第百十六話 神々の集い 其の四
「そっ、そういえば、小豆洗いという妖怪は、何が出来るんだ。」
雷の神が、急に話す。
「そうだ、聞いてなかったな。」
海の神も、問う。
「あの、小豆と言って小さな豆を桶で洗うそうです。」
「・・・?」
「で、?」
「で、その、ああ、その豆でケンタウロスの顎を砕いてました。」
「豆で?」
「はい。」
「・・・?」
皆、キョトンとしている。
「他の妖怪は、?」
海の神が言う。
「百舌鳥カマキリは、ちょっと大きなカマキリです。」
「虫の?」
「はい。」
「カマキリの魔物は、かなり大きいのもいたよね。」
風の神が言う。
「はい。」
「その位大きいの?」
「いえ、ケンタウロスの肩に乗るぐらいです。」
「・・・・?」
「で、針金虫妖怪ってのは?」
「はい、その百舌鳥カマキリのお腹に居る様です。鋼鉄の紐?バネのような。」
「まぁ、じゃ、大山蓮華の精、というのは?」
「大山蓮華という木の精です。綺麗な白い花を咲かせてました。」
「ドライアドみたいなものか?」
「はい。」
「だったら、雨女が一番の脅威か?」
「はい、でも、小豆洗いを敬っている様でした。」
「・・・・」
「・・・・」
「それにしても、良く見つけたもんだね。水の神。」
海の神は、優しく話す。
「はい、小豆洗いは、小豆を洗う為、水辺が好きな様で。」
「そうか、。」
「妖気と言われるものは、異質ですから。」
「まぁ良くやったよ。」
風の神も褒める。
「そうよ、水の神。」
火の神も褒める。
「ありがとうございます。」
満足げな水の神。
ふと、気が付いた火の神は、土の神に言う。
「何よ、黙ってないで、何か言ったらいいじゃない?」
「私は、皆が良ければそれでいい。それに、」
土の神は、静かに話す。
「私は、考えたのだが、。」
「なに?」
「妖怪は、それぞれに違う様だから、いちいち対応するのも、大変だ。」
「はい。」
「水の神が、小豆洗いやらと、仲がいい訳だし、妖怪は、妖怪で対応してくれればいいと。」
「まっその通りよ。見つけ次第、水の神に言うわ。」
火の神も、言う。
「はい、兎に角、小豆洗い達と一緒にいてくれれば、送り返しやすいですし。こまめに見る事もできます。」
海の神は、冷静に言う。
「いつになったら、光の神は、お戻しになるのだろうか?」
「いつもの事だから、すぐ、やる筈ないじゃない。」
「そうですよ。かなりの力がいるでしょうし、僕も大分、先だと思うな。。」
「うむ、まぁそうだろう。」
「・・・。」
「はい、難しいと思います。」
「それと、問題は、闇の神が気が付くか、です。」
深刻な顔をする水の神。
「気が付くだろう。だが、妖怪と気が合うとは、限らないな。」
海の神は、真剣な顔をする。
「そうよ、私なんか、雨女に火の力あげようとしたら、断られたのよ。興味ないって。」
「ははっそれは、いい。ああ、でも、僕の力だったら受け取ってくれるかな?」
「風の神、皆さん、ただでさえ、妖怪は、異質な力を持っています。危険です。」
「ま、そうだな、水の神の言う通りだ。」
雷の神が言う。
「まぁ、では、みな、見つけ次第、水の神に伝えよう。」
「はい、皆さま、よろしくお願いします。」
「うん、水の神も、忙しくなるが頼む。」
「そうよ、手が足りない時は、言ってよ。」
「はい。ありがとうございます。」
「・・・。またな。」
茶色の光が、土の神を包む。
「では、。」
白と青色の混ざった光が、海の神を包む。
「また、」
黄緑色の光が風の神を包む。
「じゃっ。」
赤色の光が、火の神を包む。
「うむ。」
黄色の光が雷の神を包む。
それぞれが消えていく。
ああ、私も小豆洗いに言いに行かないと。
水色の淡い光が、水の神を包む。
ルー族の村、横のコノ河。
「どうじゃ、あったかの?ジッター。」
雨女と、小豆洗い達が、騒いでいる。
「うう、臭い、これです。」
「でかい、でかいでは、無いか?ジッター。」
スライダーと同じぐらいの木切れを岸に上げるジッター。
「やったよ、小豆洗い、こりゃ、凄い。」
お瀧は、凄い喜びようだ。
「こんな沈香、どんだけの価値があるか、億万長者だよ。小豆洗い、」
「そうじゃの、良かったのう。」
小豆洗いは、にこやかに笑顔を見せる。
「こんなもの、底に、一杯あるぞ、。」
「なんと、ジッター、怖い事を言うてくれるな、のう、瀧吉。」
「はっはっはっ、笑いが止まらないね。」
「早く乾かして、削り取ってみようよ、。」
「そうじゃの、そうじゃの。これだけあるんじゃ、削りかすを火にくべたとて、どれだけの量か?」
皆、踊る様に喜ぶ小豆洗いと、雨女を見ている。
「そんなに凄いんですか?」
「そうじゃよ、スライダー。」
「お香ね。お香。」
スライダーは、下品な事は、お叱りを受けたのが、こたえた様で言わない。
が、しかし、思い出した様で、笑っている。
「小豆洗い様、喜んでおられて良かったです。」
「なんじゃ、サッカー?様なんてつけて、」
「皆で、話し合いまして、今後、様と言わせて頂きます。」
「オタツ様も、小豆洗い様も聞いて頂ける様に。宜しくお願いします。」
「そんな事は、どうでもいいよ、サッカー、億万長者だよ。みんな幸せになれるよ。」
「はぁ、コノ河の名物が出来た事、嬉しく思います。」
「なんじゃ、かしこまって。サッカー?」
「のう、デコイ?」
「はっ、私の方から、説明させて頂きます。」
「なんじゃよ?」
「小豆洗い様、オタツ様は、水の神と、対等に話される訳です。」
「いや、対等でないぞ、」
「それに、ログ様もおられますし。」
「そんな、ええよ、今まで通りで、」
「そうなのですが、皆の意見ですから、」
「いやじゃて、そんなの。」
「ですが、水の神様や、火の神様が会いに来られる方なのです。我々からすると奇跡なのです、。」
「ですから、、」
「駄目じゃ、駄目、」
「そうだよ、様なんて、いやだね、仲良くしようじゃないか、デコイとやら。」
雨女は、デコイの顔を見る。
デコイは、ダミーとサッカーの顔を見る。
「何から、何まで、。気を使って頂き、うう。うう。」
「私の様な者には、心に響きます。ううっ」
サッカーは、泣き出したようだ。
「何を泣きよるんじゃ?」
「い、いえ、」
「じゃから、気を使ってる訳ではなくての、。わかったの。」
「・・・・。」
「つまらんのじゃよ。のう。雨女?」
「そうだね、私は、さん付けぐらいが丁度いいよ。」
「・・・。」
「もう、頑固じゃの、。命令じゃよ。命令。」
「・・・。はっ。」
「あら~長様、男前だね。」
雨女は、嬉しそうに言う。
「まぁ、気持ちは、解りますけどね。」
「なんじゃ、スライダー、偉そうに。」
「だって、王様だって、何だって、神様に会えるもんじゃないですから。」
「まぁ、の。。」
「小豆洗いさん~」
百舌鳥カマキリが飛んできた。
「なんじゃ?」
「水の神様が来られましたよ。」
「また?先程、帰ったばかりじゃろ?」
「はい、いつもの石の所に居ます。」
「ねっ、小豆洗いさん、来たでしょ?そりゃ、気を使いますよ、みんな。」
「むむっ、」
勝ち誇った様な顔をするスライダー。
「ほりゃ、スライダー出迎えせんか、お主の大好きな水の神じゃぞ。」
「ほれ、皆も、。サッカー、デコイ、残れ。」
皆、急いで走って行く。
走って行くスライダー。
百舌鳥カマキリも、飛んでいく。
小豆洗い達は、ゆっくり歩いて行く。
「サッカー、デコイ、聞いてくれ。」
「はっ、」
「お主らの、気持ち、解るが、。奇跡なんじゃろ?」
「はい、。」
「いいか、奇跡や、神に惑わされるな。」
「はぁ、」
「いつか、わからんが、わしらは、元の世界に帰る。」
「・・・。」
「サッカー、。」
「はい。」
「たまたま、わしらが居る故、神が来るが、。本来は、こんな事はないじゃろ。」
「はい、。」
「神なんて、本来、冷たいもんじゃて、影響されない様に、皆に言って聞かせてくれ。」
「はっ。」
「ログさん見てみぃ。、。氷の神に一度しかあってないと、言っておったぞ。」
「はい、。」
「神に、振り回されるなよ。のう?」
「はい。」
「じゃから、まぁ、なんというか、。あれ、なんじゃろ?」
「はい、」
「わし、何を言おうと、はて、。」
「まぁ、ええ、今まで通り、皆それぞれに、宜しく頼むでの、」
「はっ。」
「スライダーぐらいで、丁度ええんじゃよ。のう?」
「はい、解りました。」
「長様、長様は、お優しいねぇ。」
笑って雨女が言う。
「はい、小豆洗い殿は、お優しいです。」
「オタツさんも、お優しいです。」
「あら、サッカー。」
「はい、」
「あんた、。、。」
雨女は、真面目な顔をする。
「ああ、無常だね。小豆洗い。」
「今の奇跡を楽しむかのぅ。ほっほっ。」
「そうだね。どうせ、あっという間だよ。」
「そうじゃな。」
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