表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/132

第八十五話 行商人オフトンとアグル

「兎の毛皮なら、結構あるんじゃが、買ってくれんかの。」

「そうですか、見てみませんと一概には、値段は、つけれませんが。」

「この鉄鍋、欲しいの。」

「これは、いい物ですよ。あいにく、一つしかありませんが。」

「そっちのは、?」

「この古い小さい鍋は、我らが使いますので、売れませんが、」

「う~ん、まぁでも、いいでしょう。値段次第で。」

小豆洗いは、なんかの角を手に取る。

「これは、なんじゃ?」

「これは、一角兎の角です。加工してもいいですし、削って薬にしても良いです。」

「何と、薬にするのか。」

「はい、咳が止まらない時や、しゃっくりにも効きますよ。」

「胸がむかついたり、腹が重い時にも効きます。」


「一角兎の角か、うーむ。」

ふぬぬ。そうか。

なんか、豆の畑に落ちておったような?


「小さいナイフも多いのぅ」

「なかなか高いので売れないのです。」

苦笑いをするアグル。

「いや、わしゃ、ほしいのう。」

木や鉄で出来たお椀や、布や袋、紐。

どれもあって、損をしないものばかり。


「魚の干物は、売れんかの?」

「魚の干物は、嬉しいです。買わせていただきます。」


ぱぁぁと顔が明るくなる小豆洗い。

「ほ、ほらのぅ。」

自慢げにダミーの顔を見る。


「川や海に近いと魚に困りませんが、山を越えた辺りに住む人々にとっては、とても欲しがる物ですから。」

「我ら、行商人も食糧にしますし。」

「兎の干物は??」

「贅沢な干物ですなぁ。焼いて直ぐ食べると美味しい物を、乾物にするなんて」

「勿論買わせていただきます。」


また、ぱぁぁとニコニコする小豆洗い。

「しかし、魚の干物が人気あるとは、」

「アイス。保存できる物は、大事じゃぞ。」

「確かに、サッカー領にいた頃は、魚は高い物でした。」

ダミーが思い出す様に言う。

「僕も、思い出しました。子供の頃、カチカチに乾いた魚、かじったりしたなぁ。」

「身体にもええと思うよ。肉ばかりも良くないからの。」


「サッカー領というと、キラ王国の?」

「私の名は、ダミー サッカーです。」


すかさず頭を下げるオフトンとアグル。

「これは、失礼をしました。高貴な方とは、存じ上げず御無礼をお許し頂けますでしょうか?」


「頭を上げて下さい。頭を。良いのです。」

手を取りにこやかに笑顔になるダミー。

「ダミーさん、かっこいい。」

百舌鳥カマキリが、言う。

「流石、じゃのう。」

「わしも、ダミーが、高貴に思えたぞい。気品があったの、。」

「今は、小豆洗い殿の配下、ダミーサッカーです。」

「いや、ほんとじゃよ。お主は、大したもんじゃて。」


「あの、私は、昔、サッカー領地にいた事がありまして、」

オフトンが問いかける。

「ええ、そうでしたか。」

「はい、あの頃は、細工した女性向けのアクセサリーを扱っていました、。」

「サッカー家の方にも出入りさせて頂きました事もありまして、」

「執事の方ならば、私の事を、お分かり頂けるかと思います。」


「実は、訳があってサッカー領地は、キラ王国から領地没収、人間は、反逆罪、見つけ次第斬首とされたのです。残った者もわずかです。」

「サッカー様、これは、何という、、。あんなに豊かなサッカー領がそんな事になるなんて。」

「豊かだからこそ、招いてしまったと言えます。」

「何という事だ。」

オフトンは、悲壮感を漂わせる。


「あっ、父さんは?デコイって言うのだけど、」

横で黙っていたアイスが突然言う。

「デコイ様、デコイ様、いつも剣の稽古をされたり、鎧お姿の?」

「そうかも。」

「確か、サッカー家の取引の他に、個人的にお売りさせていただいた事もあります。」

「デコイも一緒に来れば良かったのぅ。」

「しかし、良く覚えていますね。」

「はい、商売の事は、でもそれ以外は、駄目ですが。」


「んじゃこれなんかも、案外、オフトンさんから買ってたりして。」

アイスは、首にかけたネックレスを見せる。

「はい、私がお売りしたものです。そうですか、、、、。確信しました。デコイ様は、お元気ですか。」

「父さん、元気です。」

「どうじゃ、村に来てみるというのは?デコイに会ったらええ。」

「焼き魚でもどうじゃ?」


「はい、アグル、行ってみようか?」

「うん、そうしよう」


「アイス、首からかけていたんじゃのう、気が付かなかったぞい」

「はい、母の形見です。」

読んで頂きありがとうございます。

いいねや、評価いただけると嬉しいです。

宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ