第二十六話 スライムさん鈍感?
死体が、転がる盗賊の隠れ家。
「もうすぐ、日が暮れるの。アキノの両親も、何事もなく村に着けばよいがの。着くのは、明日の昼ぐらいかの?」
(小豆洗い殿の小豆煮を食べているためか、元気でしたから、大丈夫かと、)
「あのぅ、小豆洗いさん?」
「ん?なんじゃ?」
「どうして、盗賊達、動けなくなったのですか?」
「ああ、儂が、味をつけたのじゃよ。痺れる味じゃ。」
(なんと、)
「儂が沸かせた小豆に味付けするのなら、甘くも、辛くも、毒にも薬にもなるぞい。」
「ええ~凄いです。」
「まぁの、毒は、調節が難しいのじゃよ、すぐ、毒が効いてしまう時もあるしの、相手にもよるし。」
「じゃから、痺れや、腹くだしが、やりやすいの。」
(ほほう、勉強になるでござる。)
さて、暗くなってきたの、
「だれも、こんかな?」
「ゼンマイ、どう思う。?」
(某、考えましたところ、盗賊も帰ってくるでしょうが、魔物がいるのであれば、魔物が血の匂いに寄ってきそうでござる。)
「あらゃ、じゃとしたら、この血の匂いは、やばくないか?」
「は、はい。どんな魔物なんでしょうか?ワクワクします。」
「百舌鳥カマキリ、お主。」
「だって、私、お友達になれるかも、」
「そういうもんかのぅ?」
(う~む。どうなのでしょうか?)
一刻後、
「?」
「?」
「なんじゃ、?」
端っこの死体に乗っかる、透明なプルプル。
「おい、お主?」
「ん?なぁに?食べちゃ駄目?」
(スライムかと思います。)
「わしゃ、小豆洗い、こやつは、百舌鳥カマキリ、とゼンマイじゃ」
「ん?」
「お前さん、スライムか?」
「ん。」
黙々と食べている。
(どうやら、儂らを襲う事は、なさそうじゃ。)
(なんか、プルプルして、気持ちよさそう)
(まだ、分かりませんぞ。)
「旨いかの?」
「ん。」
(ケンタウロスの時も、今回も、話す事は、できるようじゃな。)
(そうでござるな。)
「今度は、なんじゃ?」
(三匹いますな)
たったったっと、狼が崖を降りてくる。
小豆洗いの前に、来ると頭を下げる狼。
「我ら、黒狼。よろしければ、飯をあやかりたいが?」
「ええよ。」
「恩にきる。」
三匹の黒狼は、スっと頭を下げると、死体を食べ始めた。
「礼儀いいの。」
「はい、盗賊なんかより、魔物の方がいいですね。」
「なんだかのぅ」
三匹の黒狼が小豆洗いの元にお腹いっぱいで、やってきた。
「助かりました。お名前は、」
「わしゃ、小豆洗い、あと、百舌鳥カマキリ、とゼンマイじゃ」
「一つお願いがあります。」
「なんじぁ?」
「明日の夜にもう一度、家族を連れてきてもいいでしょうか?」
「ええよ、」
「おお、それは、助かります。残り物でも結構です。」
タタタッと走ってゆく黒狼。
夜が明けて来た。
「やっぱり、私、魔物のお友達、出来ると思います。」
「なんか、そんな感じじゃな。」
(まだ、分かり申さず。)
「もう、ゼンマイは、硬いんだから。」
「硬いのう、だが、それでいいのじゃ。お主らは、ほほほっ」
日が真上に来た。
百舌鳥カマキリは、スライムの回りに居る。
「スライムさん、美味しい?」
「ん。」
「食べるのも、ゆっくりじゃの。」
(小豆洗い殿、百舌鳥カマキリ殿、何者かが迫ってます。)
「盗賊が、おいでなさったか」
(隠れるぞ。)
(はい)
「兄貴、帰ってきましたぜ、お~い」
「お~い。」
「お頭~」
四人の盗賊は、荷物らしき物を持って歩いてきている。
「な、な、なんじゃこりゃ」
「お、お頭~」
「お頭、姉さんも、」
「あっ、す、スライムが、喰ってやがる。」
「くらえ、雷撃の矢を、」
矢を、放つとスライムに、真っすぐ飛んでいく。そして、刺さる時に雷の様な光をまとった。
スライムは、それでも、死体を食べている。
「くそっもう一度、雷撃の矢」
また、スライムに刺さる。すると今度は、溶けた。
「大事な矢が、くそっ、魔核は、あるか、」
溶けたスライムの辺りに小さく青く光る石が。
「ちっこれっぽっちか、雷撃の矢二本で。割にあわねえ。」
小豆洗いは、姿を現した。
「すまんが、教えてくれるかの?」
「な、なんだ、」
「なんだ、こいつ。」
「スライムは、死体食べてただけじゃろ、なぜ倒した。」
「そんなの当たり前だろうが、襲ってくるかもしれねえし、魔核が、でけえかもしれねえ。」
「そうかの、百舌鳥カマキリ、ゼンマイ、ええぞ、」
「スライムさん、ごめんね。でも、仇は、獲るから。」
「な、」
四人は、前二人、後ろ二人の体系をとり、後ろ二人は、先程の矢を構える。
が、気が付いたら、自分の体から、顔が首から取れていた。
「百舌鳥カマキリ、ゼンマイ、お疲れさん。」
「スライムさん、ごめん」
「百舌鳥カマキリ、わしが悪かったの、スライム守ってやれば良かった。」
(静観すべきでしたが、ちと可哀そうでしたな。)
「あいつ、逃げもせんで、食べてたの。」
「スライムさん、鈍感なのかしら?」
「そうなんかの?」
なんだかの~
スライム登場しました。
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