第百十四話 神々の集い 其の二
「では、皆様にお伝えしたい事があります。」
水の神は、凛として話す。
少し、張り切っているのか、嬉しそうにも見える。
「まぁ、わたしから、いいか、」
光の神が、割って入る。
イラッとする火の神。
水の神は、下を向く。
「まず、皆に迷惑をかける。すまない。」
「悪いのは、私だ。」
「私の不注意だ。」
「では、水の神、宜しく頼む。」
満足げな光の神。
このくらいの事は、日常茶飯事。
水の神は、私がしっかりしないと、と思う。
「はい、では、。」
「以前、光の神が、日本という所を訪問した時に、時空が歪みました。」
「そのひずみに、万物のものが入らない様にされていたのですが、」
「日本という所には、光の神が知りえない存在、妖怪や、神の使いがいました。」
「その者達は、知らず知らずの内に、時空の歪みに巻き込まれ、この世界に来ました。」
「初めに、小豆洗い、百舌鳥カマキリ、針金虫妖怪ぜんまい。を見つけました。」
「この者達は、不思議な力を持っているものの、心が綺麗です。」
「次に、大山蓮華という木の精、山蓮華を、。この者は、本当に心が綺麗で、害がないと言えます。」
「そして、雨女、お瀧を光の神が見つけられました。」
「雨女は、天気を操る事が出来ます。凄い能力です。行き違いがありましたが、私は、心許せる存在だと思います。」
「いずれ、光の神のお力をもって、元の世界に送り届ける約束をしています。」
「ここまでで、何か、ありますでしょうか?」
水の神は、皆を見る。
「気になる事が、」
海の神が、言う。
「はい、何でしょうか?」
「光の神は、何度、日本に行かれたのですか?」
「一度です。」
水の神は、はっきりと答える。
遠くを見る光の神。
何かを感じる火の神。
「一度だけ、、、。、ですね?」
皆、光の神を見る。
「・・・。」
「えっ、一度と仰っていたでは、」
水の神は、声を荒げる。
「すまん。実は、何回か行っておる。」
しれっとした顔で光の神は、言う。
「何回ですか。、?」
「二回、三回?かな。」
「はい?」
キョトンとする、水の神。
「ああ、私は、小豆洗い達に嘘を伝えてしまいました。」
うろたえる水の神。
「三回ですか?」
海の神が聞き直す。
「うむ。三回である。」
皆、黙る。
火の神と風の神は、笑いを堪えている。
今にでも吹き出しそうだ。
土の神と雷の神は、静かだ。
氷の神は、うろたえる水の神を見ている。
「そうですか、が、しかし、光の神が悪いとは、言えませんよ。」
海の神は、この場がもつれない様にしている様だ。
「まぁ、見つけて送ればいいと言う事では、ないですか。」
「ね、光の神?」
少し、ホッとすると共に、満足げな光の神。
「うむ。そうなのだが、中々、歪を創る力がな。」
「それは、溜めてもらうしかありませんよ。」
「うむ。」
「全知全能の神なのですから、ね。」
「うむ。」
笑顔が優しい海の神。
「では、この件は、もういいでしょ。」
「ねっ水の神?」
明るく、水の神に話し掛ける。
「はい、あ、後、一応ですが、伝えたいと思います。」
「私は、この世界にきてしまった小豆洗いの縁で、魔族ケンタウロスのルー族、」
「それに連なり、一角兎や、ナマズマン達が、水の神信仰をするという結果を得ました。」
「ええっそれは、凄い事ではありませんか?光の神?」
「うむ。」
海の神は、心から驚いている。
周りの神の顔を見る海の神。
「みんな、魔族が、神を信仰するという事の凄さを分かっているのか?」
「水の神、凄い事だ。良くやった。本当に良くやった。」
拍手をして喜ぶ海の神。
光の神以外、他の神も、同じく拍手をする。
少し、嬉しそうに皆を見る水の神。
海の神は、皆の顔を見て、察した様だ。
「なんだ、皆、知っていたのか?」
「まぁ、私は、海の中に居るから知らなかった。」
「そんな快挙ぐらい、誰か教えてくれてもいいのに。冷たいじゃないか?」
火の神を見る海の神。
「そうよね~。」
火の神が言う。
「いや、ついさっき知ったのだ。私も。」
雷の神が言う。
土の神は、黙っている。
それでも、機嫌がいい海の神
笑顔だ。
「いや~ほんとに凄いですよ、水の神。」
風の神は、笑いながら言う。
「光の神、おめでとうございます。」
海の神は、嬉しそうに言う。
「まぁな、魔族の信仰を得た訳だからな。良くやってくれた。水の神。」
光の神は、偉そうにしている。
「そうか、だから、水の神は、前にもまして光り輝いているのだな。」
海の神が、水の神を見る。
「はい、おかげ様で、熱い信仰を得ました。」
「よかった。本当に。」
海の神は、更に言う。
「光の神、いずれ信仰が、広がって行けばいいですね。」
「うむ。」
「まぁ、教会までとは、言わないが、光の神を中心に立派な像が立つ事も近いと言えましょう。」
「良かった。」
「それなんだがな、海の神。」
「はい?」
「水の神は、独り占めしていてな。」
「また、そのような事、何回、説明すればいいのですか?」
水の神は、声を荒げる。
「だってそうではないか?」
「私の事を信仰してくれただけで、奇跡なのです。」
「慎重に慎重を重ね、少しずつ、少しずつですね、その、」
「まぁまぁ、その辺りの事は、置いといて、光の神、。」
「でもな、海の神、」
「まぁまぁ、水の神、話がそれてしまった。話の続きを。」
「そうよ、話を、」
「お前は、黙っていろ、話がこじれる。」
光の神は、すかさず、火の神に言う。
「なによ、何で話しちゃいけないのよ。」
火の神は、顔が赤くなる。
風の神は、笑っている。
氷の神は、ニコニコと見ている。
「まぁまぁ、まぁまぁ、。皆さん、疲れているのです、まぁまぁ、。」
海の神が、一番、まともな様だ。
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