【エピローグ】
「なぁ、希、なんであんなことしてまで俺から離れていったんだ?」
「内緒」
「内緒はないだろ。二年間だぞ」
「教えて欲しい?」
「教えて欲しい」
「んーっとね。私に依存しきっているからってのは一つの理由で、本当の理由はHazukiとして活動したかったから、かな」
「なんだそれ」
「気がつかなかった?私の作品、そういう内容だったでしょ?だから共感したんじゃないの?私ね、本当はもっとはやく言おうと思ったんだけど、治樹、Hazuki先生にだけ本音を言ってたでしょ」
「それは、まぁ、あーっ!なんか恥ずかしくなってきた!!」
「ふふ。気づかないでずーっと私に相談してたんだもんね〜」
「そう言うなよ。本当に恥ずかしいんだからやめて。で、Hazuki先生として活動した感想は?」
「そうね。手に入れようとすれば手に入るけど、でもそうはしない。突き放そうと思えば突き放せるけどそうはしない。なんか楽しかったかな」
「んだよ。ひっでぇな。弄んでたのかよ」
「でも、私のこと、よく考えられたでしょ?」
「まぁ、な」
「これからはHazuki先生じゃなくて希として返事してあげるから」
そう言ってあの日のメッセージは既読になった。