第百十一話 上には熱く
「皆さま、どうぞ、短い間ですが、よろしくお願いします。」
大山蓮華の精、山蓮華が、挨拶を終えた。
小さな姿で、声も小さいが、念を飛ばして皆に伝えている。
「長、ドライアドなのか?」
「んっ??」
ルーインが、尋ねる。
横に居る水の神は、小豆洗いを見ると、話しだす。
「太古から居て、木や、植物を管理している者達です。」
「ほほう。似たようなもんかの?」
「ドライアドは、魔核を持っています。滅多に姿を見せませんが、必ずいます。」
「もしかしたら、山蓮華を見に来るかもしれません。」
「揉める様な事、起こらなければええんじゃけど、」
「それは、大丈夫だと思います。ドライアドは、賢く慈悲深いですから。」
「それは、良かった。」
「小豆洗いさん、僕は、種を植えたいのですが、宜しいでしょうか?」
ふわりと飛んでいる、山蓮華が言う。
「そうじゃ、そうじゃったの。で、どこに植えたいのじゃ?」
「では、あそこがいいです。」
魂水神像の祠の方を、指さす山蓮華。
「それは、いい。白樺の木を挿し木しましたから、育って行ったら、大山蓮華の木と調和してそれは、美しくなりますね。」
水の神は、嬉しそうに言う。
「ルーイン、どうじゃ、ええかの?」
「長に任せる。」
「まっそうしよかの?問題には、ならんじゃろ。」
「皆もええか?」
「長に任せる。」
「長に任せる。」
「うむ。」
「では、山蓮華、種を植えたらええ。」
「はい、では、」
「一緒に居た方がええかの?」
「大丈夫です。僕は、暫く種に付きっきりになりますが、宜しいでしょうか?」
「ええよ、安心してゆっくりとな、」
まじでいい子じゃな。
「では、、。落ちつきましたら、必ず、皆さまのお役に立つよう精進致しますので。」
飛んでいく山蓮華。
まじかのぅ、。出来る子じゃのぅ。
まっ神変大菩薩様の下で、それだけ頑張っていたんじゃのぅ。
中々、出てくる言葉じゃないぞえ。
前鬼と後鬼も怖いんじゃな、きっと。
儂なんて、自由に来たからの、はぁ。
なんというか、。
瀧吉を見る小豆洗い。
雨女も、感心したような顔をしている。
祠の入口の辺りで、まばゆく光ると、光は、地面に消えた。
「では、私は、そろそろ行きますね。」
水の神が静かに言う。
「大変じゃろうが、上手く捜し出せる様、宜しくお願いしますじゃ。」
「水の神様、帰るそうじゃて、皆、」
皆、一同に見る。
そして、ひざまつく。
「では、」
にっこりと笑顔を見せる水の神。
淡い青い光が、水の神を包みだす。
「見つけたわよ。」
ボッと大きな炎が出たと思ったら、その炎から赤い服を着た女性が現れる。
ああ、増えよった、。
「これは、これは、火の神。お久しぶりです。」
静かに挨拶する水の神。
皆、驚くが、すぐさま、頭を垂れる。
残念そうな顔をして小豆洗いも、ひざまつく。
「光の神に、会いに行ったらどっかに逃げてるし、何がどうなってるのよ?」
「それは、それは、光の神は、氷の神が介抱してましたが、。」
「なんで、私が行くと姿をくらますのよ、やましいわ。」
水の神と並ぶと背が高く見える火の神。
スラっとしている。
「どうしてなのよ、」
「それは、火の神が、光の神より男らしく、勇ましいから怯えているのです。」
「まっ今に始まったわけではないし、まあいいわ。」
「氷の神殿にいけば、いるのかしら。」
「その可能性もありますね。」
「ですが、いかないであげた方がいいと思います。」
「まぁね。私もそう思う。氷の神が何言うか、どうせ守ってあげようとするだろうし。」
「そうです。氷の神は、怖い方ですから、」
「揉めるだけ、無駄よね。あそこ、寒いし。」
「氷の神は、近くに居て光の神がうろたえているのを、楽しんでいますから。」
「そうよね、冷たい。あげては、落とす。いじめっ子よ」
「そうです、天性のいじめっ子です。」
「そのおもちゃを取り上げる訳には、いかないか。」
「はい。」
おっとりしている水の神が火の神と早く話すのを見て、一同びっくりしている。
水の神の可愛さと、火の神の綺麗さが際立つ。
スライダーは、交互に見ている。
「んで、?どの子よ、光の神に雷、落としたの?」
「なぜ、それを?」
「風の神が、珍しくドワーフの国の火山に来たと思ったら、自慢してきたのよ。」
「そうですか、」
「なぁに?聞いちゃまずかった。」
「これは、これは、大変です。火の神に、ばれてしまいました。」
大きな声を、わざとらしく言う水の神。
「水の神も大変よね。私なんか、呼ばれもしないからさぁ。」
「いえ、でも、今回は、光の神から、後の事は、水の神に任せる。良きに計らえと、申し付けられましたから、」
少し、強気の水の神。
「そうか~でも、私、ほんの少ししか、話聞いてないから、光の神殿にでも行って話さない?」
「そうしましょう、私の方も、皆さまに報告がありますから。」
「ちょいといいかい?」
雨女は、凛と立つ。
水の神と火の神は、雨女を見る。
「あたいなんだけどね、その全知全能の神、光の神に、何発も、雷、かましたの。」
火の神は、一瞬で雨女の横に行く。
火の神の回りは、燃える様に熱く、空間が歪んで見える。
「あんた、やるじゃない?私も見たかったわ。」
「それは、それは、でも、あんた、神様だろ、」
「そうです、私は、火の神。」
「もし、その件で、何かあるのなら、私だけにしてくれるかい?」
雨女は、皆を、見渡し言う。
「ここの連中は、何も関わってないんだからさ。」
フッと考えた顔をする火の神。
そして、雨女の顔をじっと見る。
スライダーは、火の神と雨女の、正に、美人二人の共演にうっとりとしている。
「スライダー、あなたは、水の使徒です。しっかりとしなさい。」
少し、大きな声で言う水の神。
にっこりと笑顔を見せるスライダー。
溜息をつく、小豆洗い。
「火の神、実は、ここ、ルー族に悪魔がでて、ケンタウロスが、多数亡くなったのです。」
水の神は、争いを起こさない様に、火の神に声をかける。
「それは、私の落ち度だ。ごめんね。」
「私も、闇の神のいたずらを見つけ次第、無くしているんだけど、」
ケンタウロス達の方を、向くと、申し訳なさそうにする火の神。
いきなり、ごめんと言われて皆、どうしていいのか、分からない顔をする。
一斉に小豆洗いを見る。
小豆洗いは、黙っていろ、というグッとした顔をする。
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