第十九話 溜息
コトコトと、小豆を煮込むアキノの母。
「今日は、善哉にするで、良く煮こんでくれるかの。」
「はい。小豆は、煮るといい匂い。ほんとに。」
優しく笑う。
父親は、外で、他の村人達に見てきた事を話している。
アキノも遊んでいるようだ。
「アキノの母ちゃんや、」
「はい。」
「善哉は、甘いぞ、」
「はい、とっても甘くて美味しかったです。もう一度食べれるなんて、嬉しくて。」
「甘くせねば、ならんの、その前に、お主、味見してみぃ。」
「はい、ペロリ。甘さは、ありますが、こないだの甘さに比べたら、」
「じゃろ。」
「ぺっっ」
「あ、、」
「混ぜるんじゃ。」
唖然とする母親。
「は、はい」
黙って、混ぜ続ける。
「もう一度、味見せい」
「えっ、。」
「もう一度、味見じゃ。」
「はい。、。、」
顔が暗い母親。
「もう一度、じゃ。」
そっと、味見する母親
「えっ、」
「あ、甘い。凄い。」
甘さに愕然とする。
「これで、分かっただろう。」
「はい。」
「わしゃ、こないだ、嘘をついておらんのじゃ。」
「はい。」
「じゃがのう、」
「は、はい。」
「まぁ、黙っとれ」
何だか、ほっとする母親。
「お~い。出来たぞ。」
美味しそうに食べる村人達。
アキノの母親も、美味しさに酔っている。
村人達に感謝され、別れる。
少し歩く。
「百舌鳥カマキリ、周りに誰もおらんな?」
「はい、」
「そなたらに見られていると、こそばゆいが、安心じゃ、ありがとう。」
「いえいえ、そんな。」
「んでじゃ、なんだっかの、魔核やら、のう、」
(はっ、話せる動物は、魔核があり魔物。話せない動物は、魔核がなく、魔物ではござらん)
「そうじゃ、」
「魔物って一杯いるのですかね?私みられたら、魔物?って思われるのかしら?」
「そうじゃの、百舌鳥カマキリ、今度は、姿を隠さずに一緒にアキノに会ってみるか?」
(あ、危のうござる。、。)
「大丈夫じゃろ、」
「は、はい、私も大丈夫だと思います。小豆洗いさん。」
「それに、村人達が襲ってきたとしても、たかが知れておる。」
滝が、見えてきた。
「お主らに、大事な話がある。」
「はい。」
小さな滝の裏の窪みに入る。
「流石に、疲れてきた様じゃ。が、休む前に言っておく。」
「はい。」
(はい)
「ここは、日の本、日本では、ない。」
「は、はい」
「どこかは、分からん。」
「はい。」
(・・・。)
「どこなんじゃ、ここ、」
溜息をつく小豆洗い。
溜息は、幸せが逃げるって言うけど、どうなんでしょう。
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