第三十七話 南へ、いや、西へ
朝を迎え、心地よい鳥のさえずりが聞こえる。
「おはようさん。」
「おはようございます。小豆洗いさん。」
スライダーは、どうした。
「おい、スライダー?」
滝にうたれ、手を広げるスライダー。
「おい、スライダー危ないから、止めておけ、」
「水の心地よさ、素晴らしい。」
「感化されやすいやっちゃの、危ないぞ、」
「小豆洗い様も、ご一緒に~」
馬鹿か。こいつ。
「流木でも、流れてきたら、どうするのじゃ?」
「ドゴン。」
ほれ、言わんこっちゃない。
「大丈夫か?」
「一瞬、水の神様が、見えた気がします。」
「馬鹿か?」
「まぁいい、身体冷やし過ぎたら、不味いから。こっちで、横になれ。」
「小豆洗いさん、そんな事より、私、どっかいきたいな~。」
そんな事よりって、百舌鳥カマキリも、
(そうでござるな、小豆洗い殿?)
「わしも、寝ながら考えておったのじゃが、わしらも、旅行に来たつもりで、楽しむかの?」
「は~い。賛成。」
「で、じゃ、どうするかの。」
「スライダーよ、お主は、どうする?国に帰るのじゃろ?」
「はい、私は、ウィグラー王国に水の神様のお心を広めるつもりです。」
また、手をひろげ、かっこつけるスライダー。
「お前、何も言われてないじゃろ?お前みたいなのが、勝手に忖度して、変な事言うから、おかしくなるんじゃ。」
「ぐっ。」
(その通りでござる。)
「とりあえず、ほっといたら変な事になる。スライダーよ、お主は、しばらくわし等とおれ。」
「はぁ。」
「なんじゃ、じゃあ、しらん。さらばじゃ。」
「ええっ、」
「勝手にどっかいけ、」
「あ、んじゃ行きます。」
「川を下ると、ケンタウロスが、いるから注意せえよ。」
「えええっ一人は嫌です。」
「じゃあ調子にのるな。」
「小豆洗いさん、そのくらいにして、早く行きましょう。」
(そうでござる。)
「じゃあ、どこにいこうかの?スライダーよ、ウィグラー王国に行かないといけないじゃろ?」
「はい、部隊の皆に兵隊やめるっていわないと。」
「んじゃいくか?」
「はい、来た道を戻って、暁盗賊団の隠れ家から、さらに南に行くと大陸を横断するどこまでも続く大きな道に出るので、まず、そこまで、行きましょう。」
「なんじゃ、また戻るのか、」
(アキノの母親が言っていましたが、村からも行けますぞ)
「らしいぞ、スライダーよ、」
「いや、斥候の基本は、来た道を、戻る事です。知らない道は、危ないです。」
「ふむ。」
時々、まともな事を言うの。
「まぁ、儂らが、まもってやるから、いくぞい。」
「ええっ、置いていかないで下さい。」
太陽を見て、右じゃな。
いざ、南じぁ。いや、待てよ、川下ってもええんと違うか?
「のう、ケンタウロス乗せてくれんかな?」
「えっ、」
「乗ってみたくないか?」
「ケンタウロスなんて、殺されます。」
スライダーは、本気で、止めた方がいいと思っているようだ。
「乗ってみたい。」
百舌鳥カマキリのワクワクは、止まらない。
(小豆洗い殿にお任せし申す。)
「じゃ決まりじゃの。南やめて、川を下るぞい。じゃから、西かな?」
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