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第16話

 奴隷になって1ヶ月ほどが経った。

 そのときは唐突に訪れた。

 

 「おまたせ~」

 神様が来たのだ。神様が俺を迎えに来てくれたのだ。

 せまい牢屋の中でひとりでいるとネガティブになり、もしかしたら神様は来てくれないんじゃないか、俺を置いてどこかへ行ってしまったんじゃないかとか考えてしまった。

 ネガティブな思考になったのはもちろん、あの忌々しい愛玩用クソ女のせいだ。あいつが俺を傷つけた。立ち直れないまま1ヶ月牢屋にいたのだ。あいつだけは絶対に許さない。

 それにしてもよかった。神様ありがとう来てくれて。ムカつく奴だけどこの時ばかりは本当にうれしい。抱き付いてキスしたいくらいだ。ちゅっちゅ~。

柵にキスをしていると神様は心配そうに言った。

 

 「大丈夫ですか、頭。牢屋にいすぎて牢屋に恋をしたんですか」

 「なわけないだろ。お前に恋をしたんだ!」

 「な、何を馬鹿なことを言っているんですか……! こ、恋なんて。嬉しい…!」

 神様は顔を赤らめて言う。俺も照れくさくなって頭を掻いた。

 さて。

 

 「茶番はこれくらいにして。お前がここにいるということは……やったのかボスを」

 「あれ? もういいんですか? 奴隷とご主人様の禁断の恋ごっこは」

 「ああいいさ。俺は速くここから出てやるべきことをやりたいからな」

 「そうですね。レベル上げしないとですね。で、ボスの件ですが……一応捕獲は成功。家畜小屋もつくりました。準備は完了。あとは繁殖させるのみです」

 「おお。すごい!」

 

 神様もやればできるじゃないか。ポンコツだと思っていたがさすがは神と言うべきかやるときはやるようだ。

 

 「しかし」

 神様は声をひそめた。

 「ひとつ問題がありまして……」

 「問題?」

 「はい……とりあえずこんなところではなんですからここから出ましょう。直接見たほうが説明しやすいですから」

 

 神様は店主に奴隷を売ると奴隷は笑顔で牢屋へ入っていった。せっかく奴隷から解放されたのにまた売られてこんな狭いところに閉じ込められるなんて可哀相だななんて思ったが、多分俺が間違っている。

 その奴隷は体中が傷だらけでいかにも激しい戦いの後というのが目に見えて分かる。頭には包帯が巻かれており生々しい切り傷が腕や腹に残されていた。神様には傷ひとつついていないことから奴隷にのみ戦闘をさせたのだろう。神様の死生観はおかしいからな。何度も死にかけただろうね。

 ああ、そうそう。店主に聞いた話だが奴隷には金目的の若い女の他にも自ら売られに来る人間もいる。神様が買った奴隷のように戦闘に特化している奴隷――傭兵奴隷だ。この世界では傭兵奴隷はあまり需要がないらしく金額が安い。だから俺みたいな雑魚を売った金でも買えるのだ。

 他にも奴隷がいる。例えば一芸奴隷という奴は絵がうまいとか歌がうまいとか何でもいいから一芸に秀でた奴隷だ。インストラクター奴隷なんてやつは人にものを教えている。この店『奴隷最高』にいるインスタラクター奴隷はゴブリン戦車の鹵獲(鹵獲というのは相手の武器とかをぶんどることね。店主に意味を聞いたら半笑いで教えてくれたよ)の仕方を教えている。

 

 その他には一般奴隷。この町の人達(クソ野郎)に宿屋と騙され売られてしまった哀れな人達だ。売られたのに今でも宿屋だと信じて牢屋で寝泊まりしている頭の弱い人だ。この人達は一芸もないしスキルもない。顔もよくないので運が悪ければ一生を牢屋の中で過ごすことになる。

 まあどうでもいいけど。

 

 店主がぺこぺこしながら牢屋の鍵を開けると俺は晴れて奴隷から解放された。


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