第百二十六話 ウィグラー王国に行きたい(ほのぼの) 其の三 ダイの紅潮
コノ河対岸に、馬車が三台見える。
手を振っている人が四人。
ナマズマン達が、筏の横から顔を出している。
「アイス、迎えに行ってきてちょ。」
「はい。」
筏にアイスが乗るとナマズマン達が、押し動いて行く。
「私も~。」
楽しそうに百舌鳥カマキリが、飛んで行く。
筏に乗ってダイとアイスが戻って来た。
「帰ってきたよ、小豆洗いさん。」
「お疲れ様じゃの。ダイ。オフトンさん達は?」
「うん、アグルさんとオフトンさんの知り合いで、スミさんという、人が来たんだけど、。」
困った顔をする、ダイ。
「一言で言うと、ビビってます。百舌鳥カマキリさん見て、。ケンタウロス達見て。」
アイスが、言う。
「サッカー、デコイ、ダミー、頼むで、任せるで、」
「はっ。」
「ダイ、どうじゃった?まぁ、あっちで茶でも、のう。」
「うん。それが、儲かって儲かって、。」
「ほほぅ。いい経験になったじゃろ?」
歩いて行く小豆洗いと、ダイ。
山蓮華が、凄い速さで飛んできた。
ダイが、不思議そうな顔をする。
「畑を見た所、水気の流れが悪い所があります。簡単な溝を造る事を進言したいです。」
「はぁ?そ、そうかの、そうか、うん。うん。そうじゃの。」
「じゃ、シャローラビットや、グルス達と話し合って、やってくれればええよ。」
「はい、それと、土地には、作物に向いてない所がどうしてもあります。そういった場所には、木々を植えた方がいいと思います、というか、大山蓮華の種を植えたいです。」
「木々を植える事によって、根が張り、水を貯え、落ち葉は、腐葉土になり、燃やせば、違う栄養を土に与える事が出来ます。」
言葉が、円滑に次々と出てくる大山蓮華の精。
「う、うむ、そうじゃの。そうしてくれるか?」
小豆洗いは、困った様な顔をする。
「しかし、素晴らしい土、土地であります。楽しくてたまりません。では、」
飛んでいこうとする大山蓮華の精。
「待った、待ってくれるかの?忙しいのう。」
慌てて引き留める小豆洗い。
「はい、」
「えっと、まず、えっと、畑と、木々の伐採と、コノ河の上流に向かって道を造りたいんじゃよ、」
「はい、」
「で、あと、丸太で家をのぅ、」
「それと、うんと、」
「ああ、そうじゃ、グルスに聞いて、この村がやってる事を知っといて欲しいんじゃがのう?」
「はい、解りました。」
大山蓮華の精は、ピューと飛んで行ってしまった。
「小豆洗いさん、なんか、凄いですね。」
「うむ、ダイ、わしらの様なものが、少し増えたんじゃよ。」
「あっ、浮かんでる、。」
あっちの方で浮かんでる木阿弥を見つけるダイ。。
「元の木阿弥じゃ。」
「モトノモクアミ?」
パッと、目の前に現れる木阿弥。
「うわっ、。、」
びっくりして後退りするダイ。
「ヒヒヒッ。驚いたかのぅ?」
「へい、何でげしょ?ヒヒヒッ。」
小豆洗いと元の木阿弥は、嬉しそうに、にっこりと笑顔を見せる。
楽しそうに、ダイの恐れを味わう小豆洗いと木阿弥を、遠くから感じた雨女。
スゥっと迫ってくる。
「何だい?楽しそうに?」
「あっ、」
「ああっ、姐さん、恐れが変わっちまいやがった。」
木阿弥と、小豆洗いは、残念そうだ。
着物がはだけた雨女。
出ている肩、隙間から見える太ももの白い肌。そして香の匂い。
ダイは、驚くというより、目のやり場に困っているというか、なんというか。
「可愛い子じゃないか?んんっ?」
頭をなでる雨女。
顔を真っ赤にして下を向くダイ。
「ダイが、言う事を聞かん時は、瀧吉に頼むとするかのぅ。」
「あたいが、何でも教えてあげようかね。んっ?」
「瀧吉、着物、はだけ過ぎじゃよ。、。」
「そうかい、梵っ」
着物の隙間が整う雨女。
「ダイ、雨女と木阿弥じゃ、で、さっきのが大山蓮華の精じゃよ。」
「はい、ダイです。」
まだ、恥ずかしそうにしているダイ。
「お主は、ヘリンや、ポリーの様なエルフが好きなんじゃと思っておったが、」
「・・・。」
「瀧吉にも心、引かれたかのぅ。」
「姐さんが、気になるって事なら、面食いな子でっせ、こりゃ。」
「ふむ、確かにヘリンや、ポリーも顔立ちが美しかったからのう。」
ダイは、黙っている。
夕方になって、ようやくオフトン達は、コノ河を渡って来た。
「遅くなり申し訳ございません。」
「いやいや、ええよ、大分、色んな物を持って帰って来たようじゃの?」
「はい、それがもう、皆様、喜んで頂けると思います。」
「うむ、良かったのぅ。」
「あの、この者は、スミと言いまして、私とアグルの昔からの仲間でございます。」
痩せている高齢の男は、体が震えている様だ、。
「初めまして、あの、スミです。」
「初めまして。儂ゃ小豆洗いじゃ。まぁ、慣れれば、いい所じょよ。」
「は、はい。」
優しい目をした男は、小さく頷く。
「と、ゆうても、すぐには、無理じゃて、オフトンさん、テントでゆっくりすればいいよ。」
「はい、助かります。では、魂水神像に行きましてから、休ませて頂きます。スミ、行こう。」
「デコイ、瀧吉とログさんに茶でも出す様に、お願いしてくれるか?」
「はい。」
「あっ、すいません、その前に、これを、」
金貨三枚を差し出すアグル。
「儲けさせて頂きまして、ありがとうございます。」
オフトン、アグル、スミは、声をそろえて言うと、深々と頭を下げる。
「へっ、」
目を丸くする小豆洗い。
「そうかのう、良かったで、じゃ、一枚は、アイスに返す分、と、」
オフトン達を見る小豆洗い。
「じゃ、働き代として一枚は、お主らに、ほいっ」
渡そうとする小豆洗い。
「いえいえいえいえ、受け取れません。」
「受け取れません。」
「長様、お願いですから、その、サッカー様や他の方と、お話合いされた方がいいと思います。」
「へっ、ええじゃろ?」
デコイを見る小豆洗い。
デコイは、遠くを見て、顔を縦には振らない。
「ああ、そう?」
「はい。」
「はい。」
「はい。」
「はい。」
デコイ共々、四人は、口を揃える。
コノ河を筏が何往復もして、三台の馬車から、荷物を運んでいるナマズマン達。
サッカー達が、馬車の辺りを忙しく動いている様だ。
どうやら、荷物は、かなりある様だ。
忙しくてそんなに書けてませんでしたが、少しずつ楽しみたいと思います。
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