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後姿と煙草  作者: zig
8/9

8 おかえりなさい!お風呂にする?ご飯にする?それとも真由子の恋愛経験物語聞く?

 浜辺を後にした私達は、大地の家に来ていた。

 靴にも服にも砂が付いてしまい、夜も遅くなったこともあり、私の両親に電話をした大地はそのままバイクで運んでくれたのだ。


「ただいま~」

「おかえりなさい!って、何やってきたの!」


 先に玄関ドアを開けて進む大地を迎える女性の声。

 大地の奥さんである真由子さんだ。

 砂まみれになった大地を見て苦言を呈した後は、私に気づいて快く迎えてくれた。

 先にお風呂を頂き、野菜とお肉がたっぷりのお夕飯をご馳走になった。


「え~?そんなことしてきたの?バッカみた~い」


 笑いながら私の話を聞く真由子さんは、ダイニングテーブルにホットココアを二つ持ってきて言った。


「まー、あいつ上手な励まし方できないだろうからねー」


 しょうがない男だ、と呟く彼女は苦笑を浮かべている。


「でもねー。あいつ優花ちゃんのことすごい気にかけててさ。どうしたらいいーって私に相談してくるくらい」

「もー、そんなおおげさにしなくてもいいじゃん!なんかすごい恥ずかしいし!」

「まーそう言ってあげないでよ。それだけ可愛がってるってことなんだからさ」


 それが恥ずかしいのだが。


「しかし失恋かー。キッツいねー。私も経験あるなー」

「えっ。真由子さんもあるんですか!?」

「あるよー。あったりまえじゃーんアハハハ!そう、あれは私がまだうら若き高校生の頃……」


 言葉の調子を変えて語り始めた真由子さんを相手に、そのまま恋愛トークで盛り上がった。

 そのうち、告白した相手がどれだけかっこよかったか。どんな気持ちで告白したか。断られてどれほどキツかったかを白状する形となった。


 親にも話せなかった胸の内をさらけ出したことで感情が高まり、泣いてしまった。

 真由子さんはそんな私を優しくあやすように、でも励ますように接してくれた。

 その後、真由子さんは渾身の恋愛話をフル活用し、話を盛り上げてくれた。彼女の話はなぜかどうしようもないことばかりで、そんな話は私の心を和ませてくれた。

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