我慢できない!!!!いただきます!!!!!!!!

うまい!うまい!うまい!うまい!うまい!まえよりうまくできた!

うまいうまいうまいうまいいたいうまいいたいいたいうまいうまいいいいいいいたいいい

うまいうまいうみやいうまいいあいうあいいうあいいああああああいうあいうまいうまい

いたいいたいいあいいぎあいがいうまいいたいうまいいたいたいうまいいいいいたいいい

いやいけどうまいうまいうまいうあいうあいうまいいたいうまいいたいいあいうまいい!


ぐちゃぐちゃ


あぁ…


くちゃくちゃ


なんて僕は美味いんだ…



                        *



場所は打って変わって、そこはとても広い機会だらけの部屋、たくさんのモニターもあり

全てに白い部屋の映像が表示されている


モニターを見ているのは十数人の白衣を着た者たち。


「被検体 710 番。死亡しました。」


画面の操作する一人が報告する。それに、上司のような者が答える。


「飼い猫程度を失っても“暴食”の獲得には至らないか。次は“家族”全員使うとするか。お

い!準備を始めろ。」


男の命令により白衣を着た者たちが、様々な機械を操作しだす。

すると、猫と一人の青年が映し出されていたモニターの映像が切り替わり、白い部屋に 4人家族が気を失い倒れている映像が映し出された。


そして、4人家族の息子と思われる少年が目を覚ました。


「ここはどこ?」



読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思って頂けたら「評価」(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)を是非宜しくお願い致します。

感想もお待ちしております。

そして、気になる点などもドシドシ送ってください!より良い作品作りの参考にさせていただきます


これからの作品を続けていく大きなモチベーションとなりますのでよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ