第五十八話 ブラック サッカーとデコイ
数日たった日。
魂水神像に行くと、サッカーとデコイが祈りを捧げていた。
小豆洗いに気が付いた二人。
「長殿、あの私は、いつ?」
真剣な眼差しで見つめるサッカー。
そうじゃの。うむ。
「あのな、わしは、戦いに勝ったという事が大事だと思うのよ。ほいで、考えておったんじゃけど、サッカーとデコイは、帰りたいなら、帰ってええよ。」
「く、もはや、この首に価値は、ありませんか?」
「価値や意味がないとは、言わんが、わし、お主らが嫌いになれんしの、」
「ケンタウロス達がそれでは、首を縦に振らないのでは?」
デコイが問う。
「いや、大丈夫じゃよ。」
「ケンタウロスは、戦い、首を取り、雄叫びを挙げる生き物ですぞ」
デコイは、興奮している、真っ暗な気持ちに、光が見えたのだ。
サッカー将軍と帰れるかもしれないのだ。
「わしに任せると言うておるのじゃよ。」
「長殿のお力、尊敬します。ですが、命を捧げると決めたこの身、どうして国に帰る事が出来ましょう。」
デコイは、我が主人の性格を知っていた。
しかし、主人が、生きれるという気持ちが、燃え上がっていた。
今なのだ、今を乗り越えれば。
「長殿、このデコイ、思う事があります。」
「なんじゃ?デコイ?言うてええ。」
デコイも、小豆洗いがサッカーを生かそうとしているのを、気が付いた。
「サッカー将軍は、兵達の代わりに、命を捧げると、約束されました。そして、長殿は、命を貰うと言われました。」
「うむ。」
「それならば、長殿がサッカー将軍の命を自由にされたら良いのです。」
「じゃから、帰ってええよと、」
「我が主人は、帰りません。おめおめと帰る方では、ありません。最悪、自決します。」
「長殿、」
うむ。
「わしと、一緒に居るかの?」
「国を裏切れと申すか、それは、出来ぬ。」
デコイに言うサッカー。
「サッカー将軍、ルー族と戦争している訳では、無いのです。生きてるだけで裏切り者とは、言われないです。」
「では、伝説の勇者と共に戦った、サッカー家が魔物に降れとでも言うのか、デコイ?」
生きて下さい。お願い申し上げます。
祈る様な目でサッカーを見る、デコイ。
「ならば、このデコイ、数々の働きでサッカー家に仕えて来ました。今まで、このような事は、お願いした事ありません。一生に一度のお願いです。」
「生きて下さい。」
デコイは、泣いている。
下を向いているサッカー。
「あのぅ、ちといいかの?」
「?」
「わし、魔物違うぞい?」
「えっ?」
「わし、魔物違うぞい。」
「?」
「百舌鳥カマキリとゼンマイは、オキツヒメ命の使いじゃし、」
「オキツヒメ命とは?」
「日本という国の神様じゃよ。」
「神様の使い?」
「そんで、わしは、日本の妖怪小豆洗い。」
「うーんと、妖怪じゃから、のう。まぁ伝説の一つというか、ええと、」
考える、小豆洗い。
「あっ、あの魔核じゃったかのう?あれ、無いぞい。身体の中に。」
「魔核が無いのに、なぜ、魔物達と仲良く?」
「この世界の人間は、すぐ魔物を見ると攻撃するが、スライダーもそうじゃよ。でもの、襲わんかったら、襲って来んよ。」
「し、しかし。」
「スライダー見てみ、仲良くしているじゃろう?」
「それは、」
「百舌鳥カマキリと、ゼンマイと、わしは、妖怪じゃから、飯食べなくても死なんし、伝説が無くならん限り、死なんのじゃよ。」
「まぁ何でも良くなってきたわ、サッカーお主の命は、わしの物じゃから、わしに、仕えよ、断れんのう?」
「のう、デコイ?」
「この、ブラック サッカー、小豆洗い殿に、お仕えします、。」
「このデコイ、長殿、この御恩忘れません。デコイ、サッカー様に繋がり、小豆洗い殿に、お仕えします。」
「ただ、願いがあります。このブラック サッカーの立場、分かって頂けます様にお願い申し上げます。」
「そうじゃのう、裏切り者と呼ばせる訳には、いかんの」
「ああ、あ奴ら、喜ぶな。」
「お~い、入ってきていいぞい、」
みな、魂水神像にお祈りしようと待っていたようである。
小豆洗いについて洞窟から出ると、青空が広がっていた。
まぶしい顔をするサッカー。
横の、デコイもまぶしそうにしている。
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