第四十三話 小豆洗い、朝飯に命の尊さを伝える。
ルー族の長ねぇ。
「小豆洗いさん、どうされるんですか?」
百舌鳥カマキリは、小豆洗いに問いかける。
「そうじゃの。」
落としどころを考えねば、のう。
まさか、戦いに勝ったらルー族の長とは、。
わし、ケンタウロスじゃないのだがのう。
そういうとこじゃよ、うん、そういうとこ。、。、
それに、ルー族じゃないし。、。
「あんな~みんな聞いてくれるかいのぅ。」
皆、小豆洗いに注目する。
「わし、長は、ルーインがいいと思うじゃがのう。」
じっと見つめるシャローラビットと、ジッター。
お前らは、どうでもええの。、。もう。、。
「ゴホっ?なぜですか?」
ルーインは、問う。
「んっゴホン。今まで通りルーインが長をする事とする。」
「私より強い小豆洗いが、皆を導いて行くべきです。おい、ルート。」
若干、小柄なケンタウロスが近づいて来る。
「我が息子、ルートです。これからは、小豆洗いを第二の父として」
「待て待て、落ち着け。」
「小豆洗いを第二の父として学び、教えをもらうのだ。」
「はい、ルートといいます。必ず、強くなります。」
ああ、もう。
「落ち着いてくれ。」
「可愛い~」
おい、百舌鳥カマキリ。
「ゼンマイ、なんか言うてくれ。」
(仕方の無き事、と思い申す。)
スライダーは、寝ている。
ああ、もう。
これは、まずいぞ、。
この世界にこれほど、影響を及ぼしていいものかの?
まずくないか?
ああ、もう。
様子を見るしかないかの?
疲れた。
「わし、休む。」
すごすごと、木の下に行き、横になる小豆洗い。
次の日の朝、
「小豆洗いさん、起きて下さい。」
「おはようさん。」
「ケンタウロスさん達が、ご飯作ってくれてますよ。」
「おお、そうか、」
甘えるとするかの。
「百舌鳥カマキリ、シャローラビットと、ジッターは、まだ、いるかの?」
「はい、あっちに居ましたよ。」
「なら、一緒に食べようと思う。連れて来てくれまいか?」
「はい、喜んで。」
ふぁ~と飛んでいく百舌鳥カマキリ。
「ゼンマイ、どこじゃ?」
(おお、小豆洗い殿、起きられましたか?)
「お主なら、どう収めるこの話。」
(むぅ、。)
「考えておいてくれ。」
(はい。)
朝だというのに、焚火の回りに串に刺さり焼かれている魚や、肉。
「気を使わせてしまったかの?」
「いえ、」
牝のケンタウロスが、準備をしている様だ。
「申し遅れました。ルートの母、ルーインの妻です。」
「なんと、これは、すまない。ルーインは、大丈夫かの?」
「はい、この兎と、魚、子豚は、ルーインとルートが取ってきましたのです。」
「流石じゃの、休む事を知らんようじゃな。」
「ルーインから、長への気持ちなのです。あの方は、ずっと長でしたから、今の方が自由で、生き生きしてます。どうぞ、受け取って下さい。」
「そうか、そうか、済まないが、受け取らない訳にはいかんな。」
ニコリと笑うルートの母親。
「小豆洗いさん、連れてきましたよ。」
一角兎のシャローラビットと、ナマズマンのジッターが、スゴスゴと歩いてきた。
「皆と一緒に食べようでは、ないか?どうじゃ?」
「は、はい。」
「はい。」
「シャローラビットは、魚か、子豚を頂いたらええ、。」
「はい。」
「ジッターは、兎か、子豚を頂けばええ。」
「はい。」
「ルーイン、ルーインは?」
「どうされた、長?」
駆け寄ってきたルーイン。
「あの、あれだ、一角兎と、ナマズマンと、一緒に食べよう。」
「ふふっ、長に従おう。」
「朝から、獲物を獲って来るとは、気を使わせたの。」
「いいのだ、肩の荷がおりて、身体が軽いぞ。」
顎の形は、戻ってないが、元気そうだ。
「ケンタウロスは、強いのう。」
「長の方が強いぞ。私より。」
「わしゃ、そんな元気ないわい。」
黙々と食べているシャローラビットとジッター。
「今日は、お魚頂こうかしら、ゼンマイも魚でいい?」
(は、頂きまする。)
百舌鳥カマキリとゼンマイは、楽しそうだ。
「あれ、豪華ですね~」
スライダーが起きてきたようだ。
「スライダー、おはようさん。」
周りのケンタウロス達も、皆、食べている。
よくぞ、これだけの獲物を獲って来た、ルーインとルートに感謝じゃの。
「シャローラビット、旨いか、?」
「旨いです。」
「ジッター、旨いか。」
「旨いです。」
「そなたらは、自分が食べるなと言っている物を食べずに、別の物なら食べるのじゃな?」
「そりゃそうだ。」
「食べなきゃ生きていけない。」
「それならば、今後は、兎は、シャローラビットが、魚は、ジッターが取って来い。」
「ええっ」
「そんな~」
「必ず同じ量になる様にの、。」
「もちろん、毎日ではなくていい。ケンタウロス達も、好きにとってええ。」
「じゃが、ケンタウロス達が、獲りすぎてる時は、シャローラビットとジッターが、獲りすぎているとルーインに言いに来い。」
「分かったか?」
「・・・。」
「・・・。」
「それでじゃ、ルーイン。」
「はい。」
「この草原は、実質ケンタウロス達が、秩序を守ってると言えるの。」
「はい。」
「じゃが、一角兎や、ナマズマンの様な他の魔物達もいる訳じゃ。」
「流れてくる魔物も来ます。」
「それぞれが、言いたい事言ったら、キリがない。しかし、ケンタウロス達に勝てる者もまぁおらんわな。そこでじゃ、時々でいいから、皆で集まり今の様に宴会でもして、意見を聞いてやれ。」
「はっ長が言うのであれば、」
「力で、威圧せん様にのぅ。」
「分かった。」
「シャローラビットと、ジッター、ええか?よく聞け、兎の命も、魚の命も同じ一つの命じゃ。片方だけ獲って良い事なんてないんじゃ。草木じゃて生きておる。食べるという事は、命を頂くという事じゃ。それが出来ないなら、潔く食べずに死ね。」
「皆の者、良く聞け~」
小豆洗いは、立ち上がり、周りを見渡す。
「今後、どんな物を食べるとしても、一つ一つの命を頂いてる事を忘れるな。よって、食べる時は、必ず、頂きますと言ってから食べる様に。」
「ははぁー。」
「ははぁー。」
「もう一つ聞け~」
「食べ終わったら、ご馳走様でした。という様に~。わしの意味知ってる言葉に馳走という言葉があっての、馳走とは、走り回り準備してくれた事じゃ。それに、相手を敬う、御という言葉を付けるんじゃ。」
「もう一度いうぞ~皆、言ってみ~頂きます。」
「頂きます。」
「頂きます。」
「食べ終わったら、ご馳走様でした。」
「ご馳走様でした。」
「ご馳走様でした。」
「そうじゃ。分かったの。」
うむ、うむ、。
満足気に座る小豆洗い。
「ルーイン、ルート。ご馳走様でした。」
ペコリと頭を下げる小豆洗い。
「見事だ。長。」
ルーインは、何かを感じ、何かに感動している様だ。
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