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第八話 オキツヒメ様


「ふふふっ」


優しい眼差しで、オキツヒメ様が見守る。

機嫌が良い。


「ところで、そなたたちは、異質な力を得ました。」

ニコニコとオキツヒメ様は、話される。


「百舌鳥カマキリ、あなたは、普通のオオカマキリより倍の大きさになりました。身体も強靭になり鋭い鎌は、岩をも切り裂くでしょう。本来、牝として雄を誘惑する本能も増したようです。」

「また、百舌鳥を食べた事で、百舌鳥から様々な鳥の鳴き声や、百舌勘定という知識を得た様です。知識知能が一気に向上しました。ずる賢くもなりましたが、あなた次第です。」

「ふふふっ、元来、百舌鳥は、賢い鳥でしたから。また、その影響では、ありませんが多少は、飛べるようになりましたよ。兎に角、身体と知識が向上したのです。それにより、どのようなものとでも話せる様に、そして、カマキリだったころの能力も格段に上がりましたね。どのような背景にも周囲の風景に溶け込む事が、得意になりましたよ。身体の色を上手く使いなさい。」


目をつむるオキツヒメ様。


「んっああ、そういう事でしたか。ハリガネムシを寄生していた際、カマキリの繁殖能力が無くなりましたね。がしかし、あなたの体は、知らず知らずのうちに子を求め繁殖しようとしている様です。」

「だから、そんなに誘惑してしまう様です。全ての動物を誘惑してしまうぐらい強い力です。」

「百舌鳥カマキリ、あなたを見る雄カマキリ達を見知っていますか?あれらは、あなたに身を捧げ死んでもいいと思っています。ですが、それでは、この島のカマキリは、滅びるでしょう。それに、鳥たちは、食べられるのではないか?と恐れています。」


「力に溺れる事無い様に。使いこなせるようになりなさい。」

優しくじっと百舌鳥カマキリを見つめるオキツヒメ様。


「次に。」

「ゼンマイ、あなたは、百舌鳥カマキリのお腹以外では、体力を回復できません。分かっているでしょう?人間などに寄生されても困ります。寄生したところで、ねえ。」

「ふふふっ、百舌鳥カマキリのお腹に帰れば、そこまで、干乾びる事もなかったでしょうに。」

「えぇ?ゼンマイさん、だ、だから、そんなに、わ、私が、出て行けって言ったから。」

(某、某は、百舌鳥カマキリに申し訳なく、)

「ふふふっ、ゼンマイは、頭も硬いようですね。」

ふぅ~とオキツヒメ様が息をかけると干乾びていたゼンマイが、元気になっていく。

「ゼンマイ、あなたは、本来は力を持つべきものでは、ありませんでした。が、強大な力を持ちました。」

「あなたは、鋼鉄の身体です。硬いです。」

「寄生する事に長けています。相手を乗っ取れます。乗っ取るという事は、相手の知識を得るという事です。そして、相手の繫殖能力を奪う事が出来ます。乗っ取った後は、あなた次第といえます。」

「ゼンマイ、あなたは、強い。」

「少しの悪意でもあるのであれば、必ず封印すべきものなのです。」


「力に溺れる事無い様に。」

優しくじっとゼンマイを見つめるオキツヒメ様。


「もう一度、言います。そなた達は、力に酔いしれず、溺れる事なきように。」


「そなた達は、私のしもべとしてこれから使える事でしょう。がしかし、そなた達がきちんと力を使いこなせなければ、それに振り回される者達が、出てきます。」

「それでは、秩序が成り立ちません。」

「少しの間、修行してきなさい。その間、へぐら島は、落ち着きを取り戻す事でしょう。」

「あっ、そうそう、あなた達の様な存在が、この、日の本には、数多くいます。」

「ふふふっ、人間から見たのなら、物の怪、妖怪とも化け物とも、言われています。」

「まぁそなた達は、物の怪、妖怪ともいえるでしょう。でも、私の使いでもありますから。決して誇りを忘れぬ様に。」


「私の子として、決して誇りを忘れぬ事。」


「ふふふっ、では、私の可愛い子達。」


スゥっと消えるオキツヒメ様。


温かいぬくもりが徐々にさめ、元の冷たい風が、吹いてきた。


「はぁ~びっくり。わ、私、神の使いになっちゃった。」


物の怪、妖怪、神様の使い。

よろしくお願いいたします。

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