第百八話 水の神、妖怪を知る
すっかり日が暮れて。
皆、それぞれに、火を囲み食べていた。。
水の神は、ケンタウロスの子供達と、楽しそうに食べている。
小豆洗いと雨女とログ爺さんは、端っこで皆を見ながら話している。
「可愛いじゃないか?」
一角兎達を見ながら、雨女が言う。
「ケンタウロス達もそうじゃが、素直でな、人間の方がひねくれておるよ。」
「ふ~ん。魔物ね。」
「のう、ログさん。」
「ふぉふぉふぉ~。これでも、人間なんじゃがの~小豆洗いさん。」
「ああ、そうじゃ、雨女、皆に挨拶せんか?」
「のう?」
「ああ、いいけどさ、何言ったらいいんだい?」
「う~ん、まぁ、軽くのぅ?」
「お~い。皆、食べてるところで、悪いが聞いてくれ、。」
「わしの妖怪仲間の雨女?んっ今は晴れてるから、晴れ女か?」
雨女の顔を見る小豆洗い。
「ああ、あの、わたしゃ、雨女。まぁ晴れてる時は、晴れ女だね。ややこしいから、お瀧でいいよ、」
「えっと、なんでか、知らないけど、この世界?に来ちゃってね。」
「一緒にいた筈の、ろくろっ首っていう首の長い妖怪と、お岩って酷い顔の妖怪を探してるのさ、」
「来てる筈なんだけど、ねぇ。」
遠くを見る雨女。
「なんか、はじめっからみっともないところを、見せちまって、。、。」
「まぁ、迷惑かけない様にするからさ、仲良くさせてもらえないかね?」
皆の、顔を見渡す。
「まっそういう事じゃ。皆、宜しく頼む。」
小豆洗いが手を挙げる。
皆、頷くとそれぞれに話している。
「しっかし、あたいみたいな者が、こんだけの前で自己紹介するなんて、こそばゆいったらありゃしないよ。」
「まぁの。」
「今更だけど、力をだした後に、こんなに堂々としていていいのかね。」
「まぁ、お主は、まだ、紛れ込みやすいじゃろうからいいけど、わしや、百舌鳥カマキリ達は、ここでなら、堂々とのう、ゆっくりできる訳じゃから、ありがたい事よ。」
「確かに、そうだね。」
ルーインと、ルーンがこちらに向かって来る。
「ほほう、。」
「人気者ですのぅ?」
小豆洗いとログ爺さんは、笑う。
「なんだい?」
「まぁ見ちょれ。」
「長、ルーンがな、」
「長、オタツと剣を交えたいのだが?」
「好っきじゃの~戦うの。」
「我らは、誇りをかけ戦い、戦いを先祖にかかげるのだ。先ほど、剣を奮ったが、まだ、途中だ。」
「我も強きオタツと、戦い、腕を上げたい。」
「だ、そうじゃ?瀧吉。どうする?」
「はぁ?」
「ケンタウロスは、そういう生き物なんじゃよ?のう?ログさん。」
「わしも、結局、戦いました。戦わないと納得しないようですじゃ。」
「剣の腕かい?わたしゃ小太刀なんだけど、ね。小太刀じゃあんたらには、勝てないよ。」
帯の小太刀を手にする、雨女。
「ならば、オタツの力を、戦いを、味わってみたいのだが。」
「あんた、宮本武蔵じゃあるまいし、。、。」
「まぁ、どっちにしろ、明日じゃ、明日。」
「今日は、わしゃ、疲れてるから、おしまい。」
「はい、お終いじゃよ。おしまい。」
手を叩いてルーンを追い払う。
ルーインは、笑いながらルーンと歩いて行く。
「別に遊んでやってもいいけど、。、。」
「それより、小豆洗いのいう事、聞くんだね。」
「そりゃ、長様ですからのぅ。」
ログ爺さんが面白そうに言う。
「長様、長様、あたいも長様、って言おう。」
笑って雨女が言う。
「だって、戦ってくれって、わしの時もしつこくての、」
「戦って勝ったと思ったら、長様、じゃよ。」
「ああ、そうじゃ、」
急にコソコソし始める小豆洗い。
「ログさんか、瀧吉、わしと戦って勝ってくれんかの?」
小さな声で話す。
「やだね。」
「勝てません。勝てません。ふぉふぉふぉ~」
「そんな事より、世の中に関わるな、関わってはいかんってあれだけ言ってたのにね。」
「そんなに言わんとってちょ。」
もじもじする小豆洗い。
「もとの世界に戻ったら、砂かけ婆にでも言いつけてやろうかしら。」
「もう、瀧吉、言わんとってちょ。」
「本に頼むで。あいつら、真面目じゃから、のう。」
嬉しそうな顔をする雨女。
「お主だって大分、やったじゃろ。」
「私のは、戦の中の事だし、他のみんなに影響が響く事は、ないからね~」
「はははっ」
楽しそうに話す雨女。
「まぁ、分かった。分かったから、のう。」
「そうじゃ、一曲なんか弾いてくれ。のう。」
「いいよ、長様。分かりました。」
「もう。。、。まぁ頼むで、」
「これは、嬉しいですじゃ。お願いできるのですか?」
ログ爺さんが嬉しそうに言う。
こうして、皆、楽しく食事を終えた。
小豆洗いが疲れた、疲れたと言うので、皆、早く寝た。
夜中。
「水の神様、」
「あら、お疲れでは、無かったのですか?」
ニコニコと笑顔で、小さな岩に腰を下ろす水の神様。
「あの、もう一方の妖怪は、大丈夫じゃろうか?」
「木の精の方は、私が見つけたのですが、それはもう、ゆっくりされています。」
「ご心配なら今からでも行きますか?」
「それでしたら、びっくりされるといかんじゃろ。陽が上がってから行くとしますじゃ。」
「解りました。」
「あと、水の神様、一つ申し上げたいのじゃが、」
「はい?」
「実はの、我の様な妖怪にはの、色々とおりましての、」
「はい。」
「雨女や、百舌鳥カマキリ、わしの様な者もいれば、人をとって喰う者や、魂を食べる者もおりますのじゃ。」
「は、はい。」
「それでですじゃ、人をとって喰う者や、魂を食べる者は、強かといいますか。」
「ずる賢いといいますか、」
「一言で言うと、こっそり悪い事をしますのじゃ。」
「それは、困ります。」
「儂と百舌鳥カマキリだけではなく、雨女が、来てるという事は、誰が来てるか、わからん。」
「まぁ、来とるのかわからんが、ろくろっ首やお岩は、悪い者ではないが、。」
「儂が好きではない、妖怪もいるかもしれぬ。」
「わ、わかりました。」
「くれぐれも、気を付けて下され、あと、河童の事も頼みますじゃ。」
「はい、今まで以上に、探す事とします。」
「ところで、大分、ここが気に入った様ですのぅ。」
「はい。ここが大好きになりそうです。」
「儂もですじゃ。本に気持ちのいい者ばかり。」
「きっと、小豆洗いの元に集まっているのですよ。」
「そんな事は、ないが、本に気持ちいいもんばかりですじゃ。」
「本当は、こんなにいてしまっては、いけないんですが、」
「どうせ、時がたてば、伝説となり忘れる事じゃて、。、。」
「何を話してるんだい?」
雨女が、ふらりと現れる。
「い~や、怖い妖怪もいるっちゅう話じゃよ。」
「ふ~ん。私は、やり過ぎたかね?水の神様?」
「いえ、そんな事は、無いと思います。」
「そうかい?」
「お主の事じゃなくての、。だってお主は、人をとって食べたりしないじゃろ。」
「ああ、そういう話かい?」
「うむ。」
「そうだね。そういう連中が、来てたら。大変だろうね。」
小豆洗いと雨女は、水の神様とゆっくりと話していた。
気が付いたら、明るくなってきたのであった。
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