第八十四話 干物は、大事
「おーい、アイス、ダミー、」
「わしゃ気がついたんじゃ、魚の干物を作ろうと思っての、」
「はあ、」
「なんじゃダミー、良い案だと思わんのか?」
「小豆洗い殿、ここでは、魚が凄く取れるでは、ありませんか?」
「じゃから、干物にすれば、もつじゃろ?」
「はい、そうですが、」
「寒くなってきたら、いつもいつも取りに行くわけにいかんじゃろ?」
「はあ、寒くなるとは?」
「じゃから、冬が来るじゃろ」
「冬?」
「なんですか?冬とは、」
「へっ?」
「春夏秋冬じゃよ」
「はあ、」
「ん?もしかして、ずっとこの気候か?」
「はい、住む場所によっては、寒い所もありますが。」
「ああ、そうか、」
なら、まぁの
うん。そうか。
「でも、干物を燻製にすると美味いんじゃ、」
「美味いぞ、」
「くんせいとは、煙で炙るというか、」
「その燃やした木の香りが食べ物に移っての、」
「おお、そうじゃ、兎の肉を燻製にしてみようの」
「よし、ダミー、そなたとわしで、干物と、燻製を作るぞい。」
「良いな。」
「はい、」
渋々な返事のダミー。
「ダミー頼んだからの。」
「はい。」
「そんでなぁアイス?」
「お主に金を返す意味でも、稼がなくては、いけまい。」
「はい、宜しくお願いします。」
「なんか無いか?」
「今、キラ王国は、ケンタウロスに攻められて、物資が少ないと思いますから、木材を持って売りにいくのは、どうですか?」
「ほほう。」
「あと、その干物も、安くなりますけど売る事は、出来ると思う。」
「でも、持って行く手間を考えると、安すぎるかな。」
「ぬぅ、なるほどの。」
「まぁ木を売るとしても、誰が売るかですよ。」
「サッカー家に関わる人は、捕まりますし、」
「すると、ログさんか、スライダー、ダイか、」
「はい」
「そうじゃ、落ちついたら、スライダーとわし、ウィグラー王国に行くんじゃ」
「はあ、」
「スライダーが斥候部隊のままじゃから、話しにいかんとなぁ。」
「わしも、アキノ村の連中に会いたいしのぅ。」
「アキノ村って、何ですか?」
「この川の上流に小さい村があったんじゃが、皆ウィグラー王国に行ってしもうての。」
「はあ、」
「わし会いに行きたいんじゃ。」
「遠いですよ、ウィグラー王国。」
「うむ。その様じゃの。」
「そのアキノ村は、今、どうなってるのですか?」
「わしが好きに使って良いと言われての、」
「そうじゃ、たまには、見に行かんとなぁ、」
「好きに使って良いと村を出て行く人たちに言われたんですね。」
「そうじゃよ。」
「でしたら、僕も見に行きたいです。」
「見に行っても、なんも無いぞ、」
「空の家が、何軒か有るだけじゃ。」
「有るじゃないですか、」
「家が、」
「ん?」
「あのですね、家は、バラして、組み直す事ができると思いますし、仮に出来ないとしても、一から作るより楽ですから。」
「しっかりしてるの。」
「ダミーもいくか?」
「はい。」
「なんじゃ、元気ないの?ダミー。」
「いや、私は、アイスとは、違いなんも役に立たない様な、干物作るしか無いのです?」
「ダミー、そんな事は、ない。干物は、大事。」
「まぁのぅ、ほっほっほっ。、。しょげるのも人生じゃよ。」
「はあ、。」
そうか、家をばらすか。そうよのぅ。
まぁ明日、見に行くとしよう。
ルート、ルーンに乗るダミーとアイス。
その先に、狸になった小豆洗いが百舌鳥カマキリを乗せて走る
久しぶりに小さな滝の所に着いた。
ふぅ疲れたぞい。
もうわし、前走るのやめよ、
ケンタウロス達は、早すぎて、後ろにつかれるとしんどいぞい。
やっぱり、ここは、落ち着くの。
後少しいったら、アキノ村じゃ
少し休むか。
ダミーとアイスは、ケンタウロスに乗れた事が嬉しいのか、感動しルートとルーンに話かけている。
「川の上流も、良い所ですね。」
「じゃろ。」
あ~アキノにあいたいの。
歩いて行く一向。
村が見える。
アキノの家から、煙が出ている。
なんじゃ、誰かおるなぁ。
「おーい」
「おーいすまんがの、開けるぞい」
なかには、中年の男二人が、小太刀を持ち、じっと見つめていた。
「まぁ待て、」
「お主ら、なぜ、ここにいる?どういう?」
黙って見ている二人。
「わしゃ、この村の連中から、ここを自由にしていいと言われているアズキアライじゃ、」
「ここの連中は、ウィグラー王国に行ったぞい。」
「ふぅ、」
一人がため息をつき、小太刀を下ろすと、もう一人も緊張をとぐ。
「私達は、旅の商人で、オフトンと、アグルと言います。」
「この村にも行商しにきたのですが、だれもいませんし、少し待ってみるかと思い、昨日からここに居ました。」
「ほう、」
「この村のでは、いつも、毛皮を売って頂く代わりに何かを買って頂いてました。」
「そうか、わかったぞい。」
「おーい、ダミー、アイス来てくれるかの?」
扉を開けて二人が入って来た時に、後ろにいるルーンが、剣を振り回して木の枝を切っているのが見えてしまった。
「ケンタウロス、ケンタウロスだ、」
もう一度。小太刀を持ち、身構える
「なんで、なんでこんな森の中に、」
「殺される。」
はあ、めんどくさいのぅ。
「大丈夫よ、安心なさって」
ピョンと肩にのる百舌鳥カマキリ。
「ま、魔物、」
みるみる顔がこわばり、絶望感を出す、オフトンとアグル
「大丈夫じゃよ、」
頭をかく小豆洗い。
「全然大丈夫じゃないですよ、小豆洗い殿。」
「普通は、こうなります。」
アイスが、笑う。
「ダミー、アイス話してやれ、」
「わしゃ外にいるで。」
「長、中にいるのは、弱き者か?」
ルーンが聞く。
「そうじゃ弱き者じゃから、驚かしてはならん。」
「分かった。それはそうと、長。」
「なんじゃ?」
「次、戦いがある時は、私が先陣を切りたいのだ。」
ああ、つねておるな。
「わかったぞい。ルーン。」
「おお、長、頼む。」
露骨に喜ぶルーン。
「約束じゃな。」
「うむ。」
「ルート?ルートは、そろそろ嫁さんほしくないのか?」
「ほしい。」
恥ずかしそうに言うルート。
「そうか、ならルーインにわしから話してやろう。のう?」
「はい、長、お願いします。」
「うむ。」
「小豆洗いさん、扉を開けますよ。」
扉の中から恐る恐るこちらを見る二人。
安心させるため、アイスと、ダミーが歩いてルーンの横に立つ。
オフトンは、もう一度、ケンタウロスを見て、腰が抜けた様で、座り込んでしまった。
アグルも、呆然としている。
「大丈夫じゃよ、何を売ってるかの?見せて欲しいのじゃが。」
読んで頂きありがとうございます。
いいねや、評価いただけると嬉しいです。
宜しくお願いします。




