第百二十三話 ちょんまげ
「あ、あの、この度は、ご迷惑をお掛けして大変申し訳ございません。」
水の神が、深々と頭を下げると、元の木阿弥は、再び、土下座する。
「へっ?いえいえいえいえ?、物相もございません。???。」
頭を地面に擦り付ける元の木阿弥。
「あの、小豆洗い、申し訳ありませんが、長居し過ぎたようです。お呼びがかかりました。」
「そ、それで、申し訳ないのですが、元の木阿弥に説明をお願いします。」
「ほほぅ、お忙しい事ですのぅ。」
「では、皆さん。」
淡い青い光が光ると水の神は、消えた。
「ふぅ~。」
「ああ~」
皆、背伸びしたり息をついたりしている。
「肩がこってしゃあないのぅ、ほっほっほっ。」
笑って見せる小豆洗い。
「うむ、決めた。今日は、何もせん日にする。」
「自由にせい、解散。」
テントの方に歩いて行く小豆洗い。
皆もそれぞれ散っていく。
「旦那っ」
フワフワと小豆洗いの後を追い飛んでいく元の木阿弥。
「木阿弥、いいもん見せてやるぞい、」
「へい、それは、ありがたいんですが、あの、見た事もない半人半馬の群れ、」
「まぁまぁ、香木が、のう、あったんじゃぞ。香木じゃぞ。」
夜。、。
「と、いう訳で、元の木阿弥じゃ。」
「皆様、宜しくお頼み申し上げます。」
皆が、個々に火を囲みのどかだ。
サッカー達と一緒に火を囲むスライダーが、笑っている。
それをサッカー達がいさめている。
「なんじゃ?えらい楽しそうじゃの。スライダー。」
「ああ、小豆洗いさん、だって~、へへへっへへへへっ。」
また、吹き出して笑うスライダー。
「失礼ですぞ。」
デコイが諫めようと声を上げる。
「あの、髪型。へへっへへへっ」
雨女と、話している元の木阿弥を指さす。
「髷の事を言うておるのか?」
「へへへっへへへっ」
「うむ、そうかの、確かにそうじゃな、」
皆の顔を見て、まぁそうか、と思う小豆洗い。
「お~い、元の木阿弥。」
こちらに気が付くと、スライダーの頭上にパッと転移してきた。
「へい、なんでげしょう?」
「うわっ」
びっくりして声を上げるスライダー。
「うむ、ちっと高いで、」
小豆洗いは、手を挙げて下がれ下がれ、とする。
「これじゃろ?」
元の木阿弥の髷をひょいと上げる小豆洗い。
「はぁっはっはっはっ。」
スライダーは、笑転げる。
「はぁ、スライダーよ、なんというか、」
「旦那、このぼんくらは、何なんです?」
「木阿弥のちょん髷が、この世界じゃ、不思議な様での、」
「ああ、そういう事ですかい。」
周りの皆の髪型を見る木阿弥。
「面白いか、ダミー?」
小豆洗いは、たまたま、目が合ったダミーを見て、にこりと笑う。
「えっ、まぁ、なんというか、不思議です。。」
「この、髪型は、ちょんまげと言いやす。」
木阿弥は、頭に手を乗せる。
「ほほう、」
サッカーや、デコイも、不思議そうに見る。
「元々は、髪を縛っていただけなんじゃが、いつからか、前髪を抜くようになっての、」
「抜くとは、髪を?」
「そうじゃ、剃髪と言うと、昔は、抜きよっての、痛い思いをするんじゃ。」
「なんでですか?」
「戦の時、頭に血がのぼるのを、下げる為じゃよ。あつくならんようにのぅ。」
「それに、髪を切ったり抜いたり、整えたりする事に、こだわってのぅ。」
笑っていたスライダーは、話を聞いて笑うのをやめた。
「痛い。絶対。」
元の木阿弥の頭を見るスライダー。
「あっしは、剃ってましたが。」
「ふむ。そうじゃの~。痛いからのぅ。」
「あっそうじゃ、皆にも同じ様に髷を結ってもらうとするかの?」
「・・・。」
「・・・。」
「冗談じゃ、ふふ~ん。」
嬉しそうに言う小豆洗い。
「そういえば、お主の、何じゃったか?あれ、あの、上方から江戸に下って何やかんやする話?」
「へい、すりきり元の木阿弥で、げす。」
「そうじゃ、それ、その内、一つ頼む。」
「へい、わかりやした。でも、あっしは、そちらの話は、そんな好きじゃないんで。」
「そうかの、難しいのぅ。面白いがのぅ、話聞くなら、座布団ぐらい用意せにゃならんの。」
「へい、それは、ありがとうございやす。」
「じゃて、その姿は、その頃の格好じゃろ?」
「へい、その通りでござんす。」
「あの、小豆洗い殿のいた世界では、みな、その髪型なんですか?」
「い~や、ダミー、。大分、昔に皆、やめてもうたんじゃ。のう?木阿弥。」
「へい。」
「小豆洗い殿も、されてたんですか?」
サッカーが聞く。
「い~や、髷を結った事は、無いぞえ。」
頭に手を乗せる小豆洗い。
皆も、小豆洗いの頭を見る。
恥ずかしそうにする小豆洗い。
「儂のは、ただのハゲじゃて。」
ニヤニヤするスライダー。
「はぁっはっはっはっ。」
笑いだすスライダー。
「こいつ~、」
手で、叩こうとする小豆洗い。
「ひゃぁ、はっはっはっ。」
走って、雨女の方に逃げていくスライダー。
「皆さん、仲のいい様で、」
元の木阿弥が、ポツリとつぶやく。
「小豆洗い殿のお陰です。」
デコイが言葉を添える。
「長、元の木阿弥と、戦いたいのだが?」
小豆洗いに、ルーインが近づいて来て言う。
後ろから、ケンタウロス達が見ている。
「うむ、明日じゃな。」
「おお、それは。わかった。」
「で、誰がやるんじゃ?」
「これから決める。」
「そうか、、怪我せん様にのう?」
「うむ。」
「なんですかい?旦那。」
「木阿弥、ちと相手してやってくれ。」
「相手って言ったって、。あっしを切る事は出来ませんぜ?」
「そうじゃな、だが、頼むで。あ奴ら、戦う事が大好きなんじゃ。」
「へい、解りやした。」
「旦那、ここは、居心地がいいでやんすね。」
「うむ。」
小豆洗いと木阿弥は、嬉しそうに皆を見る。
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