第七十二話 救出劇 其の五 囚われた人達
「わしゃ王宮に入ってみたで、」
驚く一同。
「壁の穴から入って、一番下まで降りてみたら、牢屋にでたからの、。」
「しめたっと思ったんじゃが、誰もおらんかったぞい。」
「流石ですね、何でも有りですね。」
スライダーが言う。
「多分、そこで、牢屋は、あってる筈。」
「そこに居ないとなると処刑場の近くかな?」
アイスが、嫌そうな顔をする。
「僕らも、全然情報は、ないです。」
「こちら側よりもっと西のサッカー領に近づかないと、皆、他人事かもしれません。」
「うむ。因みに処刑場は、どこらへんじゃ?」
「王宮の塀を西に行くと、大きな、広場に出ます。そこのところで、公開処刑は行われる筈です。」
「よし、行ってみるで、皆、休め。桶を頼むで、」
「梵っ」
小豆洗いは、チャタテムシになり飛んでいく。
夕日に向かって飛んでいく小豆洗い。
確かに広場が見える。
んっあの小汚い爺さんでは、ないか?
広場の端に居る爺さん。
近ずくと、広場の上の辺りが一段高くなって柵で入れない様だ。
「血の匂いじゃの。」
ここで、間違いない様じゃの。
王宮側の塀に兵が立ち、ドアがある。
怪しいの。
ドアの前に潜むハエ。
ようやく開いたドアに兵と一緒に入っていく。
中に入ると五人の兵士が休み、話していた。
廊下を進むと、牢屋が続いていた。
牢屋の中には、数々の人が入っていた。
男ばかりじゃの。
行き止まりまで行くと、
そこにいた。
泥だらけだが、貴族が着る様な服を着た母親と、大人と言うには、早い女性が。
見つけたぞい。
場所は変わり、コイバ亭。
「夜も、私、下で皆と食べたいな。」
「百舌鳥カマキリさん、気持ちは分かるけど、我慢ですよ。」
ポリーがさとすように言う。
「夜は、魚料理にしましょうよ?部屋に持ってきますよ。百舌鳥カマキリさん。」
スライダーが気を利かして言うが、逆効果である。
「じゃあ、俺も、部屋で食べますよ。ねっ」
「スライダーさん、ありがとう。」
少し元気になる百舌鳥カマキリ。
「暗くなってきますね、どうしましょう、小豆洗い殿をまちますか?」
「待つべきだ。何があるか分らんが、」
アイスにヘリンが強く言う。
「では、そうしましょう。」
「あら?」
皆が、百舌鳥カマキリを見る。
百舌鳥カマキリがいるアキノ桶が、フワフワと浮いた。
「ああ、小豆洗いさん、何かあったのかしら~」
桶は、窓から百舌鳥カマキリを乗せ飛んで行ってしまった。
「どうすれば?」
飛んで行った桶をみてアイスが言う。
「待機っすよ、待機。」
スライダーが言う。
「いいのか、スライダー?」
ヘリンが声をあげる。
「俺、なんか慣れて来たかも、」
スライダーは、動じない。
「多分、小豆洗いさん、なんか知らせて来ると思うから。余計な事はしない方が。」
「姉さん、待ちましょう。」
ポリーも落ち着こうとする。
ヘリンは、部屋の中をウロウロする。
「アイス、取り敢えず、コイバ亭に今日と明日までの分を清算しといてくれ」
ヘリンは、真面目だ。
「分かりました。俺もそう思います。」
アイスは、金の入った袋を持って、ドアを開ける。
「ありゃ、お主らまで、きたか~」
「だって、いきなり桶が飛んでいくから。」
「こりゃ助かったぞい。」
「ええか、見つけたぞい。」
「ええ?凄い、小豆洗いさん、」
(吉兆ですな)
「あのドアの前に一人、奥に五人兵が居る。」
「う、うん。」
「で、中に入ると奥に牢屋があっての、男ばかりじゃが、二人だけ女が居った訳じゃ。」
「六人の兵も、これといって強そうではなかった故、いったろかと思うてのぅ。」
「百舌鳥カマキリが居ってくれれば、鉄格子を簡単に開けれるぞい。」
「よぉし、私、頑張る。」
「ゼンマイは、百舌鳥カマキリの中で、待機じゃ」
(某が、あのドアの兵士を乗っ取り申す)
「あぁ、そうした方が、早いの。でも、う~ん。う~ん。」
「よし、ゼンマイ行ってみよう。」
「んっんんっ」
「アッああ、ああ、んっ。」
「しー----。」
「だって、仕方ないじゃない。」
(ゼンマイ、頼むぞ、)
(はっ、)
ドアの前に立つ兵は、下半身に異変を感じる。
ピクピクしている。
えぐいの~。
手を挙げる、兵士。
姿を消し、柵を乗り越える小豆洗いと百舌鳥カマキリ。
ドアを開ける兵士。
遠くから、小汚い爺がじっと見ている。
「どうした、まだ、変わる時間じゃねーぞ。」
「くっ糞だ。」
「仕方ねえ、分かった、俺が変わってやる。」
ゴン。ゴン。
ゴン。ゴン。ゴン
アキノ桶があっという間に兵士の頭をどつく。
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