第4羽 ~心の温もり~
プロットがだいぶ固まってきたので、
早目に更新してみました。
今後も、早めに更新できる時はしたいと思うので、
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をお願いします。(懇願)
『っと、説明してるうちに日が暮れはったな。
アンさん、今日はここで野宿しはる以外
ないねんかぁ』
帝様の遣いにそう言われ、空を見てみた。
もう、だいぶ日が傾いている。
虎から逃げてる間にも、相当の時間が経ったのだろう。
これから、あてもなく歩くにしても、暗闇を
歩くのは危険だ。
ここで野宿するしかないのは、しょうがない事か。
「なら、焚き火が必要だな。
夜の森で明かりは最重要だし…… なにより」
ググゥ~と、腹の虫がなる。
「お腹が空いたしな。食べ物…… 虎の肉か。
アレを食べるにしても、焼いてから食べたい。
流石にこの体でも、生食は腹を壊すだろ?」
そんな俺の様子に、帝様の遣いはクスクスと笑いながら。
『せやなぁ。なら、焚き木を集めてこんと。
火はアテがなんとかするわ』
「分かった。なら、本格的に日が沈む前に、
はやく拾って来ないとな。って…… クチバシで
1本1本拾わなきゃいけないのか……」
そんな心配をしていても意味が無いと思い、
焚き木を捜すために、森へ入った。
そして、5分後……
意外と、乾いた枝が多く落ちていて、すぐに
焚き火ができる程度の量は集まった。
『これで、焚き木は集まったんやなぁ。
んじゃ、火をつけるわ』
そう、帝様の遣いが言うと同時に……
目の前に、青白い火の玉が出てきた。
その火の玉は、焚き木の中に吸い込まれる様に動いて、
一瞬で炎へと変わった。
「これ、俺が持ってるスキルの効果じゃないよな。
これ、〝お前のスキル〟だったりするのか?」
その問いに、少し困っているような声音で。
『その問いは、半分外れやなぁ。答えは、まあ……
そのうち教えるわ』
と、軽く流されてしまった。
「これで明かりが確保できたわけだし……
虎の皮を剥いで、肉を取らなきゃ。
って、鶏がどうやってやるんだよ!」
『そんなもん、クチバシで皮を切って、クチバシで
肉を切るしかないやん。頑張ってや♡』
至極当たり前のことを言うように、帝様の遣いは
サラッと言い放った。
「分かったよ! やればいいんだろやれば!」
これから、数時間…… 虎と格闘するハメになった。
■■■
パチパチと、焚き木が燃える音が聞こえ……
火が揺らめく度に、辺りを様々な角度で照らす。
そんな焚き火を見ている間に、少し心が落ち着き、
俺はボケーっと、呟き始めた。
「焚き木を運んだ後でクチバシが痛んだな……
まあ、一番はあの虎のせいだけど。
はぁ、手足が自由に使えるって、幸せな
ことだったんだな。しっかし、自由な人の手が
飛べもしない翼に変わっても、邪魔でしかない。
なんでニワトリからなんだよ……」
そんな弱音をはく俺をなだめる様に、優しく
言葉を返してくれる。
『いいやないの。今はまだ使えなくても、
これから強うなって、飛べるようになるかも
しれんやろ?』
「だけどさ。俺、こんな姿で強くなれんのかなって。
鶏だぜ? こんな弱っちい奴なんて、死なない
方がおかしいわ。いつ、あの死体のように死ぬか、
考えただけで怖いんだよ」
不意に、背中に重みを感じ、同時に暖かみを感じた。
後ろに誰も居ない…… いや、この場に俺以誰も居ない
はずなのに。一瞬、ビクッとしたが…… 何故か、
そうされる事が安心できた。
『大丈夫や。アテがついてるかんなぁ。
アンさんを死なせはしない。やから……
必ず、強う男になりはってな。約束や』
背中に感じる重みは、強く俺を抱きしめた。
少し痛いくらいの強さだけど、その強さの分、
彼女の優しさを感じた……
■■■
朝の強い陽の光で目が覚めた。
あれから、眠ってしまったのか……
と、思っていると……
『アンさん、虎の肉が焼けたんよ。はよう食べや。
あ、その前に顔洗ってき。お風呂もはいってない
から、顔も汚いやろ。はよ食べて力付けて、
さっさと川の下流へ向かうかんなぁ』
その、テキパキとした行動と手際の良さに……
(あ、オカンだこれ)
と思ったのは内緒にしておこう。
鶏に背中があったのか……?!(驚愕)
二月あたりにPCを買いたいと思うので、
その時期は更新が遅れると思います。
(自作自演の)応援PVも作成しようと思っているので、
もし完成したら報告しますね。
P.S.
何話まで続けられるかわかりませんが、
総文字数:10万文字を目ざして頑張ります。
1話=約1500文字とすると……
先が長いですね(白目)