第六十話 サッカーの意地
渾身の剣を振り下ろすルーン、
スラリと避けようとするサッカー、
しかし、避けようとするサッカーを逃さず片足で蹴る。
「ドン。」
何とか、盾でふさぐサッカー。
後ずさりしながら、サッカーは、曲がってしまった盾を見る。
「これでは、何回も防げないな。あいつらは、どう戦ったのか。」
戦いで、亡くなってしまった兵達の事を考えたのだろうか。
「盾を捨て、立ち向かってきたぞ」
「ルーン殿は、川上で戦われたのか?」
「そうだ。皆、いい兵達だったぞ。」
「一人が、足をつかんで、三人が攻めて来た時は、死を覚悟したぞ。」
「では、わしも、意地を見せない訳には、いけないな。」
ルートの時は、まだ、剣が喉に届いたが、一回り大きいルーンだと、届くだろうか。
サッカーから仕掛ける。
やはり、ケンタウロスは、強い。
受けたり、受け流したりするサッカー。
隙をつこうとするのだが、ルーンも、隙を見せない。
「小豆洗い、この戦いどう思う?」
「ヘリンは、どう思うんじゃ。」
「ケンタウロスに勝てる訳がない。私は、戦わない。」
「それもそうじゃけども、」
蹴られ飛ばされても、何か、糸口を探すサッカー。
ルーンも、サッカーもかすり傷で、血が出ている。
皆も、固唾を飲んで、見守っている。
ルーンの左にまわり、盾の隙間からサッカーの剣が突き上げた。
もう一度、左の前足を掴みルーンの盾の下に隠れながら、剣を突き上げる。
体が大きいルーンの死角を見つけた様だ。
真下からの攻撃に盾で防ぐルーン。
密着し左手で足を掴み、右手で、何度も剣を突き上げる。
ルーンが、盾を使ってどつこうとした時に、左の足を引っ張ったサッカー。
ぐらつく事を嫌ったルーンが、大きく、のけぞり前足を高く上げる。
凄い力だ、。
ぶら下がったサッカーは、更に剣を突き上げる。
剣で弾くルーン。
のけぞった前足で、潰そうとするルーン。
盾を放り投げて、すかさず、腹側に回り込み、背中に乗ろうとするサッカー。
振りはらおうと、跳ねる。
右手の剣を持ち返し、後ろを攻撃するルーン。
太ももに刺さる剣。
サッカーの剣は、ルーンの首で止まっていた。
「おお、」
「おお、」
「勝負ありじゃ。」
「ルーイン、スライダー手当を。」
「ぬう、見事だ。見事だぞ。」
剣を太ももから抜こうとするルーン。
悔しそうだ。
「ルーン殿の両手が剣ならば、この様にならなかっただろう。」
痛そうに話すサッカー。
「よくぞ、接近し続けた。あれだけ密着されると、つらかったなルーン。」
ルーインが、褒める。
「俺は、どうも両手の剣は苦手なのだ。盾の方がしっくりくる。」
ルーンが、盾を見せる。
すると遠くから二頭の馬に乗る兵士が、走って来るのが見える。
後ろから見回りに出たケンタウロス達が、追いかけて来る。
「なんじゃ、?」
「父上〜」
どうやら帰った筈のダミーとアイスの様だ。
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