第二十五話 アキノの母親は、しっかり者
谷間が開けた所、小さな盗賊の隠れ家
そこは、血の海だった。
転がる、死体の数は、女、子供の数も入れると、四十五~六は、いるだろう。
「アキノの父ちゃんや、」
「はい。」
「こんな事になってもうたの。」
「は、はい。」
「すまんが、金目の物とかあるか、見てくれるか、儂らは、小川で、血を落とす。」
「は、はい」
「百舌鳥カマキリ、ゼンマイ、大丈夫か、」
「はい、」
(は、)
「お疲れ様のう。」
大事なのは、ここからじぁ。
「ゼンマイ、どうするかの?」
(は、仲間がいる可能性があり申す。)
「そうじゃの。」
そうじゃ、そうじゃ、
「アキノの父ちゃん、なんか、あったか?」
「はい、奥の箱に、ドワジャック金貨が、三枚、銀貨が六枚、銅貨が、一枚ありました。探せば、他にもありそうです。」
嬉しそうなアキノの父。
「それに、剣や、鎧、武具を売れば、」
「それは、駄目じゃ。わしらは、盗人では、ないのじゃ。」
アキノの母親も、うなずく。
「だがのう、その金貨は、儂がお主ら村人達に、やる。お主らが、今まで、盗賊に取られていた物じゃな。」
ニコリと小豆洗いは、笑う。
「儂から、お主らが、貰った金貨じゃ。大事に使えよ。」
「はい、有難うございます。これだけあれば、三年は、暮らせると思います。」
「えっ、そんなに?」
百舌鳥カマキリは、びっくりする。
三年、?そんなに?
やりすぎたか?
う~ん
(ゼンマイ、どう思う。)
(よいでは、ありませんか?)
(そっっか?)
「それでじゃよ。ここに居ると、盗賊の仲間が帰って来るやもしれん。」
「じゃから、アキノの両親は、すぐ、村に帰るのじゃ。」
「はい、分かりました。」
アキノの両親は、うなずく。
「で、言いずらいのじゃが、盗賊の仲間が、報復するかもしれん。じゃから、村から出た方が、いいかもしれん。」
「分りました。私も、そう思います。お金もあります。ウィグラー王国に行こうかと思います。」
アキノの母親が言う。
「母さん。」
「大丈夫よ、あなた、村人達もわかってくれるって。」
「小豆洗いさん、有難うございます。」
「儂らは、暫く、ここに居て、残党を倒す事にする。」
「百舌鳥カマキリ、ゼンマイ、ええの?」
「はい。」
「それでの、一応、村の様子を見ながら、滝の所にいるからの。」
「分りました。小豆洗い様、私達は、当分、もしかしたら、もう、村には、戻らないかもしれません。」
「そうかの、」
「ですから、私の家で、ゆっくりしてもらってもいいですから。」
「分ったぞよ。儂らも、落ち着いたらどこぞにいくやも。」
「でしたら、村で、朝、太陽が出て来たのを見て、右手の方角、南の方角に山を越えずっと行くと、道に出ます。大陸を横断するどこまでも続く大きな道です。それを、夕方、太陽が沈もうとしている方向に進むとウィグラー王国が見えてきます。そこで、私たち、いると思います。」
「うむ。」
(ほう)
「へぇ~」
「善は急げじゃ。」
「アキノの父ちゃん、ええかの?」
「はい、小豆洗い様、本当に有難うございました。」
「小豆洗い様、有難うございます。」
「あ、まて、」
桶を持ち小川に、立つ小豆洗い。
「小豆洗おか、人取って喰おか」
ショキショキ。
ショキショキ。
「は~小豆洗おか、人取って喰おか」
ショキショキ。
「小豆洗おか、人取って喰おか~」
ショキショキ。
ショキショキ。
みるみる桶に小豆が、。
「ほれ、持っていけ。」
「儂がおらんと味気ないがの。」
アキノの母親と目を合わし、にこりと笑う。
アキノの母親も、にこりと笑う。
「あ、あと、アキノに、伝えてくれ、ありがとうと。」
「わしゃ、アキノが可愛くての。大好きじゃと。認めとるとのう。」
やっぱり、母親はしっかりしてますよね。
応援よろしくお願いします。
読んで頂きありがとうございます。
いいねや、評価いただけると嬉しいです。
宜しくお願いします。




