1/14
差別が利用されている
前作では、差別が個人において、どうして起こるのかを見てきた。実は、差別行動だけでは、大きなうねりは生まれない。そこには、集団を形成していく上で、人々の差別を増幅する装置が存在する。
「差別に基づく分断。」
宗教・思想の違いを利用して、差別を生み出し、敵対心を煽る。思想による差別。これはすべて、教育によってもたらされる。いいかえれば、教育が不十分な社会では、このような対立は起こらないことになる。つまり、ちいさな小競り合いは起きても、大きな戦争にはならない。
さて、歴史的経過を解説しても退屈なだけなので、ここからは、どのように差別が作られ増幅されていくかを見ていこう。