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アオハル  作者: PeDaLu
4/9

【初夏の騒動】

 ゴールデンウィーク。それは高校生にとっての楽園。夏休みとかは夏期講習やら何やらがあるが、ゴールデンウィークはそういうのが無い。素晴らしい。俺たちも何かイベントをだな……。

「ちひろ、図書委員会と生徒会でどこか行かないか?」

「またストレートね。いい加減に諦めなさいよ。私はいいけども、希は来ないと思うわよ。それにどこに行くのよ」

「まだ決めてないな。兎に角、出かけたいんだよ。高校三年生の自由に使える最後の連休だろ?」

 楠原に行きたい場所を確認したら、遊園地、というシンプルな答えが返ってきた。高校生にもなって遊園地か。せめてディズニーランドとかそういうところの方が。


「まだ先は長いな」

「俺は大丈夫だぞ。訓練されてるからな」

「あのコミックマーケットってやつか。凄い行列だもんなあれ」

 結局、俺たちはディズニーランドにきたわけだが。ここも凄い行列ばかりだ。そして予想外だったのが希も来たことだ。ちひろが一応誘ってくれたんだが、来てくれるとは思ってもみなかった。ちひろもびっくりしていたくらいだ。

「あの。三瀬君は私に話しかけないでね」

 待ち合わせ場所に来て、俺のところに来たと思ったら、その一言。それになんだ三瀬君って。他人行儀にもほどがある。

「会長、希に何か言われたの?」

 ちひろが心配そうに聞いてくる。

「まぁ。話しかけないでねって」

「きっつ。ちょっと流石に同情するわ。でもそれならなんで希、来たんだろう」

 そう。それだ。なんで俺がくるのが分かっていて来たのかってのが謎だ。あとで忍にでも探ってもらおう。

「ねね、先輩はなんで今日来たんですか?」

「ちょっと思うところがあってね」

「なんですか。思うところって。やっぱり会長のことですか?」

「んー、それもちょっとあるんだけど、それ以外の方が多いかな」

 希先輩は本当に謎が多い。本当になんのために今日やってきたのか分からない。

「会長、やっぱりわかりませんでした。でも会長のことも少しは気になってるみたいですよ」

「だといいんだけどな。やっぱり話しかけないでってのはきついな」

 楠原は相変わらず、ちひろにべったりだ。ちひろは最初のうちは嫌がっていた様子だったかが、最後の方は諦め気味で適当にあしらっていた。最後に乗った遊覧船に乗っている時に横目で希を見ると懐かしい気持ちになる。静かな横顔。髪をかき上げる姿が懐かしい。

「希……」

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