表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/132

第九十二話 ほのぼの、水の神 其の一

「はぁ、疲れました。」

皆、キョトンと見ている。

「ルーインと、スライダーは、いますか?」

立ち上がるルーインとスライダー。

「申し訳ないのですが、私の肩の辺りに穢れ無き水をかけて貰えますか?」

「は、はい。喜んで、」

「は、。」


スライダーとルーインが手を肩の辺りに掲げ、穢れ無き水をあふれ出すと、水は、水の神に吸い取られて行く。

美しいと言える光景だった。


「助かります。ありがとう。続けて下さい。」


「水の神よ、教えてくれぬか、、」

「はい、何でしょうか?ルーイン。」

「我が長は、どこに?」

「はい、キラ王国の辺りです。サッカー領と言われている所。」

「我も長を追って行きたいのだが、」

「ルーイン、駄目だ、先陣の約束は、わしのはずだ。」

ルーンが立ち上がる。

「大丈夫ですよ、小豆洗い達だけで、。、。落ち着いて下さい。」


「水の神様、お聞きしていいでしょうか?サッカー領に、行かれたのですか?」

「あら、あなた方は、、、うん、。そうでした。辛い事がありましたね。」

「我が名は、サッカー ブラックと申します。今、この時、夢の様です。」

「はい。いつも私に祈りを捧げてくれてありがとう。」

「皆さんも、いつも祈りを捧げてくれてありがとう。皆さんのお陰で私は、元気です。」

にっこりと笑う水の神。


「サッカー領の悲劇は、悲しい事でした。とても平和なのに、なぜ、あんな事をするのでしょうか?人間の欲には、うんざりします。」

「小豆洗い達が会いにいった方も、大人しくゆっくりしていた様ですが、多大な虐殺をみて恐れ怒られた事だと思います。」

「教えて頂けないですか?なぜ、サッカー領ばかり、事が起こるのですか?」

「たまたまです。」

「しかしながら、あなた方が、小豆洗いと出会った事は、奇跡と言えます。」

「はい、小豆洗い殿のお陰で、今があり、感謝に堪えません。」

「小豆洗いの為に励むのです。私も、あなた方を見守っています。」

「は、ははぁー」


「お聞きしたいのだが、わしの力は渡せんのですかのぅ?これでも、氷の使徒なんですが、コーストと儂は。」

「ふふふ、ありがとう。多堕のログ。ですが、氷の力は、受け取れないのです。」

「そうでしたか。残念じゃわい。多堕のログとは、懐かしい。ご存じでしたか?お役に立ちたかったのですが、」

「お気持ちだけでも、嬉しいです。勿論、存じてます。あなたのお盛んな頃は、凄かったですから。」

「あの、そのぅ、氷の神様は、お元気ですか?わし、子供の頃に夢で、お会いしまして、力を授かりましたのですが、お会いできるのかと思い、生きて来てるのですが、中々、」

「氷の神は、もちろん元気ですよ。きちんとお祈りしてますか?きっと伝わってます。でも、あの方は、なかなか、その、なんと言いますか、冷たいですから。」

「ああ、そうですか。ああ、そうですか。」

落ち込む様に見えるログ爺さん。


「ああ、皆さん、なにかお願いとかないですか?」

「なんでも言って下さい。」


皆、どうしていいのか分からないようで、顔を見合わせる。

「ふふふ、皆さん欲がないですね。」


「それでは、一つ、魂水神像の辺りに氷の神の像をお願いできないでしょうか?」

ログ爺さんは、懇願するように言う。

「私が創る訳には、いきませんね。ごめんなさい。」

ずーんと、落ち込むログ爺さん。


「ルーイン、スライダーありがとう。」

疲れたのか、スライダーは、座り込んでしまった。

「スライダー、あなたは、まだまだ成長します。多堕のログが近くに居るのです。教わりなさい。」

「はいぃ。」

スライダーは、ボーっとしている。


「皆さん、楽にして下さい。私は、少しここに居たいのです。」

「いつも通りにしてもらっていいですから。」

水の神は、機嫌がいい様だ。

「さぁ、皆さん、いつも通りに。」


「ルーイン、案内してくれますか?」

「は、」

ルーインは、乗せようとひざまつく。

「ありがとう、キャッ、」

ルーインが立ち上がる時に、ぐらついて可愛い声を出す水の神。

皆、ハラハラしながら見守っている。

結局、皆、ついて回る。

ゆっくりと村を回る。


「豆を焙じたチャーでも、飲まれますか?」

「あら、頂きます。」

「では、準備いたします。コースト手伝っておくれ。」

「はい。」

慌てて、走ってテントの方に行くコースト。

ログ爺さんもフワフワと後を追う。


「父上、神は、おられるのですね。」

「そうだ、スピン。こんな事があるのだな。」

「ここにいると、世界観がおかしくなりそうです。」

「イミン。私は、もうおかしくなっている。」

「スピン様、イミン様、このデコイも、皆、同じ気持ちですよ。」


「あら、サッカーの奥方と娘さんですね、お元気ですか?」

「はい、ありがとうございます。」

「神様、なぜ、助けてくれ無かったのです?サッカー領の皆、殺されたそうです。」

「スピン、そのような、」

「いいのです。」

「私達が逃げる時も、東門の兵達や、死んだ人達が一杯でました。」

「はい。」

「助ける事は、出来なかったのですか?神様。」

「はい、出来ません。私、水の神として出来る事と出来ない事があります。」

「それに、神といえ、未来を見る事は、出来ません。世の中の不幸を知り、止める事は出来ません。」

「でも、私を崇拝し、信仰してくれているのであれば、心通じ合う事が出来ます。応援できます。」

「本当は、こんなに、色んな方と関わってしまっては、いけないのです。不公平ですから。」

「今回は、特別ですから、スピンさん。なんでも聞いて下さい。」

「はい、わたし、この先どうすれば、」

「スピン、」

「スピンさん、あなたには、父、母、兄がいますね。」

「はい、」

「頼り、助け合い、一緒に生きていきなさい。それは、幸せな事ですよ。ふふふっ。」


「水の神様、チャーの用意が出来ました。」

「ありがとう、では、行きましょう。」

ぞろぞろと歩いて行く、。


「水の神様、我は、ルーン。信仰とは、なんだ?こないだ、長にも教えをもらったが、聞きたい。」

「はい、誇り高きケンタウロス、ルーン。」

「ルーン、あなたは、何を求め生きますか?」

「強さだ、強さただ一つ。長や、ルーインの水の力と違う強さ。この剣を奮う強さだ。」

「生きる事、即ち剣の道ですか?」

「そうだ。」

「古来から、剣術の道を磨き生きる者達がいます。」

「剣術、そうだ。我が求める事は、剣術の道だ。」

「では、全てを捨て剣術の道を求めなさい。」

「でも、悩む事もあるでしょう。後悔もするでしょう。今、この時の様な時、偽りなく信じ、仰ぎ見る存在は、私では、いけませんか?」

「うむ、仰ぎ見る事にしよう。水の神、これから更に剣の道を歩む事にする。」

「はい、頑張って下さい。」

「また、頼む。」

走り去るルーン。

「ふふふ、無骨な求道者は、可愛いですね。」


「水の神様、こちらにどうぞ。」

「はい、ありがとう。」

「まさか、水の神様とお茶をする事が出来るとは、」


「はぁ~落ち着きます。あら、香ばしくて美味しい。」


読んで頂きありがとうございます。

いいねや、評価いただけると嬉しいです。

宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ