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第二十三話 盗賊も親

夜通し歩いただろうか?

山深く、谷間を盗賊の後ろを歩く。

善哉を食べたからか、アキノの父親を除いて皆、足取りが軽い。


夜が明けてきた。


谷間が開けた所に出た。

小さな盗賊の隠れ家の様だ。

女や、子供もいる。

「おう、帰ったぞ、」

「あんた、獲物は、?」

「うるせえ、黙ってろ、」

「なんだい、手ぶらかい?暁盗賊団の名折れじぁないか、なんだいこいつら。」

「うるせえ、黙れ。」


「おい爺、作れ。」

「へい。」

「水は、?」

「そっちに小川が流れてるから、それ使え。」

アキノの両親が、水を汲みに行く。

盗賊も親の様だ。

子供と再会を喜んでいる。


盗賊のお頭は、考え込んでいる。


集落の端の炉端焼きで、鍋を二つ煮込む。


「ぺっ」


「アキノの父さんや、煮えているかの?味見してみい?」

「はい」

遠くで、盗賊のお頭が見ている。

「凄く甘いです。」

「そうか、あと少し食べとけ。」

「?」

アキノの母親と父親は、こっそりと食べる。


「ぺっ」


「おい、勝手に喰ってんじゃねえ」

遠くから、お頭が叫ぶ。

「すいません。味見を、」

「まぁいい。」

お頭は、ゆっくりと近づいて来る。


「出来たんだな。?」

「はい。」

「野郎ども、喰え。」

わらわらと集まり、皆、食べていく。

子供や、女は、初めての美味しさに喜んでいる。

皆が、食べてるのを見て、お頭も食べる。

美味しいようだ。


あっという間に善哉は、無くなった。


「おい、爺、」

「はい。」

「お前ら、あの村で、生きていくのも、つらいだろ、」

「?」

「どうだ、この際、仲間にならねえか?」

「えっ」

アキノの両親は、びっくりする。

「なあに、いいか、盗賊としては、俺らが、お勤めをする。」

「そりゃあ、盗賊やりたきゃ歓迎する。だがな、ここにある程度、炊事洗濯ができる奴も、必要なんだ。」

「どうだ、?」

アキノの両親は、小豆洗いを見る。

「はい。では、お世話になります。」

小豆洗いは、頭を下げる。

「はっはっは。なら、働けよ。はっはっは。」

笑う、盗賊のお頭。

まわりの盗賊も笑いだす。

「命拾いしたな、爺。断りゃ、殺してたのよ。はぁっはぁっはぁっ。」

「明日、何人か、付けるから、村に帰って他の奴ら連れて来い。来ねえ奴は殺す。生活道具も、持って来いよ。」


「はい。」


アキノの両親は、鍋を小川で洗っている。

すると、急に横に居る小豆洗いが笑い始めた。

「ひひひっ。」

盗賊達も気が付く。


「小豆洗おか、人取って喰おか」

「ひひひっ」


「なんだ、爺、気でも触れやがったか?」


「小豆洗おか、人取って喰おか」

「ひひひっ」


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