第四十九話 侵略 其の一
丸太で、出来た筏を並べる兵隊達。
「馬鹿じゃの、川を渡る気かの、?」
「ゼンマイ。すまんが頼むぞ。」
(承知)
ピョンと、川に飛び込むゼンマイ。
「可哀そうに。」
百舌鳥カマキリは、溜息を吐く。
「じゃっても仕方ないの。」
「戻りました。」
ルートが戻ってきた。
「そろそろ、じゃろ。」
対岸の兵士達は、筏に乗り盾を構え少しずつ押されるように迫って来る。
ルートが弓を構える。
「矢がもったいないから、止めとけ、大丈夫じゃから。」
川を半分渡って来たくらいだろうか、
遠くに見える兵士たちが、次々と、血だらけで倒れ、川に落ちている。
「おお、何が起きてるのですか?」
「ゼンマイじゃよ。」
「ゼンマイさん、頑張って~」
百舌鳥カマキリは、手を振っている。
拍子抜けするのう。
ゼンマイが、飛ぶたびにその形に穴が開いて、血が噴き出している。
えげつないの。わしが出る幕は、ないな。
「何が起きてる、何だ、。」
指揮官らしき者が騒ぐ。
弓矢が飛んできてもいないのにバタバタと兵たちは、倒れていく。
やられた事に、気がついてもおらんじゃろ。
傷つき、陸や、筏に戻ろうとしても、ナマズマンの仲間が川に引きずりこんでいく。
「川から上がれ、一度引くぞ、撤退だ、撤退。」
「ケンタウロスが何かしているのか?なぜ、ナマズマンが協力するのだ。」
大分、兵士が死んだの。可哀そうに。
何も知らずに攻めと来るとは、馬鹿じゃよ。指揮官。
まぁ儂らの事は、知らんわな。
川に入らなかった部隊は、引き始める。
どうやら、上流から川を渡る部隊を待っている様だ。
「ジッター、ナマズマン達よ、筏を回収してくれ。」
流れに漂う筏をどんどん回収するナマズマン達。
「おのれ~魔法部隊、打て~」
「はっアイスエッジ」
「アイスエッジ」
氷の魔法使いの部隊ががいたようだ。
氷の矢が筏を回収しようとするナマズマンを襲う。
ナマズマン達は、川に潜る。
怪我せんかったかナマズマン達。
「ルート、スライダーを連れて来い」
「はい」
弓矢を構えるケンタウロス達。
「我が、当てて見せる」
「いや、我だ。」
三馬のケンタウロスは、楽しそうに競って、矢を放つ。
「ひいぃ~」
魔法使いは、逃げていく。
ケンタウロスの矢、めっちゃ飛ぶ。怖いのう。
「あ、当たった。」
「やったぞ、」
遠くで、もがいている氷の魔法使い。
続けざまに矢が刺さる。
逃げて行く魔法使い達。
「長、連れてきました。」
ルートとスライダーが戻る。
「スライダー、キラ王国の兵隊に氷の魔法使いがおったが、魔法使いの部隊は、よくいるもんなのか?」
「いや、魔法使いは、どの国でも少ないです。みんな、加護があったら冒険者になっちゃいますから。」
「あそこで倒れてるのが、そうなんじゃが、」
「ふーん、」
「結構な部隊の数じゃし、敵さん本気なのか?」
「魔法使いの部隊がいるという事は、偉いさんがいるんですかね。王様とか?」
「こりゃ、余裕こかない方が、ええの、」
「ルート、ルーインの所に行って、決して川を渡らずに戦えと伝えろ。そして、一回戻って来いとな、」
「はい、では、行きます。」
走って行くルート、。
「小豆洗い、大分、筏を集めたぞ。」
「お疲れさん。ジッター。皆、怪我はないか?」
「氷の魔法にやられたけど、命を、落とした者はいないぞ。」
「そうか、良かったの。少し休んでええぞ、」
「そこのケンタウロス達。ナマズマンが川に寄せた筏を全部上げてくれ。」
「スライダー、牝や子供も連れてこい、上がった筏をばらせ。」
「分かりました。連れてきます。」
魂水神像の洞窟から、牝や、子供達と共にエルフも出てきた。
「へリンと、ポリーは、取り敢えず帰ったらどうじゃ、?」
「見て見ぬふりは、白樺の木に誓って出来ない」
へリンは、弓を出して誓う様に言う。
「姉さんと話し合ったのですが、あの、手伝わせて頂きたいのです。」
「魂水神像を見ながら、どちらに大義があるのか考えた。我ら兄弟、ケンタウロスのルー族を助けに来たのだ。ならば、共に戦おう。」
「ああ、そう?助かるが、ええのかの?」
話がどんどんでかくなってるが、ええのかの?わし。
「おう。」
「はい。」
「ならば、へリンと、ポリーは、筏をばらした丸太を子供たちとここらに集めて大きさを揃えてくれ。」
(戻りました。)
「おおっゼンマイ。お疲れさん。」
「ゼンマイ、凄かったわ~」
(川で、少し見ていたのですが、中々敵が来ないので、帰ってきました。)
「無駄な殺生をさせてしまったの。」
(仕方無き事。)
「ゼンマイ、私も頑張るから、ね」
百舌鳥カマキリは、楽しそうだ、。
「だって、ケンタウロスさん達、何も悪い事してないのに。可哀そうじゃない。」
「そうじゃな。」
河を流れる死体を見ながら、溜息を吐く小豆洗い。
わしは、何をしにこの世界に来たのじゃろ?
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