第十一話 浅草 雷門の怪
「オキツヒメ命の使いのぅ。」
「は、はい。」
「正月様の娘さんじゃのう。」
(なんと、小豆洗い殿、ご存じとは?)
「いや、知っとるが、会った事は、ないぞえ。たいしたもんじゃ。神様の使いじゃからの。」
「は、はい。ありがとうございます。」
「それで、どうやってどうして牛久に、河童に会いに来た?」
(はっ、それからが、大変でござった。瑩山禅師や奥村 永福殿と、お別れしたのち、その人間について行き申した。)
「す、すごいのよ、ね、ゼンマイ。バスに飛行機よね。」
(百舌鳥カマキリ殿、覚えられましたな、それに電車でござる。)
「人間はのぅ、すごいもんじゃ。のう。」
「は、はい、。」
「しかしの、人間が往来する所をそんなにうろついては、危ういぞ、。人間にものぅ。神通力や、法力を持つ者がおるで、。」
「こっちの事、気付き次第、自分達を守ろうとして、なんか、願掛けして打っ放して来よる。人は、弱い故、必死じゃからの。坊さんや、陰陽師や、きりないぐらいおるんじゃぞ。中途半端な危ない奴ほど危ないがの。」
「ま、まぁ怖い。」
「まぁそれでも、お主らぐらいであれば、よほどの相手でなければ、火傷で済むけどのぅ。」
(それででござる。その人間が住みよる家まで、ついていき申した。)
「大きな蜂の巣みたいな家よ。」
「そ、その人間、牝に逢ったら、泣いて泣いて、。ねぇ。ゼンマイ。」
(見てても悪いから、そこで、お別れし申した。)
(その人間の家が浅草という所にござった。)
「まぁた、偉い所に行ったもんじゃの?」
(某、妖の気を感じまして、近寄ってみた所が、雷門でござった。)
「ひゃひゃひゃ。お化け大提灯、元気じゃったか?」
(元気も何も、お化け大提灯殿の底におわす龍に、百舌鳥カマキリ殿が捕まり申した。)
「一瞬、一瞬でしたわ。怖かった。風神様、雷神様に睨まれて。」
「ひゃひゃひゃ。」
腹を抱えて笑う小豆洗い。
(で、でござる、。瑩山禅師に言われた事にござる。百舌鳥カマキリ殿が、妖力を垂れ流している事をお化け大提灯殿に、また、言われまして。)
「口を開けたら、閉じるのと同じ事ぞ、」
(お化け大提灯殿は、仰っており申した。)
(某と百舌鳥カマキリ殿は、龍に捕まりながら、身動きでき申さず。そのまま、年が明け申した。)
「ひゃひゃひゃ。地獄じゃの~。」
「ずっと、龍に捕まって、風神様、雷神様に睨まれてたら、なんか、自分が、自分じゃないというか。、そこら辺の、石や、葉っぱと同じ様な気がして、ねぇ、ゼンマイ。」
(流石は、百舌鳥カマキリ殿で、ござった。無でござる。)
「龍様、離してくれたの。」
(そこから、雷門の前で、練習で、ござる。)
「あたしが、ふゎ~ってすると、人間がドキドキがするの、。ぬぅ~ってすると人間のドキドキが弱くなるの。」
(百舌鳥カマキリ殿は、努力され申した。)
こいつ、百舌鳥カマキリに胡麻するの、と小豆洗いは思う。
「てへっ、だって風神様、雷神様、怖いんだもん。」
「でね、私、段々、妖力抑えられる様になってきてね。嬉しくて、。」
(百舌鳥カマキリ殿は、努力され申した。)
こいつ、また~と小豆洗いは、思う。
「そ、それで、お礼も兼ねて雷門の御掃除したりして、ね。一年ぐらい頑張ったわ~。」
「ずっとふゎ~、ぬぅ~、ふゎ~、ぬぅ~、ってね~」
浅草の雷門は、密かにデートスポットとして人気がでた。
恋に落ちる雷門。
「去年の秋ぐらいかしら~。面白いのよ~風神様と仲良くなってきてねぇ。風神様、なんか悩んでて、」
「ほう、」
「ほんと、風神様と良く話すようになったの~。昔は、風雷神門って言われてたのに、今じゃ雷門って言うじゃない~。嫌とは、言わないけど、なんかね~ふふっ。思う事があるみたいで、。私、ずっと聞いてあげてたの~。」
百舌鳥カマキリ、やるの、風神様の心、掴みよったな。と小豆洗いは、思った。
(んっゴホン。その頃で、ござる、お化け大提灯殿が、雷門より先に進めと、言われ申した。更に奥に居られる尊い方々から、教えを頂くようと)
(某、百舌鳥カマキリ殿に提案致し申した。世の中広うござる。ここ浅草の地を一旦はなれ、見物もいいのでは、と。そののち浅草に戻ればいいのでは?と)
「私も、色々ともっと見てみたいからね~どうするか、風神様に相談してみたのよ~」
「ほう、」
百舌鳥カマキリは、魔性の女じゃな。と、小豆洗いは、思った。
「風神様は、ここに居れば良いって言ってくれたんだけど、ゼンマイは、行こうって言うし、困っちゃた。そうしたら、雷神様が、まぁ他の地に行ってみたらって言ってくれて、、。」
ゼンマイ、お主上手くやりよったの、。風神様から離しよった。と小豆洗いは、思った。
「どこに行こうかな~って思ってたら、浅草の絵を売ってるお店に河童さんの絵があってね~可愛くてね~。会いたいね~なんて言ったら、ゼンマイさん、知ってて~。」
(某、人間の知識を得た時に知り申した。小川芋銭殿の絵にてござった。浅草から牛久沼は、近く、それは、是非にと。)
「それで、牛久沼の河童さんに会いに来たのです~。寒くなって来た頃よね~。」
(来てみたものの、どうすれば、お会いできるのか、分かり申さず、いたずらに時が経ち申した。それで、百舌鳥カマキリ殿と、妖気の練習や、某の知識を分かち合いながら、待ち申した。)
「ゼンマイ本当に良く知ってるから~あっという間に時間たっちゃった。」
(年も明け、春になり、小豆洗い殿にお会い致したのでござる。)
(いや、あの人間の知識にてござる。人間というのは、伝説や、言い伝えが好きな様でござる。)
「まぁの、人間が、伝説を作り伝えるからの~儂の事も知っておったか~。」
(はっ、あの人間、数々の妖怪を知り申した。)
「なかなか、見所がある人間では、ないか、。妖怪の人気が、分かったか。」
得意げな小豆洗い。
(は、数々の妖怪でも、特に鬼太)
「もういい。話終わり。」
「?」
(??)
小豆洗いは、不機嫌になった。
風神様が百舌鳥カマキリを好きになる気持ち、わかる気がします。
よろしくお願いいたします。




