第百二十七話 ウィグラー王国に行きたい(ほのぼの) 其の四 偉いのぅ山蓮華
夜、皆が、それぞれに火を囲み夕食を楽しんでいた。
久しぶりのオフトンや、アグルは、かなり緊張しているようだ。
しかし、横に居る雨女の手前、強がっている。
スミさんは、縮こまっている。
「弱き、者よ、沢山の物、ありがとう。」
ゆっくりと近づいてきたルーインが、優しくオフトン達に話し掛ける。
すぐさま立ち上がると、オフトン、アグル、スミは、棒の様に立っている。
少し笑うとルーインは、ダイの方に向かっていく。
「ダイ、沢山の物、ありがとう。明日、お礼に剣の稽古をつけてやろう。」
「は、はい。お願いします。」
ダイの大きな声が響く。
ドッと笑いが起こる。
そんな、笑いにオフトン達は、少し安心した様だ。
「小豆洗いさん、」
「ん?おお、、山蓮華、。」
フワフワと小豆洗いの顔の横に、山蓮華は、飛んでいる。
「グルスさんに話を聞きまして、クルリと回ってきました。」
「ほう?」
まじめじゃの。こやつは、。
小豆洗いは、まずまずの顔をする。
「コノ河の上流、少し彷徨いましたが、アキノ村という所、そして、アノ森まで、。」
「そりゃ、随分と、まぁ。」
「しかし、素晴らしい所です。どこもかしこも、気が満ちてます。」
「うむ。そうじゃのぅ、アキノ村は、どうじゃった?荒れていなかったか?」
「はい、空き家が、何軒かありましたが、静かでした。」
「アキノ村は、儂が預かっている様なもんじゃて、大事にしたいのじゃが、。」
「そうですか。」
「どうしても、見て回る訳にもいかんじゃろ、わしゃお主の様に飛べんでのぅ。」
「・・・。」
「ああ、でも、チャタテムシには、なれるんじゃぞい。」
「梵っ」
小さなチャタテムシになる小豆洗い。
「梵っ」
姿を見せる小豆洗い。
「これは、素晴らしい妖力です。」
「またまた、気を使わんでもええよ。」
小豆洗いは、満更でもない様だ。
「アキノ村まで、道を造るとの事でしたので、コノ河上流沿いの木々に、少し道を開ける様に、お願いしておきました。でも、時間は、かかると思います。」
「へっ?」
「皆、切られるよりは、ずれた方がいいですから。」
「嘘やん?そんな事、頼めるのかの?」
「はい、時間は、かかりますよ。」
「凄い助かるぞい、山蓮華。」
「それは、良かった。それと、大山蓮華の種を、各地に植えたいのですが。、」
「うん、そうしたらええ、」
「はい、飛んでいくのは、時間がかかります。大山蓮華の木があれば、すぐ、つながりますから、」
「ほう、便利じゃのぅ。じゃ、山蓮華は、日の本では、どこでも行けたんじゃのう。」
「はい。大山蓮華の木があれば。」
「それと、力を使いますが、お一方ずつですが、連れて行く事も出来ます。」
「ええっ?」
「力が一気に無くなりますから、大変ですがこの場所なら、気に満ちてますから、比較的、楽かもしれません。」
「嘘やん?」
「嘘では、ありません。ですから、大峰のお山では、私が、修験行者を見て、ある時は、助けてました。」
「偉いのぅ、聞いたか、百舌鳥カマキリや。」
「うん、凄いわぁ~。」
(素晴らしいお力でござろう)
「いえ、この力、皆さまにお役に立てれば、本望です。」
「どんな時でも役小角様は、精進する様にと、。教えて頂きました。」
得意げな顔をする山蓮華。
「ですから、先んじて、アキノ村、アノ森に種を植えてきます。では、」
飛び立とうとする山蓮華。
「ちょいちょい、まぁまて山蓮華。」
「はい?」
「明日にしたらええよ、ゆっくりせい。」
「はぁ、」
「のう、ほれ、この肉の串でも、食べて、のう?」
「はい、ありがとうございます。それと、コノ河沿いの石も使えると思います。」
「うむ。石?」
「はい、家を造るのなら石場建てにすれば木が駄目になりにくいです。」
「ああ、基礎の石にするわけじゃのぅ。」
「はい、それと、道を造るのに埋めていきましょう。」
「ほう、」
「あの祠の所も、皆さんが歩かれる事が多い様で、土が削られているようです。」
「ふむ。確かにのう。」
「まぁまぁ、ほれ、肉の串でも?」
「はい、ありがとうございます。これは、猪豚の肉ですか?」
「うむ、なんか今日は、ルーラが仕留めて来た様じゃの、魚も美味いぞい。」
「猪豚であれば、殺さず捕まえて飼う事にしましょう。すぐ増えます。枯れ草なども食べますし。」
「まぁ、そうじゃの、その通りじゃが、のう?」
「私は、この世界に居る時に、少しでも、お役に立ちたいのです。」
「偉い、偉いのぅ山蓮華は、でものぅ、ゆっくりする事も大事じゃから、その、。、」
「はい、では、アキノ村に種を植えて、休むとします。」
「う、うむ。明日にしたら?」
「いえ、いきます、。では。」
笑顔のまま山蓮華は、凄い勢いで飛んで行ってしまった。
ああ、行ってもうた。
頭脳明晰じゃ。あ奴は。
雨女が、小豆洗いに近づいてきた。
「ちょいと、長様?いいのかい?」
「なんじゃよ、瀧吉。」
「小豆洗い、あんたら古来からの妖怪は、口を酸っぱくしていつも言ってたじゃないか?」
「わたしら、人外の者は、世の中に関わり過ぎたらいけないって」
梅干しを食べた様な顔をする小豆洗い。
「でものう、山蓮華は、真面目じゃよ、偉いもんじゃぁ。」
「知恵を使いすぎるのは、まずいんじゃないのさ?」
「うむ。」
「そこら辺のところさ、あたいが気になるのは、。」
「でものう、儂なんかよりよっぽど、山蓮華の方が長に相応しいのう。」
「いっその事、任せて、ん?!!?」
ぱぁぁっと閃いた顔をする小豆洗い。
まず、瀧吉を味方に、せねば。
「瀧吉、山蓮華が、おったら、大丈夫じゃろ?」
「なにがさ?」
「じゃから、木阿弥がいて、山蓮華が、おったら、対外、大丈夫じゃろ。」
「それにいつでも連絡がとれるじゃろ?木阿弥で。」
「じゃから、わしらが少しぐらい、のう?ヒヒヒッ。」
「まぁ、そうだね、ヒヒヒッ。私は、いいよ。ヒヒヒッ。」
まんざらでもない顔をする雨女。
「ゴホン。、小豆洗い殿、聞こえておりますぞ。」
サッカーが、心配そうな顔をする。
「まぁ、のう?戯れじゃよ。ヒヒヒッ。」
「そ、そうだよ、ヒヒヒッ。」
「ヒヒヒッ。」
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