第百十三話 神々の集い 其の一
光の神殿、入口。
「お待たせしました。」
淡い青い光の中から水の神が、現れる。
「何、話してたの?」
火の神が、話し掛ける。
「これ、。」
二つのお香袋を見せる水の神。
「あら、あなたも貰って来たのね。良かったじゃない。」
「はい、氷の神にもお渡ししようと思いまして。」
「ごまするのが、美味いわね。」
「ふふっ三神お揃いです。」
「しっかりしてるわ。あなた。」
歩きながら、話す水の神と火の神。
「気に入ってるのね、。さっきの村。」
「はい。」
「私も、気に入ったわ。」
「はい。」
「また、行く時、誘ってよ。」
「はい。わかりました。」
「ほんとよ、。」
「はい。」
大きな大きな大理石の柱の陰に雷の神は、隠れる様に立っていた。
「あら、久しぶりじゃない。雷の神。」
「ああ、これは、火の神。久しぶりだな。」
「丁度、良かったです。皆さまに報告があります。」
「うむ。私も、気になっていてな。まぁ、少し覗かせて貰っていた。」
「なら、話は、早いじゃない。海の神、呼んで来てよ。」
「まぁ、いいだろう、呼んでこよう。」
黄色い光と共に姿が消える。
「皆、集まる時よ。」
火の神が言う。
「はい、集まった方が良いです。」
水の神も、言う。
「じゃ、水の神は、土の神を、。」
「私は、風の神を呼んでこ」
「僕は、ここに居るよ。」
風の神が、クルクル回転しながら、現れる。
「では、私は。、」
水の神が、淡い青い光と共に消える。
「ねえ、楽しい事になってるでしょう。知らせたのは、僕ですからね。」
「はいはい、解った、解った。知らせてくれてありがとう。」
歩いて行く火の神の回りを、風の神がニコニコしながら、飛んでいる。
白と青色の光と共に、海の神が現れ火の神と一緒に歩く。
「何か、あったのですか?」
「久しぶり。そうなのよ。集まった方がいいみたい。」
黄色い光と共に雷の神が、現れ並び歩く。
「まぁ、遅かれ早かれ、集まる事になると思っていた。」
「雷の神、それ程の事ですか?」
海の神は、驚く。
「まぁな。」
「じゃあ、すぐ言ってくれればいいじゃない。」
すました顔の雷の神を見て、火の神が、イラッとして言う。
「いや、まぁ、なんだ。うん。」
茶色の光と共に、土の神が現れ歩く。
「これは、皆、久しぶりだな。」
「久しぶり。土の神。いつ以来かしら。」
火の神は、にっこり笑う。
淡い青い光と共に、水の神が現れ歩く。
奥の大きな大きな背もたれの玉座が、ある部屋まで歩いて来た。
左には、四個の少し大きな椅子が。
右にも、四個の少し大きな椅子が。
合わせて九つの椅子が並んでいる。
「あれっ、前、どこに座ったんだっけ?」
火の神がポツリと言う。
素早く、土の神と、雷の神が端に座る。
「よいしょっと。」
そう言うと、どこでもよさそうな海の神は、雷の神の横に。
風の神は、土の神の横に座る。
「じゃ、」
火の神は、海の神の横に。
水の神は、風の神の横に。
「ああ、でも、闇の神は、来る事ありませんから、一つずれた方がいいのでは?」
水の神は、火の神に言う。
「そうか、そうよね。」
火の神は、そう言うと席をずらす。
海の神も、雷の神も、横にずれる。
「僕、呼んできましょうか?」
風の神は、皆に言う。
「うん、そうしてもらえるかな。」
海の神が言う。
「いや、もう来るわよ。これだけ集まっているんだから。」
大きな声で言う、火の神。
すると、遠くから氷の神に手を引かれ、光の神が歩いてくる。
皆、一同、立つ。
むすっとして、大きな大きな背もたれの玉座に座る光の神。
皆、座る。
氷の神は、横の椅子に座る。
「違う、」
「?」
「?」
ポツリと光の神がつぶやく。
「違う。水の神が、こっち。」
水の神を見て、火の神が座っている椅子を指さす。
「はぁ?何で、私が隣でいけないのよ。」
「水の神が、司会進行。私の横。」
「ったく。」
火の神は、水の神と入れ替わる。
「あら、いい匂いですね。」
前を通る火の神の匂いが、気になった氷の神。
「これ、いいでしょう。」
香袋を見せる火の神。
「なんでしょう?それは?」
「あの、氷の神の分です。」
水の神は、氷の神に一つ渡す。
「いいのですか?ありがとう。」
「三つお揃いよ。」
火の神は、にっこり笑う。
「いい匂いです。嬉しい。」
氷の神は、嬉しそうだ。
「これは、珍しい物ですね。」
海の神が言う。
他の神も、にこやかに見ている。
「んっこの匂いは、」
光の神は、何かを思い出したようだ。
「なぜ、その匂いの子袋を持っている。」
少し、大きな声で言う。
「駄目だ、そんな物、よこしなさい。」
「あのね、お遊びで集まってる訳じゃ、ないんだぞ。」
何でそんな事を、言ってしまったのだろうか?
だって、ずっと思い出す事になるから。
いけないと思って。
水の神から、取り上げる光の神。
「ああっ、、。」
残念そうな顔をする水の神。
「何でよ、いいじゃない。。。」
火の神が、大きな声を出す。
他の神は、それぞれ、笑いを堪え、関わらない様にしている。
その時だった。
ふと、横を見てみると、氷の神は、笑っている。
が、目の奥は、冷たく、今にも氷の刃で刺してきそうな。
鋭い、鋭い眼光を光の神は、見た。
「あっ。」
一気に悪寒が巡る。
「よし、しかし、うむ、まぁ、皆の働きに免じて、まぁ、良しとしよう。」
というと、光の神は、水の神に、香袋を渡す。
「ああ、ありがとうございます。」
頭を下げる水の神。
「何でよ、いいのよ、頭下げなくて。」
火の神は、大きな声を出す。
右の氷の神を見れなくなった光の神は、海の神と目が合う。
海の神は、やれやれという顔をするが、それどころではない事を思い出す。
「あの、私は、何も知らずにここにきています。」
「何が、あったのですか?」
「うむ。その通りだ。」
「水の神、説明を。」
光の神は、言う。
光の神は、さりげなく、氷の神に右手を出してみた。
氷の神は、握り返してあげる。
横目で火の神が見る。
光の神は、少し元気が出た。
でも、顔を見る勇気は、無かった。
「では、お伝えしなければいけない事があります。」
こうして、いつ以来か分からない神々の集いが、始まろうとしていた。
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