第十六話 異形の半人半馬
「ご馳走様でした。」
「昨日に続き、ありがとうございました。」
村人たちは、小豆の塩煮を食べ終えて、小豆洗いにお礼を言っている。
昨日に比べても、大分、元気になったの。
もう、暫くは、大丈夫じゃな。
「じゃそろそろ行きます。今まで、世話になったな。」
「いつでも戻って来いよ、」
荷物を持ち、村の皆に頭を下げて、父、母、子、三人で、出ていく人達。
「なんじぁ、どうしたんじゃ、」
「小豆洗いさん、実は、元気な内に遠くにいる親戚の所に引っ越していくのです。」
「そうか、そうか、」
「ここに居たら、また、盗賊たちが、金品や食べ物を奪いに来ます。今なら、小豆洗いさんのお陰もあり、身体が元気なので、行く事を決めたようです。」
「盗賊のう、盗賊が、来るから、お前さん達が、やせ細っていくのか?」
「残念ながら。金品がなくなってからは、来る回数が減りましたが、時々来ては、強奪していきます。」
「なんと、」
「この村は、畑がなく森や川で得たもので、細々と暮らしております。小さな村です。この間、盗賊が来た際に、王国から来た商人と、毛皮などを交換した大事な小麦が見つかってしまい、皆、痩せ果てたのです。」
「それは、苦しいのぅ。」
「ですから、小豆洗いさんに心から感謝しております。」
「強者が、弱者をなぶるのは、世の常じゃ。耐えるのじゃ。」
「小豆洗い様、ううぅ、。」
涙するアキノの父。
すたすたと、村を出ていく、小豆洗い。
(百舌鳥カマキリ、だれか、ついて来てるか?)
(いえ、誰も)
そうか、うむ。
滝の所まで、くると石に腰掛ける。
「百舌鳥カマキリよ、辺りには、誰もおるまい?」
「は、はい。小豆洗いさん、ご立派です。」
「まぁの、アキノから桶もらったしの。」
「みんな、喜んでましたよ。」
「お主は、。あのな、本当は、わしらの様な者は、そんなに関わってはいけないのじゃ。」
「じゃから、今度からは、関わらず様子を見る事じゃよ。」
(某も、小豆洗い殿のいう事、分かる気がしますぞ。)
「じゃろ、」
「で、でも、優しかったです。」
「しかし、わしが、魔法使いの~」
「お優しい、魔法使いさん」
「お主は、そういうの、旨いの、風神様も、そうやってたぶらかしたんか?」
「まぁ、たぶらかしたなんて、そんな、」
「のう、ゼンマイ。」
(・・・。)
クシャミする浅草、雷門の風神様。
ここの滝は、落ち着くの、。
ふぅ。
次の日。
「ここらから、少し、歩いて川を降りてみるか?」
「はい、それも良いかも知れません。」
川を下り始めた小豆洗いと百舌鳥カマキリ。
次第に大きな岩から、石に、徐々に川が、広くなっていく。
横を見ると広い、草原。
自然豊かじゃ、。
畑でも作れば豊かになるだろう。
アキノ達も、ここらに畑でも作ればよかろう。
そう思っていると、遠くに勢い良く走る馬の群れが見れる。
丁度いい石の上に立ち、遠くを見る小豆洗い。
「な、なんと、」
(気配を消せ、百舌鳥カマキリ。わしの服に来い。)
(はい。)
トコトコと小豆洗いの懐に入り、顔を出す百舌鳥カマキリ。
石の上に座る小豆洗い。石と同化する。
徐々に近づく半人半馬の群れ、九匹はいる。
(やはり、異形の半人半馬じゃな。)
皆、弓や、剣を持ち、鎧を身に着ける。
勇ましいのぅ。
「そこの者。」
なんと、見つかってしもうた。
弓を向ける、九匹。
ぐぅ、やるか。
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