表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/132

第百十二話 火の神

「どうしても、気が付けない時があるのよね。腹立つわ。」

火の神は、申し訳なさそうな顔をする。


「悪魔は、火の神が、腹が立つのを喜びます。」

「そうね、ふうぅ~」

落ち着こうとする火の神。

「悪魔を倒すのは、私の役目だから、ごめんなさい。」


「あっそうそう、あなた、やるじゃない。」

もう一度、雨女の顔を見る。

「私は、怒ったりしてないわよ。本当よ。」

「・・・。」


「それより、あなた、いい匂いがするわね。」

着物の間から、小さな袋を取る雨女。

「これの匂いだね。」

「なぁに、それ?」

「お香だよ。」

「お香、お香だって水の神。」

「はい、いい匂いです。」

「なんだい?この世界には、無いのかい?」

「知らないわ、」

「はい、存じません。」

「ふ~ん、じゃあげるよ。」

「えっいいの?じゃ頂くわ。」

差し出す雨女の手から、ゆっくりと取る火の神。


「良かったですね。火の神。」

「何か、お礼をしないと駄目ね。」

「私は、いくらでも持ってるから、いいよ、別に。」

「どういう事?」


「私は、雨女。雨を降らせる事が出来る。天気を操れる。」

「元の世界では、所々、雨のご利益を願って、祀っていたりしてね。」

「奉納された物なら、出せるさ、」


「あなた、それじゃ神じゃない?」

「そんな、お偉いさんじゃないよ。」

少し、考える火の神。

「あなた、火の力を欲しくは、ない?」

「どお?私の力を渡せるかわからないけど、」


「興味ないね。」

「だぁと、思ったけど、こんなに断るの早いものかしら、」

「少し、考えたりしてもいいじゃない。」

「ねぇ~水の神。」


「火の神、そろそろ、」


「じゃあ、このお礼は、どうしましょう。」

「いいよ、別に。」

「いや、きっとこのお礼は、するから。」


「では、行きましょう。火の神。」

「はいはい、解った。」

淡い青い光が、水の神を包む。

濃い赤い炎が、火の神を包む。


消えた。


と、思ったら、淡い青い光がまた、見えた。

水の神が現れる。

「あの、雨女、私もその、欲しいと言いますか、」

「ああ、いいよ、」

「できれば、あの、二つ。」

着物の間から、小さな袋を二つ取る雨女。

「ありがとう。」

差し出す雨女。

嬉しそうに、受け取る水の神。


「あ、そうです、だれか、神話の話を、小豆洗いや、ケンタウロス達に話しておいて下さい。」

「私が言ってもいいのですが、今、忙しいので、宜しくお願いします。」

「では、皆さん。私は、見守っています。」

淡い青い光が、水の神を包む。


消えた。



「ふぅ、雨女。優しいのぅ。」

「別に。」

「それにしても、この世界には、お香の文化は、無いのか?サッカー?」

「はっ私は、存じません。」

「いい匂いですね。オタツさん。」

スライダーは、後ろから、お瀧の首すじの匂いを嗅ごうとする。

「なんだい、このポンコツは?」

「スライダー、。」


「お香と言ってのぅ。いい匂いのする木、香木を削った物じゃて。」

「香木。」

「そうじゃ、なんでか知らんが、木がいい匂いを出すのじゃよ。」

「あたい達がいた、日本でも香木は、無かったからね。海を渡って来てたね。」

「そうじゃの。」

「小豆洗い、話を聞いてもらえますか?」

歩いて来たジッターが、小豆洗いに話し掛ける。

「なんじゃ。ジッター?どうした?」

「私、この匂い嗅いだ事があります。」

「ほう?」

「川の底に転がっている木が、似たような匂いなのです。」

「臭いから、我らは、嫌いです。だから、泥をかぶせるのですが、。」

「それは、本当かい?」

「はい。普通の木は、泥をかぶせれば、腐り無くなりますが、無くならない。」

「結構な数が沈んでいます。」


「沈香じゃないか?それ、。凄い。凄い事だよ。」

興奮するお瀧。

「そうじゃその可能性がある。」

小豆洗いが、目を見開き、龍吉を見る。


みな、興奮する妖怪を見て、不思議そうだ。


「あのな、一つの少し大きめな香木で、日の本では、国宝と言われておったのじゃぞ。」

「まぁ、匂いにもよるがのう。」

「蘭奢待までとは、言わないけど、早く見てみたいね。」


「臭いから、川から無くなるなら、我らは、嬉しいです。」

「しかも、沈んでいて、浮かばないのなら、凄い沈香の可能性があるよ。」

ジッターの肩を興奮して、激しく叩く雨女。

よく解らないが少し、嬉しそうなジッター。


「チンコウ、はははっ、」

「スライダー、。」

「だって、チンコウですよ。はははっ、」


「馬鹿だね、この子。沈むに香りと書いて沈香だよ。」

「はははっ。チンコウ。」


スライダーは、笑い続けるので、あった。

読んで頂きありがとうございます。

いいねや、評価いただけると嬉しいです。

宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ