第六十五話 水の神の涙 其の三
いてもたってもいられず走り出すルーイン。
「何があった~ルーロ、ルーレ?」
怒号の様な声を出しながら走って行く。
水の神の涙があったせいで、ルーインも過敏になっている様だ。
遠くで、何やら話をした後、ゆっくりと走って来る。
ぬっ、コーストか?
「コースト~」
サッカーが叫ぶ。
「お疲れさん、お疲れさん。」
小豆洗いが、手を挙げる。
「長、あの森に着いた頃、この者が。」
「ルーン達が、あの森に少しとどまってから、戻って来る事にした。」
「うむ、うむ。お疲れさん。休んでくれ。」
うむむ、
「ルーイン、ルートとあの森に行ってくれるか?様子を見て、皆と帰って来てくれ。」
「良し、向かおう。」
「ルート、行くぞ~」
遠くにいるルートも気が付いた様で、走り出す。
コーストは、馬から降りるとサッカーの元に駆け寄る。
「将軍、生きておいででしたか?」
「うむ。」
ひざまつくコースト。
「将軍、この命助けて頂き、真にありがとうございます。」
立ち上がりダミーの方を向く。
「ダミー殿、アイス殿。良かった、会う事が出来た。」
「コースト魔法顧問、私達を匿って逃がしてくれて本当に有難うございました。」
ダミーは、頭を下げる。
「良かった、本当に良かった。」
「んで?、お主、どうしたんじゃ?」
小豆洗いは、頭をかく。
「はい、実は、私がダミー殿やアイス殿を匿い逃がした事がばれました。」
「ほぅ。」
「私も、サッカー家に恩がある者として、反逆の者とされてしまい追手がかかりましたが、その追手達が逃がしてくれたといえます。」
「ダミー殿達が、ルー族の村に向かうと言っていましたので、私も追い駆けてきました。」
「幸い、ケンタウロス達を恐れている兵達は、ここまで、来ませんから。」
「しかし、サッカー将軍が生きておいでとは、」
「良かった。私も、サッカー将軍と生きて行く事をお許し頂きたい。」
「帰る場所も行く当てもないのです。」
サッカーを見つめるコースト。
「わしは、もう将軍ではない。ただのサッカーだ。それでもいいのであれば共に歩もう。」
「はい。」
まぁ、そうなるわな。
「私は、いま、小豆洗い殿に忠誠を誓っている。コースト、それでもいいのか?」
「?なんと、小豆洗い殿に、」
「分かりました。小豆洗い殿、このコースト、存分に働きますゆえ、宜しくお願いします。」
まぁそうなるわな。
「うむ。」
小豆洗い殿は、頭をかく。
「ただ、伝えなければいけない事があります。」
「将軍、サッカー領は、血の海の様です。」
「有力な商人や、ギルドの者、豪農、小作人に至るまで、捕まり次第、財産没集の上、斬首されている様です。」
「ぬうう、」
頭を抱えるサッカー。
「聞いた話では、四千人から五千人は、亡くなったとの事」
「なんと、そんなに殺して何の意味があるのだ。」
デコイは、声をあげる。
「それでは、作物をどう維持するのだ。土地が荒れてしまう」
「ダンジョン辺りをキラ王国の管理地にして、その他は、他の貴族達が管理するようですが、」
「まだまだ、死にゆく者も多いと思います。」
「コーストよ、今、魂水神像の女神が泣いているのだ。」
「そんな事が?」
「魂水神像の女神の涙は、私達への同情にあらず。民達への哀れみだ。愚かな人間への哀れみだ。」
今年の夏は、いつも通りの夏に近かったですね。
でも、私は味覚や、嗅覚が無くなりまして二週間ほどは、寝てましたが。
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