第五十九話 ルーン
「長殿、先程、あ奴ら喜ぶと言われてましたが、何の事でしょう?」
「ああ、ケンタウロス達が、サッカーと戦いたいと言っての~」
「ええ?、はぁ。」
「人気者は、つらいのぅ。」
「流石に、処刑する相手をなぶるつもりは、無かったようじゃが、仲間となったら、やるやる言って騒ぐじゃろ。」
「仲間ですか、まだ、実感がないというか、」
「ここだけの話、魔物の仲間になる日が来るとは、いやはや、」
「心穏やかに、相手を見るのじゃよ。気持ちのええ、気持ちのええ奴らばかりじゃよ。」
「そうですな。分かる様な気がします。」
「お~い、ルーイン。」
手を振る小豆洗い。
駆けつけるルーイン達。
「誰か、見回り行ってきてくれるか?」
「我が、いこう。」
「我が、」
「んじゃ、頼む。あの森まででええから?」
颯爽と駆けていく、ケンタロウス二馬。
「そんでの、ルーイン。わしゃ、この二人を部下にする事にしたのじゃが、」
「長に任せる。」
「もう~、なんかないのかの?」
「いや、小豆洗いが、長になってから、つくづく楽しい事だらけだ。」
「長の好きな様にすれば良いぞ。」
皆、笑っているが、ルートは、気に入らない様だ。
「おめおめと、生き恥をさらすのは、情けない。」
「ん~ルート、わしに任せると言ってなかったかの?」
「長、私なら、戦って死にます。」
「うむ。ルートの考えも、一つじゃの。」
「では、ルートよ、剣を交えてみろ。」
ルーインが、言う。
「サッカーと言ったな、この子と一つ、どうだ。」
「長殿、どうすれば、?」
サッカーが、問う。
「うむ。一つ頼めるかの?」
「分かり申した。我が剣は、息子に渡してしまった。誰か、一つお願いできまいか?」
「デコイ、魂水神像の近くから、二つ持ってきてくれるかの?」
「はい。」
走っていくデコイ。
何やら、始まるような気配を感じ、皆、集まってきた。
二つの剣を持って走って来るデコイ。
「丁度ええ、皆、聞くように。」
「サッカーと、デコイじゃ。今日から、わしの部下じゃから、宜しく頼む。」
頭を下げる小豆洗い。
「デコイ、剣を、」
「はっ、」
二つの剣を小豆洗いに渡す。
「サッカー、デコイ、これから頼む。」
サッカーとデコイは、小豆洗いから、剣を授かる。
「んでじゃ、ルートとサッカーが、剣を交えるとの事じゃ、」
「ルート殿、では、宜しくお願いします。」
剣を抜くサッカー。
無言で、剣を抜くルート。
負けたくないという気持ちが伝わってくる。
デコイがニコリと笑う。
大振りで、剣を振り回すルート。
ひょい、ひょいと避けるサッカー。
頭を抱えるルーイン。
剣を交えないサッカーに、更にイライラするルート。
大きく上から振り下ろしたルートの剣を一瞬受け止めたサッカー。
が、しかし、受け流し、ルートの首に剣を当てるサッカー。
「勝負ありじゃ。」
「サッカーお疲れさん。」
「サッカー、我が息子と剣を交えてくれてありがとう。ルートに力で戦おうとするなと、言っていたところだったのだ。」
「これから、ルートの剣の師になってくれないか?それと、飲め。」
手から、穢れ無き水を溢れさすルーイン。
「おお、水の神の力、」
両手を出し、受け取り飲むサッカー。
「まさしく、穢れ無き水。」
「私も頂けますか?」
デコイも、手を出す。
「ああ、まさに。」
「もっと飲むか?」
ジャバジャバと出すルーイン。
「あああ、」
サッカーと、デコイが、両手を焦って出す。
「ルートも、のまんか?」
「いいです。」
断るルート。
つねている様だ。
「ルート、サッカーに剣を教えて貰いなさい。」
ルーインが言う。、。
「剣を教えて下さい。」
ぶすくれた顔で、ルートが言う。
「はい、私も、ルート殿から、ケンタウロスの剣を感じたいです。」
「じゃ次は、私が、」
剣を振るルーイン。
「ルーイン、お主は、長と戦ったでないか?」
「わしだ、」
「いや、私だ。」
「では、剣で決めよう」
三体のケンタウロスが、戦い始めると、皆、眺めながら、笑っている。
「偵察に行った奴らも、後からなんか言いそうじゃの、」
「私は、喜んでいいのでしょうか?」
サッカーが言う。
「まぁの、戦って自分を感じたいのじゃな。」
「盾は、使わんのか?痛いぞ、ケンタウロスの蹴りは、」
「それは、、。デコイ、盾をとりに行くぞ、」
「はい、急ぎましゃう。」
走っていくサッカーとデコイ。
三馬のケンタウロスは、激しくやりあっている様だ。
横で、真剣な顔で、戦いを見ているルーインとルート。
「長くなるの~」
「小豆洗いさん、旨くやったわね~」
「百舌鳥カマキリじゃて、サッカーとデコイの事、嫌いじゃないじゃろ。」
(二人を、どうされるのですか?)
「もちろん、わしの部下として大事にするぞえ」
「わしゃの、日本で、妖怪としてずっとこっそりしとったじゃろ、。」
「そりゃ、知り合った人間じゃっておるよ。」
「でもの、この世界じゃったら、ええじゃろ、」
「何でこうなったか分らんがの。じゃが、ええじゃろ。」
「うん、いいと思う。」
(小豆洗い殿)
「まぁ、宜しく頼むで、百舌鳥カマキリ、ゼンマイ。」
「はぁ~い。」
(はい。分かり申した。)
「どうせ、帰る時は、帰らんといかんしの」
「そうですね~」
(・・・ですな。)
サッカーとデコイが盾を持ち帰って来た。
「ああ、私とやった時は、盾を使わなかったのに。」
ルートが言う。
「では、私が、お相手しましょう。」
デコイが、剣を抜く。
「宜しく頼む。デコイ。」
ルーインが、手を挙げる。
剣をきちんと受け、そして流しながら、やりあうデコイ。
「うむ。見事じゃの。」
「デコイは、私といつも剣を交えて来てますから。」
サッカーが嬉しそうにする。
「この戦い、俺が、貰った。」
剣がはじけ飛ぶ。
三馬の戦いに決着が、ついたようだ。
「ルーイン、飲ませてくれ。」
「良い戦いだったぞ、」
手から、溢れる穢れ無き水をガブガブと飲む。
「良し、お願いできるか、サッカー」
「穢れ無き水が飲み放題とは、、では、宜しくお願い致す。お名前は?」
「俺は、ルーンだ。では、いくぞ。」
凄い勢いで、走って来るルーン。
容赦ない様だ。
「おお、」
これは、やばいと思うサッカー。
渾身の剣を振り下ろすルーン、
スラリと避けようとするサッカー、
しかし、避けようとするサッカーを逃さず片足で蹴る。
「ドン。」
何とか、盾でふさぐサッカー。
デコイと、ルートは、サッカー達の戦いが始まったので、剣を下ろした。
しっかし、皆、戦いが好きじゃの。
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