第六十二話 暗雲
「長、我が息子が、今、教えてくれた通りの様だ。」
サッカーが、足を引きずりつつ、小豆洗いに話し掛ける。
「うん、聞いとったがの。サッカー、皆の前で、話せるか?」
「はい、大丈夫です。その前に、少しだけ、いいですか?」
「ゆっくりで、ええぞ。」
皆が見守る。
ダガーと、アイスを見るサッカー。
「まて、サッカー。急ぐ事はない、いてもええ。」
小豆洗いが、声を掛ける。
「白か黒しかないのだ。わしは、小豆洗い殿に忠義を尽くす。」
「親として言う。、。ダミー、お前も共に忠義を尽くせ。」
「わ、分かりました。父上。」
「これより、このダミー、小豆洗い殿に仕えたいと思います。」
「いや、待て、無理にならんでもええ、」
「アイス、どうする。」
「私は、サッカー将軍と父さんが生きてたから、任せます。」
「任せるでは、ないだろ、」
デコイがあきれる。
「だって、」
「まあ、少し落ち着け。」
「皆、私の息子のダミーだ。まだまだ、足りぬ所があるが、宜しくお願いできるか?」
サッカーが、大きな声で、皆に伝える。
皆も頷く。
今度は、デコイが、
「我が、息子、アイスです。皆様、鍛えてやって下さい。」
「我ら、四人、小豆洗い殿に忠義を持って仕え、戦う所存、どうか、宜しくお願いします。」
あ~あ、もう。
増えてもうた。
ぼーっと立つ、小豆洗い。
「よし、では、私が見てやろう、」
ルーインが剣を抜く。
「こい、ダミーとアイス。」
「いけ、ダミー。」
サッカーに背中を押されるダミー。
困惑しながらも、剣を抜き、飛び掛かるダミー。
「力で、ふるな、」
そう言うと、ルーインは、剣で防ぎ返した力で、ダミーを吹っ飛ばす。
「い、いやです。」
アイスは、露骨に嫌がる。
「うむ、アイス、こないか、」
ルーインは、笑う。
「アイス、いかんのか?」
デコイも、呆れる。
「ケンタウロスと戦うなら、正面からは、やりません、だって勝てませんから。毒でも盛りますよ。」
「その様な事、言うで無い、アイス」
面白い奴きたの、
「待て待て、ひとまず皆、サッカーと話をしないと、」
「ルーインも、のう、。」
「長に従おう、。」
ルーインは、つまらなそうな顔をして言う。
「サッカー、どの様な事が起きたんじゃ?」
「はい、実は、」
我が領地は、ドワジャック勇者から祖父が与えられた土地でした。
ドワジャック王国が王族の分裂により、三つの国に割れた後も、父と私達、サッカー家は、領地に留まりました。
戦いを望まず、そのまま、キラ王国の中でキラ王に従ったのです。
何も変哲の無い領地だったのですが、ある時、ダンジョンが出来たのです。
ダンジョンは、初めは謎だったのですが、攻略して行くにつれ、多くの物をもたらしました。
我がサッカー家は、ダンジョンで得た物を買い取り、また、冒険者を管理するギルドを作りました。
莫大な財を産む事になりましたが、ドワジャック勇者から得た領地ですから、その御血筋である、キラ国王に、全てとは、いえませんが、献上していました。
キラ王国の中で一番の献上金を納めていました。
キラ王は、感謝してくれてました。
しかし、最近、アーティス王国にも、ダンジョンが出来たのです。
アーティス王国のダンジョンは、我が領地のダンジョンと違う物が手に入り、取れた物が、高値で取引されているとの事でした。
キラ王は、私に、サッカー家のダンジョンでも、高値の物が取れているのか?と尋ねてきました。
我が、ダンジョンで、獲れる物は、変わらないと申し伝えました。
中々たどり着けない、深い層で獲れる物は、分かりませんとも伝えました。
実際に、多くの冒険者が、深く潜り亡くなり帰ってきません。
それに、冒険者は、全ての物を冒険者ギルドに持って来るのでは、無いですから。
私は、ダンジョンは、王国が管理すべきだと王に言上した上に、そのまま、献上すると言ったのです。
この事がいけなかったのかもしれません。
王は、私の忠義を誉め、引き続きサッカー家が管理して良いと約束して下さりました。
その頃から、サッカー家が金を溜め込んでいると、噂が流れていました。
その程度、貴族なら良くある事。
気にしてません。
王国の会議で領地拡大案が多く出ました。
そして、ケンタウロス討伐の話が。
我が領地の兵達は、忠義を尽くす兵が多く、有名でした。
私に、ケンタウロス討伐の話がくるのは、時間の問題でした。
正直なところ、討伐に成功したのちに、領地替えを希望するつもりでした。
ダンジョンは、王国が管理する方が良いと、再度、言上して忠義を尽くす所存でした。
しかし、実の所は、キラ王と、他貴族が、結託して、サッカー家を陥れようとしていた様です。
分かりませんが。
我が、大隊は、ケンタウロス達との戦いに敗れ、サッカー領から来た多数の兵達は、亡くなりました。
もししたら、勝ったとしても粛清されたのかもしれません。
どちらにせよ、我らは、。
淡々と話す、サッカー。
皆、真剣に聞いている。
「まさか、サッカー家が国賊とされるとは、。」
「サッカー家に連なる者達が、処刑されたとは、。」
「我が、嫁と娘も処刑されたとの事。私が至らないばかりに、多くの者が死にました。」
「スライダー、ヘリン、ポリー」
「はい。」
「サッカー達をテントに。。一緒に居てやってくれ」
「分かりました。」
「皆、休む事。」
深く溜息を吐く小豆洗い。
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