第五話 百舌鳥カマキリ 其の二
伝説が生まれた。
遡る事、三年前。秋。
舳倉島での事。
一部始終見ていたカマキリたちは、恐る恐る近寄ってみる。
すると、百舌鳥の上で横たわる牝カマキリの周りの空気がゆがみモヤモヤした。
取り合えず、後ずさりした。
一部始終見ていた、周りの鳥達は、おったまげた。
へぐら島のカマキリを襲う事は、止めようかと思った。
が、血の気がある百舌鳥達が、横たわる同胞の上にいるカマキリを早贄にしたると、近づいた。
すると、カマキリがむくりと起き上がった。
「あら、私、死んでしまったと、あれ?」
迫る百舌鳥達。
「何よ、やるの?ギチギチギィーイ」
あらっ私、今、鳴いた?
驚きバサバサと、とどまる百舌鳥達。
「やるの?ギチギチギィーイ」
私、鳥さんの言葉しゃべれる。
百舌鳥達は、あきらめた。というか諦めざるを得なかった。
もう、自分たちの住んでいる世界とは、違う何かと、認識した。
次元が違うのだ。
頭を垂れ、飛び去りながら思った。
百舌鳥達は、二度とへぐら島のカマキリを食べる事、早贄にするのは、止めると誓った。
更に、一部始終見ていたカマキリたちは、こちらを向いた伝説のカマキリにひれ伏した。
ふと、見渡してみるとひれ伏してるカマキリ達。
何か前にもまして、大きくなったかしら。
え~ちょっとみんなより倍ぐらいになってる。
牝の色気を振りまきながら更に大きくなったのを、ひれ伏した雄のカマキリは、ちらちらと二度見する。
「そ、そんな、みんな普通にしてよ。」
甘いとろけるような声で、話す。
雄カマキリ達は、とろけた。
「も、もう、食べちゃうぞ~うふふ」
牝カマキリ達は、敵わないというより、この方に忠義を尽くさないといけないと思った。
雄カマキリは、食べられたいと思った。
「あら、さっきの鳥さんよね。」
足元の死んだ百舌鳥を見る。先程は、あんなに大きかったのに小さく見える。
なんでだろうか?先程までは、あれほど食べないと、決めていたのに。
私、変わっちゃったのかしら。
食べてあげないといけない気がする。
私が、倒したのだから、食べないと。
食べないと可哀そう。
右の鎌を軽く死んだ百舌鳥にあてると、スーと羽と肉が切れる。
「切れる~ええ~凄い~。」
食べやすくなったようで、スパスパと切りながら、パクパクと食べる。
周りにいた鳥たちは、怯え、震え一斉に飛び立った。
パクパクと食べながらも、血肉が五臓六腑に染み渡るのがわかる。
美味しくも感じるが、どうした事だろう。
そんなに腹が減った感じでは、ないのか?
ただ、ただ、食べる。感謝しながら。
「ご馳走様でした。ありがとうございます。」
「はぁ、。食べた~。」
横たわり、ぼ~とする。
ゆっくりと時が流れる。
薄がカサカサと風に揺れる。
風が冷たい。
カマキリ頑張ってます。
よろしくお願いいたします。




