第六十九話 救出劇 其の二 青年ダイ
「スライダーさん早く、」
「アイスさん、待って。」
道が分からないスライダーは、分かりやすいぐらい警戒している。
後ろの門は大騒ぎだ。
「おおおおおお~」
「おおおおおお~」
雄叫びが聞こえてくる。
「いたいた。」
アイスは、フードを被り馬に乗る二人と、馬を引く爺を見つける。
前を通り過ぎると、アイスの後ろをゆっくり付いてくる。
「ああ、良かった。」
ほっとするスライダー。
「スライダーさん、そんなに緊張しないで下さい。」
「緊張するって。」
「なにも、してないじゃないですか?」
「あ、そっか。」
恥ずかしそうに笑うスライダー。
後ろをついて来るへリンと小豆洗いは、イラッとしている。
暫く歩くと、大きな店の前で、止まる。
「スライダーさん、両替商ですから、行ってきて下さい。」
「銀貨千枚ですけど、袋代と手数料が取られるから、うんと、小袋百枚ずつと、端数です。」
「あ、うん。」
金貨を受け取り、スライダーが入っていく。
重たそうにスライダーが、出てくる。
「もう、怪しまれている感じがないから、皆で、歩いて行きましょう。」
アイスは、皆に、銀貨が入った子袋を分けていく。
「皆さん、使ってもらっていいですけど、お金は、基本、僕が判断しますね。」
「なんか、悪いのぅ、アイス、」
「いいですよ、どうせ、倍にして返してもらいますから。」
うむ。しっかりしてるの。
「凄い、なんか街並みが、いいわぁ~」
小豆洗いの服の間から、覗く百舌鳥カマキリ。
「そうじゃの、立派じゃよ。。」
歩いて行く一行。
「うむ、付けて来てる奴がいるの?」
「どうするアイス。」
「あちぁ~両替商の前で、お金持ってるの見せちゃからな~」
「よくいるんですよ、暫く行くと街並みから林になるから、その時かな。」
「達の悪い奴らじゃなければいいけど。」
暫く歩くと、林に入ったが、一向に何もしてこない。
イライラするヘリン。
「どうするのだ、」
「うん、多分、子供かも。ほっておきましょう。」
「確かに、子供かもしれんな。」
「腹減りましたね。」
スライダーは、ポツリという。
イラッとするヘリン。
「出てきなさい。」
後ろを振り向くヘリン。
「スライダーのせいじゃよ。」
「ええ、俺ですか?」
「ヘリンをイライラさせるからじゃよ。」
少し離れた木の影から、青年が出てきた。
「我らに付きまとうな、」
ヘリンが言う。
「まぁ、まぁ。」
アイスがなだめる。
「なにか、ようか?」
スライダーが話し掛ける。
「なんか、手伝うから、雇ってくれないか?」
「荷物を運ぶし、何でもする。」
「頼むよ。金ならあるだろ。」
「小僧、わしと一緒に下僕となるか?」
「爺さん、ありがとう。でも、黙っててくれないかな?いま、大事なところなんだ。」
ヘリンを見て、ニコリと笑う小豆洗い。
「うむ、分かった、雇ってやろう。」
ヘリンが察して言う。
「じゃあ、、一日銅貨一枚だ。それ以上だせないぞ」
アイスが、銅貨を一枚渡す。
「いいのか、ありがとう。で、どこに行くんだい?」
「王宮の方に行くのじゃよ」
「爺さん、こういう時は、ご主人様が話すから、黙ってないと。」
「ありゃこりゃまいったの。」
頭をかく小豆洗い。
「あの、え、エルフなんですか?」
「問題あるか?」
言い方がきついヘリン。
「い、いえ、」
「名は何という?」
「俺は、ダイ。ご主人様は、?」
「私は、ヘリン、あと、妹のポリーだ。」
「スライダーとアイス。」
「あと、アズキアライだ。」
「宜しくお願いします。何でも手伝います。」
「爺さん、いいご主人様で、羨ましいな。」
「良し、出発だ、」
ヘリンが言う、まんざらでもない様だ。
ポリーは、下を向く。
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