第百六話 最後の言葉
「おおおおお~。」
両手に剣を持ち、走って来るルーン。
「ルーン、待機じゃ、みな、動くな、」
小豆洗いが、叫ぶ。
大きく飛び跳ねながら、右手の剣を雨女に向けるルーン。
雨女は、小太刀を構える。
「カキンっ」
ルーンの右手の剣が雨女を襲ったと思ったのだが、小太刀で防いだ様だ。
雨女は、姿を消して後ろに下がり、また、姿を現した。
「やめい、ルーン。」
小豆洗いは、大きな声で止めようとする。
「小豆洗い、先に手を出したのは、その子だよ」
「雨女、やめい。」
「お止め下さい。」
水の神は、淡く青く光出す。
雨女は、手を天に掲げた。
振り下ろそうとした時、小豆洗いは、アキノ桶を天に上げた。
その時だった。
「オタツさん」
遠く、遠く小さく聞こえた。
一人の人間が叫ぶ。
「オタツさんだ。」
「お~い、オタツさん。」
雨女は、また、後ずさりする。
「プスタ―?」
ルーンは、どうしてよいのか分からずにキョロキョロする。
アキノ桶が落ちて来るのを大事そうに小豆洗いは、受け取る。
ほっとする小豆洗い。
アキノ桶を見てにっこり笑う。
水の神も、キョロキョロしている。
どうやら、遠くで、コースト達に行かない様に止められている人間が手を振る。
「オタツさ~ん。」
「プスタ―。」
雨女が、手を振る。
「ルーン、剣を控えよ。」
ルーインが言う。
「ルーンは、わしの為に戦おうとしてくれたんじゃ、ありがとうルーン。」
「のう、ひとまず、剣を納めてくれるか?」
黙って、剣を鞘に納めるルーン。
ルーンの肩を、ポンッと叩くルーイン。
一人が、手を振りながら走って来る。
それを追いかけもう一人。
「はあ、はあ、オタツさん、なんでここに、」
「プスタ―。」
お瀧は、申し訳なさそうに見る。
「す、すいません、来てしまって、。」
グルスが、小豆洗いや、水の神に声をかける。
「いいのじゃ、グルス。」
小豆洗いは、手をふわりと挙げ下げする。
にっこり笑う水の神。
すかさず、ひざまつくグルス。
それを見てプスタ―もひざまつく。
落としどころじゃの。
「皆、安心せい。、大丈夫じゃ。」
「のう、雨女?」
「・・・。」
「プスタ―元気だったかい?」
「はい、オタツさん、逢えた。オタツさんに。」
いい歳の男が純粋に言ったその言葉に、恥ずかしくなる雨女。
「素朴なやっちゃのぅ。」
小豆洗いは、つい言葉をだしてしまう。
「そんなんじゃないんだよ。」
「でも、逢えないと思ってたから、私は嬉しいです。」
「プスタ―少し、控えろ。」
小声で声をかけるグルス。
「グルス、いいんじゃよ。」
「はい、。私のいとこなんですが、昔から空気を読まないところがありまして。」
「そうか、いとこのぅ。」
「水の神様の前で、申し訳ありません。」
恋の行方を見守っていた水の神は、はっと我に返る。
「えっ私?ここにいたら、気を使いますよね、はぁ、。」
明らかにここに居たそうな水の神。
「水の神様、ゆっくりされたらいいですじゃ。」
「じゃそうします。」
「プスタ―、わたしゃ、ダビド亭で話を聞いてね、」
「急いで、マッシュさんの家にいったのさ、」
「家に着いたら、グルテさんが、ドアの前で倒れててね。」
「もう、息が、無くてね。」
黙って聞いているプスタ―。
「そしたら、誰かって声が聞こえてね、薪の所にいったら、マッシュさんがいてね。」
「マッシュさん、声かけたらもう目が見えないって言って、でも、私の事は、分かってくれてね。」
「そんで、グルテさんの名を呼んでね、」
「私、グルテさんが、もう亡くなってるって言えなくてね。」
「グルテに伝えて下さい。今まで、世話になったって、苦労をかけたって言ってね、。、。」
「プスタ―にグルテを頼むって言ってね。。、。。」
「そんで、息を引き取ったよ。」
「すまなかったね、あと少し、早ければ守ってあげれたのに、あたいは、昔からこうなのさ、」
「で、でも、仇はとったからね。あたいが、きちんと仇をね。」
「すまないね。プスタ―。」
「これ、グルテさんの、」
そういって、小さな青い水晶が付いたかんざしを渡す。
「うう、うう~。」
泣き崩れるプスター。
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