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第七話 百舌鳥カマキリ 其の四

一週間ぐらいたった頃だろうか。

泣きつかれたカマキリは、自分を受け入れようとしていた。

相変わらず、垂れ流しの色気に雄のカマキリ達は、周りにウロウロしていた。

「もぅ。食べちゃうぞ。」

空元気で、少し、頑張ってみた。

「ありがとう。」

周りにいる牝のカマキリ達に感謝する。

牝のカマキリ達は、お辞儀を深々とし、散っていく。


よくわからないけど、生きよう。

腹もそんなに減らないというか、減らない。

しかしながら、繁殖は出来ない。

でも、大きくなった身体。鎌を見て、

「ちょっとかっこいいかも~。」

元気が出てきたのかもしれない。

ぶらぶらと散策しては、鳥に話し掛けてみたり、カマキリ達に話し掛けてみたり。

すっかり、島の女王だ。

当のカマキリの自覚はないが。

鳥達もすぐさま食べられるのでは?と心配し引っ越した鳥もいたが、そうでは無い様だと思い始めている。


寒い風が強い日の事だ。

太陽が綺麗な夕日を作りだしている。

小川の近くをトコトコと歩いていたら、黒く乾き縮れた、大きな枯れ枝の様な針金虫を見つけた。

あっ私のお腹にいた針金虫さんだ。

「針金虫さん、どうしたの?」

(こ、これは、カマキリ殿、以前はお世話になり申した。)

心なしか念話も、小さく感じた。

(本当に申し訳なく。申し訳なく思うており申す。)

「もう、いいのよ、もう。」

(カマキリ殿、申し訳ござらん。)

「もういいのよ。何があったの?」

(某、あれから、色々と寄生しながら、今に至り申す。人などにも寄生し操り返しながらこの島におり申した。が、しかし、)


すると、小さな光が、山の方から飛んできた。

ほのかに赤い光。

小さな光は、カマキリと、針金虫の前に来ると光が消えた。

よく見ると、小さな小さな女性の人間の様に見れる。

「私は、オキツヒメ。この島の守り神です。」

「えっ神様?」

(な、なんと。)

干乾びかけてる針金虫と、どうしていいのか分からないカマキリ。

「そのままで、よい。」

「私は、お前達を見ていました。」

「そこの牝カマキリ。あなたは、百舌鳥を倒しましたね。あなたは、偉業を成し遂げたのです。」

「あなたは、伝説を生みました。その事で、カマキリ達の中で、神格化したのです。そして、人間達のなかで、噂は広がり、言霊となり広がっていきます。」

「あなたは、もう、普通のカマキリでは、ありません。」

「私は、あなたが、その力をどう使うか、見ていました。決して悪用せずにいましたね。悪用したならば力を取り上げ、封じ込めようと思いましたが。」

「合格したと言えるでしょう。私の使いとして、この島にいる事を許します。」

「名を与えましょう。百舌鳥カマキリとします。」

「次に針金虫、お前は、偉業を成し遂げては、いないようです。伝説にもなっておらず、知られてもいまい。たまたま、百舌鳥カマキリの中に居ただけです。そうですね?」

(ははぁーその通りにございます。)

「あなたに、悪意は、見当たらない。ですが、力を持て余すぐらい、強靭な体、智謀を持っています。」

「このままでは、皆の脅威になりかねません、封印します。」

(ははぁー、是非もなし。仕方なき事。仕方なき事。某、依存ありませぬ。ただ、一つ願いたき事、これあり、お聞きいただきたい。後生でござる。後生一生の願いでござる。)

「まぁ良いでしょう。言ってみなさい。」

(百舌鳥カマキリ殿の繁殖能力を某が奪いました。子を作る事、でき申さず。どうか、できる様にして頂きたい。)

「それは、出来ません。」

(な、なんと、。百舌鳥カマキリ殿、申し訳ござらん。某、某、。)

「百舌鳥カマキリは、私の使いです。子供は、どちらにしても出来ません。」

「では、針金虫、そなたは、干乾びかけていますがそのまま封印し、二度と目覚めないようにします。」

「よいですか?」

(ははぁー、百舌鳥カマキリ殿、済まなかったが、これでお別れでござる。お世話になり申した。しからばごめん。)


オキツヒメ様は、再び光出した。

「まっ待ってください。」

干乾びかけてる針金虫の前に、百舌鳥カマキリが立つ。

「お願いがあります。針金虫さんを助けては頂けないでしょうか?」

「なぜ?あなたが、そう願いますか?」

「わ、私、ずっと一緒に生きてきたんです。多分、お互い気が付いてなかったけど、」

「お腹の中に居たんです。私のお腹の中に。」

「お願いします。助けて下さい。」

黙っている針金虫。

泣いているようだ。

「では、代わりに何を差し出しますか?」

「な、なんでも、」

「ふふっそなたは、優しい。面白いカマキリだ事。では、約束しましたよ。」

光を抑えるオキツヒメ様。

「良いでしょう。針金虫。私の使いとして百舌鳥カマキリと一緒に、使えなさい。」

「名を与えなくては、いけませんね。」

「ふふっその黒く干乾びてる姿、思い出しました。」

「よく、昔の民が奉納してくれたゼンマイの干物を。」

「懐かしいですね。名を与えましょう。針金虫ゼンマイとします。」

「今日は、良き日です。気持ちが良いです。私は、良き部下を得ました。」

黙って涙するゼンマイ。横で、泣いている百舌鳥カマキリ。

「ふふふっ」

優しい眼差しで、オキツヒメ様が見守る。



オキツヒメ様との出会いがありました。

百舌鳥カマキリと針金虫ゼンマイ誕生です。笑。

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